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【コスモスの撮り方③】秋らしさを感じる特別な一枚は、夕暮れ時の秋桜を狙おう

コスモスの開花時期は、6月から11月と長く楽しめます。大まかに分類すると、夏咲き、秋咲き、早咲きと、開花時期の違う3種類のコスモスがあります。ですが、一般的なコスモスの開花時期は、9月から11月の秋。コスモスはきれいな形をしているのでアップで写したり、ピンク色のコスモス畑を広く捉えたりと、さまざまな狙い方が可能です。かわいらしく乙女チックなコスモスの撮影方法や雰囲気のある一枚を撮るテクニックなどをご紹介いたします。

 

 

空の色が鮮やかに写る秋晴れ、夏から秋へ季節の変わり目を感じる夕暮れ

秋らしい光といってまず思いつくのは、爽やかな秋晴れの光です。澄んだ青空が頭上いっぱいに広がっているイメージでしょうか。秋は空気が澄んでいるので、空の色も鮮やかに写りますし、過ごしやすい気候なので撮影も快適に行えます。また、夕暮れの光も秋らしいイメージがあります。日没が早くなり、夕暮れの時間帯でも屋外で活動していることが多い時期です。低い位置から差し込む太陽光も弱々しさを感じて、夏から秋へ季節が移っていくのを感じます。光の方向や光の色など秋の光にこだわって、秋の花の代表格であるコスモスを写しましょう。

 

 

基本テクニック

爽やかな秋晴れ、暮れゆく光など光の方向や光の色にこだわって撮影しよう

コスモス畑だけを順光でフレーミングすると花が平面的に見えるが、アップでボケを生かしたりすれば背景に溶け込みにくくなるので、順光でも主役をきれいに捉えられる。さらに、順光の濃い青空を背景にすると、白やピンクのコスモスは青空との濃度の差や色合いの差ができて映える。夕方は低い位置から光が差し込むので、鋭い表現が狙える。また逆光線では花びらが透過したり、シベの輪郭が輝いたりと、光を感じる写真となる。

 

コスモスは太陽の方向に開くので正面を狙うと順光になりやすい
コスモスは太陽に向かいながら花を咲かせるので、花を正面から撮ると順光向きになりやすい。花に対して正面から光が当たるので、白い色がくっきりときれいに出た。さらに少しだけ見上げたので、背景が周りの花ではなく青空になって白い花がより引き立った。

24ミリ相当絞り優先オート(F2.8 1/4000秒)+0.3補正ISO200WB:晴天

 

低い逆光線でフレアが出ないよう画面ギリギリの位置に捉える

キバナコスモスを夕暮れの光で撮影。太陽の位置が低く、逆光で写すと花びらが透けて、シベや茎の輪郭が輝いて写った。この際、夕日の光を画面に入れてしまうと、フレアが起きて白っぽくモヤる。画面上部のギリギリに夕日を入れて、その存在を感じさせる程度に捉えている。

100ミリ相当絞り優先オート(F2.8 1/1000秒)-0.7補正ISO100WB:日陰

 

 

応用テクニック①

秋の夕暮れの空をホワイトバランスでイメージどおりに描き出す

夕暮れの光はオレンジ色だが、天候によっては色が物足りなく感じられるときもある。そんなときはホワイトバランスを「くもり」や「日陰」にして赤みを加えよう。もともと赤みがかった状況で使えば、さらに赤みを加えても不自然にはなりにくい。ただし、日中にこれをやると違和感が生じるので注意しよう。

 

 

WB「オート」

曇っている日の夕方に撮影。「オート」では青みを補正して少し赤みがかった。しかし、この程度ではイメージしている秋の夕空の色合いではない。

 

WB「晴天」

夕暮れでも曇っている日は青みがかってしまう。WB「晴天」では光の色がそのまま出るので青っぽくなった。

 

WB「日陰」

日陰モードを選び、赤みをプラスして夕暮れの印象を強調する

WB「日陰」なら赤みが増すので、イメージどおりオレンジ色の夕焼け空になった。実際に空が赤く焼ける日も、日の入り後はフラットな光になるので、曇りの日にホワイトバランスで赤みを加えても不自然さはあまり出ない。

300ミリ相当絞り優先オート(F2.8 1/320秒)+2補正IS200WB:日陰

 

 

応用テクニック②

コスモスのシルエット描写を狙うなら、太陽が低い位置にくる日没前がベスト

コスモスは形がわかりやすいので、シルエット描写にしても絵になる。シルエットで捉える場合は、太陽が高いとまぶしくなりすぎてしまうので、夕日を肉眼で見られるまで低くなったときに撮ろう。光の強さも落ち着くし、露出もオーバーになりにくい。ピントはコスモスに、露出は背景に合わせるとシルエットになる。

 

日が高いと露出オーバーになりやすい。あまりに光が強いので、絞りやシャッター速度の調整では追いつかない。

 

光が弱くても空に露出を合わせればシルエットになる
夕暮れは刻々と光が変化するので、上写真の10分後にこの写真が撮れた。雲がかかったことで少し光は弱まったが、背景に露出を合わせれば花はシルエットに、秋の空は程よい濃度で写された。花と太陽が少し重なるようにして、視線が花にきやすいようにしている。

134ミリ相当絞り優先オート(F2.8 1/640秒)+0.3補正IS200WB:日陰

 

 

秋に咲くコスモスを、秋らしく寂しげに撮る方法をご紹介しました。夕暮れ時の太陽光を利用したり、ホワイトバランスを調節したりしながら、秋らしく物思いにふけりたたずむような幻想的なコスモスの撮影もおすすめです。

 

 

写真・解説/吉住志穂