豊かな自然と現代アートが調和した豊島
山がちな豊島は水が豊富で、農業・牧畜・漁業が盛んな豊かな島。牧歌的な島の風景と融合した豊島美術館や現代アート作品が、この島の魅力をさらに高めている。島の玄関口は、北西部にある家浦港と北東部にある唐櫃港の2つ。家浦港のそばには横尾忠則の作品を展示する豊島横尾館があり、唐櫃港のそばには豊島美術館と多数の作品群がある。島の中央には標高340メートルの壇山がそびえ、山頂の展望台からは360度の展望が楽しめる。
島内の移動は、バスとレンタサイクルを利用する。バスは家浦港から豊島美術館を経由して唐櫃港まで行く路線と家浦港から島の南側の甲生を結ぶ路線がある。島内の道路はアップダウンが激しいので、レンタサイクルは電動アシスト自転車が用意されている。
◆豊島へのアクセス
島の北西部にある家浦港と北東部にある唐櫃港が豊島の玄関口となる。
●高松港←→家浦港/豊島フェリー/高速船で約35分、最大6往復
●高松港←→唐櫃港/豊島フェリー/高速船で約35分、土・祝日のみ1往復
●宇野港←→家浦港←→唐櫃港←→小豆島・土庄港/小豆島豊島フェリー/
宇野港から家浦港まで約35分(高速船で約25分)、唐櫃港まで約60分(高速船で約40分)、小豆島の土庄港から唐櫃港まで約30分(高速船で約20分)、最大9往復
●直島・宮浦港←→家浦港/四国汽船/犬島行き高速船で約30分、3往復
※時刻・運賃は船会社webサイト、「瀬戸内国際芸術祭2019」webサイトを参照
丘の上の唐櫃の家並み
唐櫃港から自転車で坂道を20分ほど上がると丘の上の唐櫃集落が広がる。農業と畜産業を営むこのエリアにも現代アート作品が展示されており、多くの観光客が訪れる。瀬戸内海の島々は立派な瓦屋根の家が多い。ここ唐櫃にも瓦屋根が並ぶ雰囲気のよい家並みが見られる。山際の一段高いところ通る道路から家並みを見下ろすように撮影した。うっすらとではあるが、その向こうに瀬戸内海も見える。
オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 絞り優先オート F22 1/60秒 −0.7補正 ISO320 WB:オート C-PLフィルター使用
海を望む傾斜地に広がる棚田にナノハナが咲く
豊島の唐櫃集落では古くから棚田を築き、稲作が盛んであった。現在は棚田の保存事業として稲作を続けている。春、4月頃には一面、ナノハナが咲き。花が終わると田起こしをして、6月末には田植えが行われる。10月には稲穂が揺れるようになり、10月下旬に稲刈りが行われる。棚田の脇の県道から北西の方向にカメラを向けると、階段状の棚田が分かる角度から狙え、右下に海が、奥には対岸の岡山の山並みが入る。
オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 絞り優先オート F11 1/160秒 −0.3補正 ISO200 WB:オート C-PLフィルター使用
海へと向かう豊島美術館前の坂道
豊島随一の絶景ポイント。山の中腹にある唐櫃集落から唐櫃港へ下る道は豊島美術館の前で大きく右へカーブして視界から消える。そのため、坂の上からは道路が海に向かって下っていくように見える。広角レンズを使い、横位置で海と青空を大きく入れて撮る人が多いが、ここでは足下の「速度落せ」と書かれた路面標示を大きく入れるために縦位置を選び、海と空は画面の上に押し込めた。こうすることでパースが付き、奥行き感を強調できた。
オリンパス OM-D E-M1 ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 絞り優先オート F6.3 1/400秒 −0.7補正 ISO100 WB:オート マウントアダプターMMF-3使用
豊島の周回道路から眺める輝く海
豊島の東部にある唐櫃集落から南部の甲生集落まではバス路線はなく、もっぱら自転車での移動となる。道路は標高100メートル付近を通っており、瀬戸内海を見下ろしながら走る。写真は周回道路が甲生集落へと下り始めるヘアピンカーブのあたりから撮ったもの。右端の島影は直島、その向こうには三角錐をした大槌島が見える。午後の日差しは水面を輝かせていた。C-PLフィルターで水面の反射を少し抑え、穏やかな海のイメージとした。
オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 絞り優先オート F16 1/250秒 −0.7補正 ISO200 WB:オート C-PLフィルター使用