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【星と月の撮影の基本⑨】狙いの伝わる写真に仕上げる撮影ポイント

 

ピントは主役に合わせるのが基本。星景や月景の場合は主役がどちらか吟味しよう

星空を広々と狙うときや月をアップで撮るときは星や月が主役なので、それらにピントを合わせればOK。月と星が共存する風景のときはどちらも無限遠なので、月にピントを合わせればいい。問題なのは前景にシルエットの木立を生かすような場合である。木立を大きく捉えて星よりも目立たせたいなら木にピント、あくまでも星空が主役で木は脇役なら星にピントとなる。どちらにピントを合わせるか迷うとしたら、フレーミングが中途半端なのかもしれない。狙いを再吟味する必要がある。

 

木々の間からオリオン座をはじめとする冬の大三角を捉えた。木々の面積は多めだが、あくまでも額縁的な効果を狙った脇役である。セオリーどおり星にピントで問題ないので、明るい一等星でピントを合わせて撮影した。

16ミリ相当 マニュアル露出(F2.8 98秒) ISO1600 WB:オート

 

夜に咲くサガリバナの臨場感を出すために、背景に夏の大三角や天の川を捉えて撮影。主役はサガリバナなので、LEDライトでサガリバナを照らしてAFでピントを合わせている。そして、撮影時にストロボを発光した。

19ミリ相当 マニュアル露出 (F2.8 60秒) ISO1600 WB:オート

 

主役にピントを合わせるのはもちろんだが、星景や月景では、時にはどちらを主役にするかを吟味する必要もある。前景の木々などをフレーミングする場合などは、星や月だけではなく木々にも注意しながら狙いを定めよう。

 

写真・解説/深澤武

 

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