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【星と月の撮影の基本⑧】メリハリのある描写が可能な「風景」モードを選ぶ

星空のきれいな景色(星景)を見ると撮影したくなるもの。カメラが好きな人にとって、一度は挑戦してみたい!被写体です。星や月、惑星など撮りたい気持ちはあるのだけれど、「難しい!」「真っ暗!」「星が映らない!」など撮影方法の悩みは尽きません。これから流星群や皆既月食、火星の接近など、天体撮影では、イベントも盛りだくさん。カメラを通してきれいに撮る方法やテクニックをご紹介いたしましょう。

 

 

「ピクチャーコントロール(ニコン)」や「ピクチャースタイル(キヤノン)」などとメーカーによって呼び名は異なりますが、コントラストや彩度、輪郭強調(シャープネス)など、絵づくりをつかさどるのが仕上がり設定です。「スタンダード」がそのカメラの基準となる絵づくりで、ほかにコントラストや彩度が高く鮮やかになる「ビビッド」や、コントラストが低く落ち着いた発色の「ニュートラル」などの設定が用意されています。自然風景の撮影ではコントラストが高く、メリハリのある「風景」モードが使いやすいでしょう。

ただし、天体撮影向けに用意された設定はありません。たいていの場合は、コントラストを上げてメリハリを出したほうが、星の輝きがくっきりとして好結果を得られます。パソコンを使ってRAW現像の際に調整してもよいですし、仕上がり設定を詳細に調整して天体撮影向きのオリジナル設定を作ってもよいでしょう。

 

【 星/月の仕上がり設定 】「風景」モードを選んでメリハリのある描写に

星や天の川の存在をくっきりと見せるには、コントラストの高い「風景」モードが適している。シャドーをしっかりと引き締めるため、階調補正はオフにしておきたい。撮影後のレタッチでシャドーを引き締め、ハイライトを明るく仕上げるとメリハリがつく。ただし、月面のアップはコントラストが高く白とびしやすいので「スタンダード」を選び、階調補正を強めにするのがベターだ。

 

 

星空はコントラストの高い設定で撮る
木立のシルエットを生かして、夏の天の川を撮影した。天の川をくっきりと見せるには明暗のコントラストを生かすことが大事である。コントラストが高く、メリハリを生かしやすい「風景」モードで撮影することで、天の川の暗黒の帯をしっかりと捉えられた。

19ミリ相当 マニュアル露出(F2.8 15秒) ISO16000 WB:5000K

 

 

自然風景の撮影では、メリハリのある撮影が可能な風景モードが使いやすくなっています。コントラストが高くなりますので、星などをくっきり見せることが可能になります。

 

 

写真・解説/深澤武