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【花火の撮り方②】花火撮影の必須アイテム&ワンランク上の撮影術

 

撮影テクニック②

明暗差のある花火やシーンを撮るときはハーフNDフィルターの出番

激しく光るスターマインは低空と上空では明暗差が激しい

肉眼では同じ明るさに見える花火でも、写真に撮ると一部分が露出オーバーになってしまうことがある。例えば、地上からシューッと噴き出す噴出花火(扇打ちなど)は、上空で開く花火に比べたらかなり明るいので、下側だけが露出オーバーになってしまう。シャッターを開けている時間を短くして露出オーバーを防ごうとすると花火の形が歪んでしまう。

こういう場面では、ハーフ ND フィルターが活躍してくれる。ハーフ NDの ND 部分を噴出花火に掛ければ、明暗差の激しいスターマインでも適正露出で撮影できる。

ハーフ ND フィルターにはさまざまな種類があるが、花火の撮影に適しているのは角形ハーフ ND8 ハードタイプだ。角形ハーフ ND は、ガラスをスライドさせて好みの位置で使うことができる。丸形 ND は常に画面の中心に境界があるので、構図に制約ができてしまうのだ。また、ハードとソフトがあるが、花火撮影ではハードがおすすめ。ハードは NDと透明ガラスの境界がハッキリしており、ソフトは境界が滑らかに変わるタイプだ。

 

自分の中でリハーサルを重ねてハーフNDの効果を事前に確かめよう

左はハーフ ND8 ハードタイプを使用して、扇形に噴き出す低空の花火とその上の柳花火に ND フィルターを掛けた写真。ハーフND を使用したおかげで、上空の花火とともにも適正露出で撮れている。ハーフ ND を使わないと、右の写真のように画面下の明るい噴出花火は露出オーバーになってしまう。

左写真:ニコンD600 AF-Sニッコール18~35ミリF3.5-4.5G ED バルブ 15秒  絞りF8 ISO100 ハーフND8使用

 

水面に映る花火をシンメトリーに写し撮る

水面で半円球に開花する花火を、水中花火または水上花火という。水面に映る光は肉眼では明るく感じるが、写真では暗く写ってしまう。見た目の印象に近づけるため、ハーフ ND8 ハードタイプを使用した。打ち上がる花火に ND 部分を掛け、水面は透明ガラスになるようにして撮影。次にどんな花火が開くのかわかっていないと撮れない写真だ。

オリンパスPEN-F M.ズイコ ー DIGITAL ED7~14ミリF2.8 PRO バルブ  18秒  絞り F7.1  ISO 200  ハーフND8使用

 

角形ハーフ ND フィルターは、レンズの前にホルダーを装着してから角形フィルターをスライドさせて使用する。中国のフィルターメーカーNisi には、各メーカーの超広角レンズ用専用ホルダーが用意されている。角形ハーフ ND は高価だが、花火の撮影にはマストなアイテムの一つだ。

 

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