HDRとは、High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)の略で、同じフレーミングで露出が異なる複数枚の写真を撮り、それらをカメラ内で合成して1枚の写真に仕上げる機能。HDR機能を使うと、画面の明るい部分から暗い部分まで、階調豊かな写真ができる。
階調補正と違い、実際にダイナミックレンジ(階調のこと)が広がるので、明暗差が激しいシーンでも明るい部分と暗い部分の両方を再現できる。ただし、見た目以上に広いダイナミックレンジになるため、明暗差が大きいシーンなどではフラットな感じが強く出て、写りが不自然に見えてしまうこともある。
また、数枚の画像を連写して合成するため、動きのある被写体には不向きだ。撮影中は全てを撮り終えるまで画像がずれないよう注意し、できれば三脚を使うとよい。
上は普通に撮影した写真で、下はHDR機能を使用した。写真では再現できる明るさの幅が限られている。HDR機能を使うと明るいところから暗いところまで階調豊かに再現した写真になる。
キヤノンのHDRモードを使って撮影。1回シャッターを切ると上の写真のように露出を変えて3カット自動的に写真が撮れる。
カメラ内で自動合成され、できあがった写真がコレ。白とびや黒つぶれのない写真に仕上がっている。
写真/小澤太一