応用テクニック①
絞りは開けて撮るのが基本
電球などの点光源を絞り込んで撮影すると、光の筋が現れてキラキラとしたイメージになる。これを生かして、太陽も絞り込んで光条を発生させ、ギラギラ感を演出したりするが、月にギラギラの印象は似合わない。だから特に小さく月を捉えるときは、絞りは開けて撮影しよう。開放でもよいが、1~2段絞って撮影するのが通例である。開放F値がF2.8ならば、F4かF5.6となる。シャッター速度も速く設定できるので一石二鳥だ。
光条があると太陽のように見えるので月は開けて撮ろう
写真を見るとわかるように、月にギラギラとした演出は似合わない。F11に絞り込んで撮影した左の写真は光条が発生し、太陽のようにも見える。レンズによって光条の発生の仕方は異なるので、自分のレンズは絞りいくつから光条が発生するか確認しておきたい。
応用テクニック②
月景の露出補正はマイナスが基本。暗めに写して月の中のウサギも描写しよう
先にも述べたとおり、月景をカメラ任せの露出で撮ると、かなり明るい写真になる。そこで撮影者が露出補正を行い、適切な露出にする必要がある。基本はマイナス補正だ。焦点距離にも影響されるが、広角レンズで撮影したときでマイナス1~2補正、望遠レンズのときはマイナス2~4補正ほど必要になる。
マイナス3補正で適正露出となった
カメラ任せの露出からマイナス1補正したのが左の写真。シャッター速度は1/4秒で、夜の撮影にしてはかなり明るい状態であることがわかる。結果、マイナス3補正して適正になった。
太陽は、ギラギラ感を演出することもあるが、月にはギラギラ感は似合わない。月の演出は、露出補正をマイナスに設定し、しっとりした雰囲気を表現してみましょう。
写真・解説/秦 達夫