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【レンゲツツジの撮り方】天候に合わせて撮影方法を変えてみよう

レンゲツツジは6月の梅雨の時期に花を咲かせます。レンゲツツジは高さ1~2mほどになり、橙色の鮮やかで大きな花を咲かせます。高原のシラカバ林や湿原に群生するため、広角から標準レンズを使って絞り込み、風景的に狙うと絵になります。花つきのよい株を選んで前景に大きく見せ、背景に森や山を配して広がりや奥行きを出すとよいでしょう。

梅雨時によく発生する霧を生かせば、幻想的な雰囲気に仕上げられます。名前の由来となったつぼみの形も美しく、雨の日などは水滴を生かしたクローズアップ撮影もおすすめです。天候に合わせて多彩な表情を捉えられるのがレンゲツツジの魅力です。

 

基本テクニック

景色がきれいな場所では、花つきのよい株を選びつつ絞り込んでパンフォーカスで捉える

景色がきれいな場所では、花つきのよい株を選びつつ絞り込んでパンフォーカスで捉えるのがベター。レンゲツツジは花つきの良しあしが異なることがよくある。近景にたくさんの花をつけた株を見せられるよう、状態のよいモチーフを選ぶことが大切だ。

 



レンゲツツジの花つきがまばらなので寂しい花畑になってしまった。

 


花も山もシャープで見応えのある花風景に

たくさんの花をつけた株を大きく捉え、湿原に広がる花畑や残雪の鳥海山を写し込んだ。前景にたくさんの花を捉えることで華やかさが増し、絞り込んでパンフォーカスにすることで風景としての臨場感も生かせる。

32ミリ相当 絞り優先オート(F22 1/2.5秒) ISO100 WB:5000K PLフィルター

 

 

応用テクニック

雨の日は背景の霧を生かすと幻想的に仕上がる

レンゲツツジは高原に咲き、花期が梅雨と重なるため、霧に包まれることがよくある。遠景狙いだと全体がかすんでしまうので、近景にメインのレンゲツツジを捉えることで、背景の霧を生かそう。また露出がアンダーになりやすいため、プラス補正も欠かせない。

±0

+1.3

霧を生かすにはプラス補正が鉄則

前景にレンゲツツジを大きく捉え、背景に霧を生かすことで幻想的な雰囲気に仕上げた。補正なしだと露出アンダーになってしまったが、プラス1.3補正で霧に包まれたツツジを爽やかに見せることができた。

 

高原や湿原などの広大な風景に咲くレンゲツツジ。晴れた日はダイナミックな風景を、雨や霧のかかった時は幻想的な風景を、多彩に利用して撮影しましょう。
写真・解説/深澤 武