応用テクニック①
おぼろ月はおぼろの中の輪郭がポイント
おぼろ月とは、薄雲や霧などに隠れた月のことをいい、きちんとそのイメージを写し止めることが重要になる。薄雲に隠れた月は、雲自体が白とびをすることがあるので注意しよう。黒い夜空に白くとんだ部分がポッカリ空くのは体裁が悪い。雲の薄くなるときを見計らってマイナス補正を行い、おぼろの中に月の輪郭がわかるように撮ること。
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雲が厚いと白とびしやすい
雲の動きに合わせて、肉眼で輪郭が見えるときに撮影するのがポイントのひとつ。上写真のようにタイミングを誤ると、マイナス補正をしても白とびしてしまう。下写真は雲が薄くなったときに、マイナス1.7補正した。
応用テクニック②
月暈はプラス補正をして暈をしっかり捉える
月や太陽の周りに光の輪ができる現象を「暈(かさ)」と呼ぶ。一般的に月暈ができると、天気は下り坂だ。月暈を撮影するときは、月ではなくて暈に露出を合わせる。通常の月景撮影ではマイナス補正が中心になるが、薄雲にうっすらと見える暈は、補正なしからプラス補正が必要になる。ただし、プラス補正しすぎると白ちゃけるので注意が必要だ。
プラス3補正で暈はもちろん薄雲も描き出す
日の出にはまだ早い深夜に大きな暈が出現。北斗七星と燧ヶ岳も見えていたので、魚眼レンズを使って広範囲をフレーミングした。ここでは暈はもちろん、薄雲のトーンも写るように、プラス3という大幅な補正をして撮影している。
15ミリ相当 絞り優先オート(F5 30秒) +3補正 ISO1600 WB:太陽光
月齢ごとに撮影するベストな時間帯をご紹介いたしました。基本的には、月が低い時に撮影するのが、空の表情も豊かで、おもむきのある撮影が可能になります。月齢や天候などを考慮しながら、撮影してみましょう。
写真・解説/秦 達夫