ショップに行けば、まさに山ほどあるカメラバッグ。カメラマンの嗜好もジャンルも千差万別だからバッグ選びも悩ましい(=楽しい!)。そこで2019年の流行の傾向や売れ線モデルなどをバッグメーカーと輸入代理店でリサーチ。後悔しないバッグ選びの参考にしてほしい。今回はド定番からニューカマーまで幅広い品揃えを誇る「銀一」の製品を紹介!
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プロ向けの専門店だが写真愛好家も大歓迎!
銀一で扱っているカメラバッグは現在、『シンクタンクフォト』『ピークデザイン』『ドンケ』『クランプラー』『マインドシフトギア』の5ブランドだ。「シンクタンクフォトは特に報道系プロカメラマンからの評価が高く、その分野での世界シェアは7割以上に達するほど。壊れないんじゃないかと思えるくらい丈夫で、かつ機能的な点がウケています」。こう力を込めるのは海外商品部の清水雅之さん。スポーツの世界大会などで現場にデポを出すときなど、最前線でプロと接しているだけに、コメント一つひとつにリアルさが滲む。
今シーズンの注目株は『ピークデザイン』と『マインドシフトギア』。「カメラバッグに見えないデザインで、老若男女から人気を博しているのがピークデザイン。他方、担ぎやすさや撥水性などが十分配慮された製品が揃うマインドシフトギアはシンクタンクの別ライン。スタンダードなカメラバッグの外観を踏襲しつつ、バックライトシリーズはザックを降ろさずに背面から機材収納できるなど、ネイチャー写真家を中心にじわじわとユーザーが増えています」(清水さん)
そしてカラフルなイメージのクランプラーは以前よりも落ち着いたデザインの製品も多くなり、若者だけでなく、年配の趣味人にも広がりを見せているという。
「また皆さんもご存じ、定番中の定番ドンケも扱っています。報道カメラマンのみならず、街角スナップを楽しまれるアマチュアのお客さまにも淡々と一定数売れ続けています。コットンキャンバス地が使うほどに風合いを増し、エイジングを楽しめるのも魅力だと思います」(清水さん)
ところで東京・月島にある銀一のスタジオショップは、来店者の9割以上がプロ写真家だが、アマチュア写真愛好家でも普通に利用できる。量販店に比べればあまり値引きは期待できないが、プロ御用達の各種用品の品揃えが豊富で、知識と経験に裏打ちされたスタッフにあれこれ相談できる点は心強い。また倉庫が隣接しているため、在庫さえあれば取り扱いバッグのすべてが実際に手に取って見られるのも大きなメリット。
「やはり携行機材をイメージし、移動方法や撮影場所などを考えてバッグを決めるのが鉄則です。あとお気に入りのデザインを選ぶことも大切。カメラと同じで、持っていて楽しいバッグじゃないとテンションが上がらないですからね」(清水さん)
「ピークデザイン」――機能性と洗練されたデザインで人気急上昇中!
2010年、クラウドファンディングによる製品開発からスタートした米サンフランシスコ生まれの用品メーカー。速写性に配慮し、既存のカメラ用品とは一線を画す機能性と洗練されたデザインで、今もっともホットなブランド。
【その1】独自の機能とアーバンなデザイン
エブリディスリング10L
参考価格/ 21,600円
片掛けタイプで、肩にかけたまま本体を前に回して機材の出し入れが可能。「キャプチャー」を装着できる側面のスリットや、三脚などをバッグ下に装着できる前面の2 本のベルトなどを持つ。カラーはブラック、チャコール、アッシュの3種類。スリングバッグだが、前面に配置された2 本のストラップを使えば三脚などをバッグ下に装着できる。●外寸:約40×24.5×14cm ●重量:約680g
▲独自の構造をしたバックルによりストラップの長さを好みや状況に合わせてワンアクションで素早く調整できる。バックルのネジ頭にはワンポイントカラーがあしらわれている。
▲メインファスナーを開けるとフラップが外側に開くタイプで、肩にかけたまま機材の出し入れがやりやすくなっている。バッグの中身も外から見えづらいので、安心感も高い。
▲中仕切り「Flex Fold」は上半分が2重構造で、基本3パターンの形に変えられる。同社のデザイナーが日本のORIGAMI(おりがみ)から着想を得たという斬新かつ使いやすいもの。
【その2】カメラをいつでも素早く確実にホールド
キャプチャーV3
参考価格/ 9,720円
素早くカメラを脱着できるアタッチメント。創業者ピーター・デアリング氏が東南アジア旅行の際にひらめいたという。3 代目となり、強度と機能はそのままに先代より30パーセント軽く、厚みと長さは20パーセント、コンパクトになった。●外寸:約4.0×8.3×2.0cm ●重量:約84g
▲例えばエブリディスリング10Lの側面スリットなどにキャプチャーV3を装着。天候の良いときなどはバッグにカメラを直接取り付ければ、いちいちバッグから取り出す手間もない。
▲ザックのショルダーベルトなどにも装着可能。取り付けられるベルト幅は最大6.4cm。厚手のベルトに付ける際などは、六角レンチで固定するロングクランピングボルトを使用。
「シンクタンクフォト」――頑丈さで報道のプロフェッショナルに支持される
シンクタンクフォトは2005年、2人の写真家と2人のデザイナーによってアメリカで生まれた。バッグの頑丈さと細部までこだわり抜いた使いやすさで、今や世界中の、とりわけ報道系のプロ写真家たちに支持されている。
【その1】安定した4輪ホイールと高い収納性
エアポート ローラーダービー
参考価格/ 60,480円
4輪ホイールのため身体の近くで転がせるので、人が多い場所でもジャマになりにくい。基本的に100席以上の国内線で機内持ち込み可能なサイズ(※)に、レンズを付けた一眼レフを2台と400mmF2.8望遠レンズを収納できる。PC収納スペースもある。●外寸:約35.6×55.9×22.9cm ●重量:約5.2kg
※サイズだけでなく重量制限もあるのでご注意を。
▲最大の特徴は車輪が4輪タイプということ。身体のそばに置いて転がせる、4輪の対応力の高さ、使いやすさが「最近、見直されている」(清水さん)という。もちろん2輪での使用も可能。
▲作り手のこだわりの一つが日本の「YKKファスナー」の採用だ。メイン部分は10番と呼ばれるタイプが使われている。壊れにくさとスムーズな開閉具合はまさにジャパンクオリティ。
▲内側は半透明のポケットになっており、何が収納してあるかがわかりやすい。ケースに入れたメモリーカードやフィルターなどの小物を入れておくと便利だ。ファスナー付き。
▲頑丈さがウリのシンクタンクフォトにはメンテナンスサービスもあり、キャスターの交換などが可能だ。もし不具合が出たら購入店に相談するといいだろう。銀一への持ち込みも可能だ。
【その2】セットでも使いやすいショルダーバッグ
ヴィジョン15 グラファイト
参考価格/ 17,280円
機材にアクセスしやすいショルダー型。大口径標準ズーム装着の中型一眼レフと2~4本のレンズ、フラッシュなどを収納できる。バッグ背面部分にポケットが備わり、薄型14~ 15型ノートPC 類が収納できる。サイズ違いのヴィジョン10とヴィジョン13がある。●外寸:約27×44×16cm ●質量:約1.2kg
▲覆い式のメインカバーとは別にファスナー開閉式内蓋も備わっている。撮影時は内蓋を開けてメインカバーだけを使い、移動時などに内蓋も閉めれば、埃や雨などが入りづらくなる。
▲ペットボトルなどが入れられるサイドポケットはマチが広がるようになっている。薄手の収納物や何も入れないときはペタッと収まるのでバッグのシルエットもすっきりする。
▲背面にはベルト状のハンドル通しがあるのでキャスター付きバッグの上に安定して載せておくことが可能だ。
マインドシフトギア
自然保護にも傾注する写真家、ダニエル・ベルトラ氏とシンクタンクフォトのクリエイターによって2012年に立ち上げられた。特に風景やネイチャー写真家に愛用者が多く、撥水性や機能性の高さには注目。
バックライト26L
参考価格/ 38,880円
背面開きでバッグを降ろすことなくすべての機材にアクセスできる。標準サイズの一眼レフ1台と4~6本のレンズが入り、PCの入るポケットが2つある。●外寸:約29×51.5×20cm ●重量:約1.8kg
クランプラー
1995年、オーストラリアで設立。ブランドのアイデンティティはそのまま、新たにドイツ・ケルンのデザインをまとって再上陸を果たした。メッセンジャーバッグタイプからザック、各種ポーチまで多彩な商品ラインナップを誇る。
ムリ8000
参考価格/ 19,440円
カラフルなイメージから脱して、シックで丁寧な作りが魅力のショルダー型。標準レンズ付き一眼レフとレンズ2本、アクセサリーなど収納可能。ショルダーのほかにバックパック型もある。●外寸:約28×41×16cm ●重量:約1.1kg
ドンケ
報道写真家のジム・ドンケ氏が「身体に馴染み、必要ならバッグを提げたまま走れる」ことを目指したのがはじまり。クッションはわりと薄手なので、自分で工夫する必要があるものの、それだけに愛着が湧きやすいともいえる。
F-2
参考価格/ 36,720円
超定番モデルは未だに一定の売り上げを誇る。一眼レフ2台+レンズ4本+ フラッシュなどを収納可能。カラーはブラック、オリーブ、サンド、ワックスウエア。●外寸:約40×17×23cm ●重量:1.2kg
銀一スタジオショップ
東京都中央区月島1-14-9 平日10時~18時30分 土曜11時~17時 日祝休み
http://www.studioshop.jp