迷路のような集落を歩きまわるのが楽しい男木島
雌雄島海運のフェリーは、女木島に立ち寄った後、さらに沖にある男木島へと向かう。島の南西部にある男木港が近づくと、傾斜地に広がる小さな集落が目に飛び込んでくる。坂道や石段が入り組んだ集落は迷路のよう。石段を上りつめると豊玉姫神社があり、ここから瀬戸内の島々を望むことができる。島の北端には、映画「喜びも悲しみも幾年月」のロケ地にもなった石造りの男木島灯台があり、ここも絶好の撮影ポイントだ。
女木島の集落は島の東側、男木島の集落は島の南西側にあるので、午前中は女木島に行き、昼過ぎの便で女木島から男木島へ移動すれば、2つの島の撮影を楽しめる。
◆男木島へのアクセス
高松港から雌雄島海運のフェリーで約40分。1日6往復。繁忙期には増便されることもある。
※時刻・運賃は船会社webサイト、「瀬戸内国際芸術祭2019」webサイトを参照
青空が映える男木港の情景
男木港のターミナル自体が現代アート作品で、スペインの作家、ジャウメ・ブレンサの手になるもの。真っ白な屋根は様々な言語の文字を組み合わせたもので、地面や周囲の池に落ちる影も作品の一部だという。快晴の空の青を映す池を中心に奥には2隻のフェリーを配し、男木島らしい情景を表現した。なお、全体に青みを強めるためにRAW現像時にホワイトバランスを5300Kに調整した。
オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 絞り優先オート F8 1/320秒 −0.7補正 ISO200 WB:5300K C-PLフィルター使用
漁師町の路地裏で出会った光景
豊玉姫神社に向かう参道を上ると次第に坂は急になり、道の両側から民家の瓦屋根が迫ってくる。路地から斜面の下にある家の屋根を見下ろすとネコが一匹、横たわっているのを見つけた。この瓦屋根を画面左側に大きく入れ、画面右側の路地にワンポイントとなる通行人が現れるのを待った。しばらくすると島民がバイクで通りかかったので、タイミングを見計らってシャッターを切った。遅いシャッター速度によるブレと石垣に映る影がいいアクセントになった。
オリンパス OM-D E-M1 ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 絞り優先オート F14 1/15秒 −0.7補正 ISO100 WB:オート マウントアダプターMMF-3使用
男木島を歩けば猫に出会う
男木島は知る人ぞ知る猫に会える島。集落を歩けば、路地をトコトコ歩いていたり、屋根の上で昼寝をしていたり、愛らしい姿を見ることができる。特に豊玉姫神社付近は出没率が高い。このときは石垣の上からの視線を感じ、カメラを向けてスナップした。また、島の南東部にある男木漁港付近も猫がよく出没するエリア。なお、猫の気を惹こうとエサを与えるのはマナー違反なので注意したい。
オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 絞り優先オート F6.3 1/400秒 −0.3補正 ISO200 WB:オート
行き交う船を見守る石造りの男木島灯台
島の西側にある道を島の北端まで30分ほど歩くと男木島灯台が見えてくる。明治28年に建てられた総御影石造りのこの美しい灯台は、向かいの豊島との間の備讃瀬戸東航路を見守っており、今でも現役。近くから撮ると見上げる撮り方しかできないので、背後の高台に登り、灯台の向こうに見える航路を行く船と組み合わせて撮った。
オリンパス OM-D E-M1 LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S. 絞り優先オート F8 1/800秒 −0.3補正 ISO200 WB:オート