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【ビオラの撮り方】密集した小さな花の撮影は、絞りでボケを活かして主役の一輪を狙う

花の少ない冬の時期に花壇を彩るのがビオラやパンジー。園芸の世界では小さいものをビオラ、大きいものをパンジーと区別しますが、厳密ではない。開花時期は、寒さに強くて高温に弱く、11月から5月と長めに撮影可能だ。

 

 

花壇に密集して植えられているので 前ボケなどを入れて主役の一輪だけを目立たせる

ビオラは公園の花壇やプランターなどで目にするが、それは、花が小さいので見栄えをよくするために密集するように植えられている。そのため、前後に花がひしめき合っているので、画面がごちゃごちゃとしがち。そこで、アングルの工夫や前ボケを使って主役の一輪だけを目立たせて撮りましょう。画面をボケで埋めるときれいに撮影が可能だ。

 

基本テクニック

花壇の中で主役を見つけて すっきりとした画面を目指す

花同士の距離が近いと、画面がうるさくなってしまう。そこで、きれいに咲く主役をひとつ決め、周囲の花をぼかす工夫をしよう。望遠レンズを使ったり、絞りを開けたりするのはもちろん、ピントは面で合うことを意識して、主役以外は前ボケで隠せば、すっきりさせることができる。

 

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水平ポジションで狙いつつ 主役の左右の花を前ボケで隠す

上から狙うと全体的にピントは合うが平凡だ。花の高さから水平に狙うと、主役の前後の花と距離ができて前後をぼかせる。そして、主役の左右にある花を前ボケで隠す。ピントは面で合うので、主役と同じ距離にある花はぼかせない。V字形になる前ボケを探して、その谷あいに主役を入れて、左右にある花を前ボケで隠した。

157ミリ相当 絞り優先オート(F5.6 1/320秒) +0.7補正 ISO100 WB:晴天

 

応用テクニック

花の正面から撮るのはもちろん、実は横から撮っても絵になる

ビオラは5枚の花弁の形や模様がはっきり見えるので、正面から写すのが一般的だが、横から見る姿も立体感があっていい。しかし、完全に真横だと中心部が見えず、花びらの面が薄くなってポイントがなくなる。横から狙うときは少しだけ角度をつけるといいだろう。

花びらの形状が見えるように捉えると 平面的にならずに◎

真横ではなく、中心部が少し見えるようなポジションで撮影した。ピントは中心部にある黒い筋に合わせている。花を横から狙うことで遠くを背景にすることができ、ぼかしてすっきりさせることもできた。

75ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/200秒) +2補正 ISO100 WB:晴天

 

写真・解説/吉住志穂