GFXならではの圧倒的な超解像高画質に加え、さらに機動力まで備えた「GFX 50R」。そして新型センサーと映像エンジンで、パフォーマンスと色再現に磨きをかけた「X-T3」。新型ワイドズームも携えて織作峰子さんがスイスアルプスの二大リゾートを訪れた。スケールと美観では世界屈指の素晴らしい風景。実写作品と使用感をお届けしよう。
〈目次〉
話題の富士フイルム最旬モデル
左から、中判ミラーレスカメラ「GFX 50R」、ミラーレスカメラ「X-T3」、大口径超広角ズームレンズ「XF8-16mmF2.8 R LM WR」
感動の瞬間をよみがえらせてくれる その“リアル描写”に触発されました
優れた描写力&表現力でスイスの魅力を伝えます
あまりの美しさにドキッとしましたね。それは帰国後、PCのモニターで「GFX 50R」の撮影画像を確認したときのこと。例えば、アルプスの高山植物の葉や茎に生えている微細なうぶ毛さえ、朝の光にきらめいて、驚くほど緻密な描写で、かつ空気を孕んだような奥行き感があり、現場に佇み、肉眼で見ているような姿がそこにあったからなんです。
また、発色は“記憶色”そのもの。リッチな色のグラデーションに息をのむばかりです。例えば万華鏡って、似たような色の模様でも不思議と立体感があるじゃないですか? まさに、そんなイメージ。表現力がいっそう豊かにブラッシュアップされた印象です。
「X-T3」も旅のお供として一緒に巡ってくれました。先代よりAFなどの俊敏さがさらに増したようで、青白色の水面が神秘的な湖、ラーゴ・ビアンコ(ビアンコ湖)やディアヴォレッツァ氷河、ベルニナ谷などの雄大な風景も快適かつ安心して撮影できました。
この「X-T3」にはほとんど「XF8-16mmF2.8 R LM WR」を付けっぱなし。広角端(12mm相当)でも画面周辺まで端正な描写で、最新の画像エンジンとの合わせ技なのでしょうけれど、スイスアルプスの雄大な景観を余すところなく写し取ってくれました。今回はわりと明るい時間帯に絞りを絞って使いましたが、絞りを開けてボケを生かしても面白いですし、夕暮れや屋内の撮影でも重宝するでしょう。
でき立てほやほやの新しいカメラとレンズとともに、高揚感に包まれ続けた今回のロケ。ますますスイスに惹かれてしまったという事実は言わずもがな、ではありますね(笑)。
吹雪の中、標高3657mのメンヒスヨッホヒュッテを目指して歩くと1時間後に雲が切れ一気に視界が開けた。振り返るとスフィンクス展望台が輝いていた。
山上湖バッハアルプゼーからの帰路、マーモットに出会う。しっかりカメラ目線でモデルになってくれた。