応用テクニック①
水面の反射を取り入れて光を倍増させる
水面の反射を狙うには断然夜がおすすめだ。暗い水面のキャンパスに、ビルの明かりがきれいに反射する。普通の夜景写真よりも光が倍増し、にぎやかなビルの写真になる。さらに美しい水鏡を狙うなら、波のないお堀や池などで無風状態のときに撮るのもポイントだ。
水面反射によって“都市風景”感が強まる
下町の向こうに高層マンションが建ち並ぶ現代的な夜景を撮影。停泊中の舟とマンションだけの左写真でも悪くはないが、水面に映ったマンションの虚像を入れることで、より華やかな夜景写真になった。にぎやかな都市風景のイメージがより引き出されている。
空や暗いだけの水面はなるべくフレームアウト
ビル群と水面反射を広く撮ってしまうと、思いのほか暗いスペースが画面に入ってしまう。暗いだけの空や水面はなるべくカットして、きらびやかな箇所だけで構成すれば、左写真のように見栄えよく仕上がる。ズームレンズを使えば、フレーミングの自由度が上がって便利だ。
16ミリ相当 絞り優先オート (F11 5秒) ISO200 WB:白色蛍光灯
応用テクニック②
マクロレンズを使ってしずくに映り込んだビルを狙う
雨が止んだ直後は、ビルの前にある手すりや草木などに付着した水滴の中をのぞいてみよう。逆さになったビルの映り込みを見つけられるかもしれない。発見したら、マクロレンズなどを使って水滴を接写する。その際、ピントは水滴の中のビルに合わせること。カメラ任せにすると、水滴の表面に合いやすいので注意が必要だ。
リバースアダプターを使って撮影
この写真は、マクロレンズの代わりに、高倍率接写を可能にするリバースアダプターに広角レンズを逆付けして水滴の中を撮ったもの。一風変わったビルの写真が作れた。
17ミリ相当 絞り優先オート(F22 1/40秒) ISO800 WB:オート
街中には、ミラー、ガラス、水たまり、池など、映り込むものはいろいろあります。単調で無機質なビルを、そのような映り込みのテクニックを使って撮影すれば、インパクトのある感情の伴う写真が撮れることでしょう。