特集

【海の撮り方⑤】“青い海と夏雲”南国らしい海の写真を撮るテクニック

暑い夏!サマーバケーションで、南国や海を訪れる方もたくさんいるでしょう。海はカメラを向けたくなる被写体ですが、静かな海、荒々しい海、太陽ギラギラの海など、その表情はさまざまです。撮りたい海のイメージに適した撮影テクニックをご紹介いたします。

 

Q.「南国らしい海」写真を撮るには?
Answer. 南国らしい被写体や色彩を盛り込む

青い海と夏雲が南国らしさの基本である。かっこいい入道雲などが出てくれれば理想的だが、なかなか出会えない。その際はヤシやソテツ、マングローブなどの南国特有の植物を入れると雰囲気を引き出せる。さらに、夏のトップライトとPLフィルターの助けを借りれば、色彩の深みや鮮やかさを表現できる。また鮮やかな朝焼けや夕焼けも南国らしい被写体だ。空一面が真っ赤に色づくような朝焼け(夕焼け)なら、海と空だけをストレートに狙えばよいが、優しい夕焼け空の場合は、ヤシやソテツなどをシルエットにして添えるのもよいだろう。

 

夏空と青い海だけでも南国らしさは感じられるが、ここでは沖縄の海岸でよく見かけるモンパノキを前景に入れてみた。その場所ならではのモチーフを生かすことで臨場感が加わったほか、モンパノキを16ミリ超広角レンズで広々と入れることで、空の開放感も引き出せた。この開放的な気持ちよさも南国らしさの重要な要素だ。

16ミリ相当 絞り優先オート(F11 1/80秒) +0.7補正ISO200 WB:5000K

 

【! Point】前景にカラフルな花やヤシなどを入れて南国らしさを引き出す

海の写真は平面的で、単調になりがち。そこで、南国らしいモチーフを前景に入れて奥行きを出すと、立体的に写せる。日中であれば色彩が鮮やかなグンバイヒルガオのような海浜植物がおすすめで、朝や夕方の海岸を狙うならシルエットでもわかるヤシなどが効果的だ。

 

【! Point】透明な海を生かして水中もしくは水面に近づいてサンゴを狙う

大潮の干潮時に徒歩で海に入り、防水ケースに入れたカメラを水中に沈めてサンゴ群生を狙った。水中のサンゴと背景の山並みを魚眼レンズで狙う「半水面」と呼ばれる撮影方法だ。南国のにごりのない海なら、浅瀬にあるこのようなサンゴの写真が容易に撮れる。

15ミリ相当 絞り優先オート(F11 1/320秒) -0.7補正 ISO200 WB:晴天

 

南国らしい海の撮影は、青い海と夏の雲、そして青い空、この被写体がそろえば可能です。さらに入道雲だったり、ハイビスカスや、ヤシの木などを構図に取り込めば、バカンス感や開放感あふれる撮影ができるでしょう。

 

写真・解説/深澤 武