特集

現代アートと島の情景がフォトジェニックな瀬戸内海の島――2019年夏のおすすめ撮影スポット①女木島・男木島

香川県と岡山県に挟まれた瀬戸内海の島々を舞台に、現代アート作品を集めた「瀬戸内国際芸術祭2019」が開催されている。3年ごとに催される瀬戸内国際芸術祭は、今回で4回目。2019年4月26日から5月26日までの春会期、7月19日から8月25日までの夏会期、9月28日から11月4日までの秋会期の計107日間、12の島々ほかを会場とする。現代アートの展示会場となる瀬戸内の島々は、いずれもフォトジェニック。「瀬戸内国際芸術祭2019」を訪れる際には是非、島の美しい情景にも目を向けてほしい。今回は香川県の高松港から船で渡れる島々のおすすめ撮影スポットを紹介する。

 

高松港からわずか20分で渡れる「鬼ヶ島」こと女木島

香川県の高松港に最も近く、乗船場からもその姿を見ることができる女木島。見どころは「鬼ヶ島」の由来となる島の山頂近くにある大洞窟と冬の強い風から集落を守る背の高い石垣「オーテ」、そして瀬戸内国際芸術祭の作品群。鬼ヶ島大洞窟と山頂の鷲ヶ峰展望台へ行くには、フェリーの到着に合わせて運行されるバスを使うが、島内の散策は徒歩でOK。

◆女木島へのアクセス
高松港から雌雄島海運の男木島行きフェリーで約20分。1日6往復。夏休みの繁忙期には増便される。
※時刻・運賃は船会社webサイト、「瀬戸内国際芸術祭2019」webサイトを参照

 

▲女木港に入港する雌雄島海運のフェリー「めおん2」。

 

現代アート作品を島の情景と絡めて撮る


女木港の防波堤には無数のカモメの風見鶏が約300個、設置されている。現代美術家の木村崇人さんの作品「カモメの駐車場」で、風向きによって一斉に向きを変える様子が面白い。ただ作品をスナップするのではなく、女木島の風景と絡め、印象的に表現したかったので、風見鶏が2列に並んで見えるアングルを探した。奥に赤い灯台を入れ、望遠レンズで背景をぼかして撮った。背景がボケすぎると何が写っているのかわからなくなるので、1つ奥の風見鶏のボケを見ながら、絞りを決めた。

オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 絞り優先オート F5 1/400秒 +0.7補正 ISO200 WB:オート

 

高い石垣に囲まれた女木の集落


冬の季節風が山から吹き下ろしたり、海水が波しぶきとなって海沿いの家を襲ったりするのを防ぐため、家の屋根まで隠れるような高さ3〜4メートルほどの石垣が集落を囲っている。これは「オーテ(オオテ)」と呼ばれる女木島独特の防風用石垣。石垣だけ撮っても、どんなものか分かりにくいので、路地の奥に家が見える角度から撮影した。また、その大きさが分かるように、子どもを横に立たせた。

オリンパス E-5 ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 絞り優先オート F8 1/320秒 −0.3補正 ISO200 WB:オート

 

鷲ヶ峰展望台から行き交う船を見下ろす


女木島の中央部にそびえる鷲ヶ峰。その山頂(標高188メートル)にある展望台からの眺望が素晴らしい。特に島の東側には高松港と小豆島を結ぶ航路があり、頻繁にフェリーが行き交う。フェリーの動きから2隻がすれ違うことを予測できたので、望遠ズームレンズに切り替え、船の動きを見ながらフレーミングを調整した。ちょうど隣の大島の手前ですれ違いそうだったので、2隻のフェリーの位置とその手前に現れた高速船の位置に留意しながら、10カットほど撮影。このとき、遠くの山並みが切れないように注意した。

オリンパス OM-D E-M1 M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 絞り優先オート F9 1/640秒 −0.7補正 ISO200 WB:オート

 

  1. 1
  2. 2
全文表示