先週末、沖縄では早くも梅雨明けした!ということで、着実に梅雨前線も、日本列島を駆け抜けています。梅雨も明けると、色鮮やかな花々が咲き始めますので、花の色鮮やかさを生かした、ワンランク上の撮影テクニックを、今回は、いち早くご紹介いたします。
梅雨時は曇天の青い光を盛夏では強い光を生かして作画しよう
夏の花々は、梅雨時期と盛夏では種類が異なります。アジサイやハナショウブなどの梅雨の花は、青っぽい色の花が多く、雨天時特有の青い光とよく合います。雨の日の撮影は億劫に感じられますが、水滴をのせた花の姿は特別な美しさがあります。そして盛夏になると、山地の花も咲き競い、夏山や湿原も可憐な花々であふれます。また、夏の強い日差しのもと、黄色いじゅうたんを敷いたようなヒマワリ畑は毎年でも撮りたい被写体です。
コマチソウ×シャッター速度
三脚使用禁止のため感度を少し上げてシャッター速度を稼ぐ
北海道にあるファーム富田で撮影。赤紫色のコマチソウを標準レンズで大きく捉え、7色の帯が後方に見えるようにフレーミングした。三脚の使用が禁止されているため、ISO400に感度を上げてシャッター速度1/125秒でブレを防いだ。ISO800程度までなら大きな画質の低下は見られないので、手ブレ補正機能より、シャッター速度を稼いでブレを防ぐのが確実だ。
40ミリ相当 絞り優先オート(F11 1/125秒) +0.7補正 ISO400 WB:晴天
リュウキンカ×ローアングル
ローアングル対応の三脚を使用して1/8秒で撮影
渓流沿いに咲くリュウキンカをローアングルから撮影した。花を画面いっぱいに捉えられ、なおかつ花と渓流とがバランスよく収まるようなポジションを選んでいる。シャッター速度は1/8秒と遅くなるため、ローアングル対応の開脚度を変えられる三脚が欠かせない。スローシャッターにより水の流れが平均化されて優しい描写となり、花との調和がとれた仕上がりである。
シャッタースピード、ISOや、カメラアングルを調整することで、これからの季節、色鮮やかな花々の撮影が可能になります。夏休み、どこか旅行する際は、癒しの花々の撮影をしてみてはいかがでしょうか。
写真・解説/深澤武