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【カメラ用語事典】多重露出/多重露光

「多重露出(多重露光)」とは、複数の画像を重ね合わせた写真を撮影することができる機能。昨今のデジタル一眼では、重ね合わせる枚数や重ね方(多重露出制御)を選べる機種も増えている。

夜景やイルミネーション、星空などの夜の撮影に多く使われるほか、まったく違う画像を重ね合わせてイメージ風の写真を作ることも可能だ。なお、カメラに多重露出機能がなくても、RAW現像ソフトやレタッチソフトなどで後から合成することもできる。

 

キヤノンEOS5Dシリーズの多重露出には、4種類の合成方法がある。
・加算/画像をただ重ねるだけなので、画像全体の露出は重ねる枚数が増えるごとに明るくなる
・加算平均/画像を重ねたうえに、露出を制御してくれる
・比較(明)/重ねる画像の同じ位置の明るさを比較し、より明るい部分だけを残す
・比較(暗)/重ねる画像の同じ位置の明るさを比較し、より暗い部分だけを残す

 

多重露出の使用参考例。重ねる枚数は2枚で、「加算平均」を選択。1カット目は桜にピントを合わせて適正露出で撮影(写真上)。2カット目はわざとピントをはずして撮影する(写真中)。多重露出によってこの2枚が重なり、ソフト効果を施したような写真になった(写真下)。

 

写真/小澤太一
 

 

複数の合成する画像を比較して、明るい部分だけを残す「比較明」を使用して撮影した(1秒×180枚)。明るすぎて露出オーバーになることもなく、車の光跡を描写できた。

 

写真/永山昌克