応用テクニック①
影に注目する、影を生かす
光だけでなく影にも注目してみよう。造形的な影だけを狙ったり、影をアクセントとして設置物と絡めたりするのも効果的だ。影を取り入れるときのポイントは、影が引き立つようにシンプルな壁を選ぶこと。色は白だとベストだ。
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白い壁に赤い標識、斜めの影をアクセントにデザイン的に切り取る
四角い標識と四角いドアなど、水平と垂直で構成した画面。そこに斜めの影が入ることでアクセントになった。また白、赤、青のシンプルな色調もこの写真のポイントだ。同じ3色だが、上の写真は光も影も生かされていない。
58ミリ相当 絞り優先オート (F4 1/500秒) +0.3補正 ISO100 WB:オート
影そのものを撮るときはそのカタチが重要
壁に映った街灯の影。ガラス部分の透明感も表現できた。注意するのはそのカタチ。単なる丸や四角だと、影を見ても何であるかわからない。はっきり街灯だとわかるカタチだと、影だけでも街の雰囲気が伝わる。
応用テクニック②
設置物に当たるスポットライトを生かす
スポットライトのように設置物に光が当たっているシーンでは、露出オーバーにならないようマイナス補正、もしくはハイライトでAEロックして背景を暗く落とすと明暗のメリハリによって設置物が際立つ。また標識を逆光で狙い、フラッシュでスポットライトのように補助光を当てるのも、非現実的な印象になって面白い。
内蔵フラッシュを使って意図的にスポットライトを作り出す
黄色い標識が目に入ったが逆光状態。そのままでは標識は暗く沈んでしまい、反対に明るくすると空がとぶ。そこでカメラの内蔵フラッシュを補助光にした。スポットライトが当たったように標識が浮き立ち、不思議な印象の写真になった。
日陰の暗部をガッツリ落とすのがポイント
黄色い看板に強い西日が当たっていた。ハイライト部でAEロックして、思い切って背景を暗く落とす。看板の黄色が引き立つ写真になった。
21ミリ相当 絞り優先オート(F8 1/250秒) ISO200 WB:オート
設置物である被写体と太陽とカメラの位置関係で、輝きのある撮影ができたり、逆にシルエット撮影もできたりします。影を造形的に取り入れて撮影する場合は、シンプルな白い壁などで、影や設置物などの被写体にスポットが当たるようにしましょう。