小豆島は香川県内で最も面積の大きな島。高松港から約20キロ北東沖に位置し、平地が少なく、全体に山がち。瀬戸内海の島で最も高い山、星ヶ城は標高817メートルで、冬期には雪が積もることもある。地中海性気候に似た温暖なこの地では、オリーブやスモモ、柑橘類の栽培が盛ん。また、醤油や佃煮も名産で、昔ながらの醤油倉が並ぶ景観は一見の価値あり。なお、関西から直接アプローチできる瀬戸内の島は小豆島のみ。神戸や姫路から小豆島へ渡り、その後、直島や豊島、さらに高松経由で女木島、男木島へ足を伸ばすのもおすすめ。
【関連記事】
高松、岡山、神戸、姫路の4都市からアクセスできる小豆島
小豆島は6つの港を持ち、香川県の高松港からは島の南側の4港へ航路がある。さらに岡山県からは2つのルート、兵庫県は神戸港、姫路港からそれぞれ航路がある。便数が多く、アクセスに便利なのが、高松港と土庄港を結ぶ航路で、フェリーと高速船を合わせ、31往復の便が設定されている。島内は海岸線沿いにそれぞれの港、町を結ぶバスが運行されている。各港にはレンタカー、レンタサイクルがあり、目的に応じて選ぶことができる。
◆小豆島へのアクセス
島の西側にある土庄港が最も便数の多い港。と東側にある本村港が直島の玄関口となる。
●高松港←→土庄港/四国フェリー/フェリーで約60分、15往復
●高松港←→土庄港/四国フェリー/高速船で約35分、16往復
●高松港←→池田港/国際フェリー/フェリーで約60分、8往復
●高松港←→草壁港/内海フェリー/フェリーで約60分、5往復
●高松東港←→坂手港/ジャンボフェリー/フェリーで約75分、2.5往復
●神戸港←→坂手港/ジャンボフェリー/フェリーで約6時間15分、4往復
●新岡山港←→土庄港/両備フェリー/フェリーで約70分、12往復
●岡山日生港←→大部港/瀬戸内海汽船/フェリーで約60分、5往復
●姫路港←→福田港/小豆島フェリー/フェリーで約100分、12往復
※時刻・運賃は船会社webサイト、「瀬戸内国際芸術祭2019」webサイトを参照
迷路のような路地の奥に建つ西光寺・三重塔
小豆島の西の玄関口、土庄の町は、細い路地が入り組む町並みが残る旧漁師町。その中心には四国八十八ヶ所を模した小豆島霊場の第58番、西光寺があり、小高い丘の上に三重塔が建つ。町を散策すると、あちらこちらで家と家の間から三重塔が顔をのぞかせる。西光寺の西側の路地沿いには緩やかにカーブした石塀があり、路地と石塀、三重塔を組み合わせた雰囲気のあるカットが撮れる。
オリンパス OM-D E-M1 M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6 絞り優先オート F11 1/50秒 −0.7補正 ISO100 WB:オート
静かに船が舫う四海漁港の午後
土庄港から海岸線沿いに車で15分ほど北上すると、四海漁港がある。100メートルほど先の沖ノ島との間は波が穏やかで港に最適で、たくさんの漁船がつながれている。その穏やかな情景を17ミリ相当の超広角レンズで撮影した。対岸の沖ノ島には住民もおり、昔ながらの渡船が残っているのも魅力の1つだ。
オリンパス OM-D E-M1 KOWA PROMINAR 8.5mm F2.8 絞り優先オート F8 1/1600秒 −0.7補正 ISO200 WB:オート
瀬戸内海を見渡す絶景ポイント双子浦
土庄の町の西側には山が海に迫り、高台に上ると、瀬戸内海の風景がよく見える。この地は双子浦と呼ばれ、その美しい眺めから讃岐十景に選定されている。右上に見える島は大余島と小余島。干潮時には小豆島との間に砂州が現れる。この砂州は「エンジェルロード」と名づけられ、たくさんの観光客で賑わう。それに引き替え、双子浦は観光客が少なく、この絶景を独り占めにできる。
オリンパス OM-D E-M1 ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 絞り優先オート F8 1/2000秒 −0.7補正 ISO400 WB:オート マウントアダプターMMF-3使用
富丘八幡神社の境内から眺める瀬戸内海
正面には瀬戸内海が広がり、非常に眺めが良い。絵馬殿の中から撮ることで、神社の雰囲気を残そうと考えた。しかし、このアングルではレンズを下に傾けて撮ることになり、パースが気になる。そこでカメラのデジタルシフト機能を使い、トビラや窓枠の縦の線が垂直になるよう調整した。
オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 絞り優先オート F10 1/125秒 −1補正 ISO200 WB:オート C-PLフィルター使用
約60分の船旅は展望デッキから瀬戸内の島風景を楽しもう
瀬戸内海の島に渡るフェリーの乗船時間は概ね60分。空調の効いた客室でくつろぐのもいいが、天気がよい日は展望デッキに出て過ごしたい。潮風を浴びながら、刻一刻と変化する瀬戸内の風景を眺めていると、あっという間に目的地に着くはずだ。なお、船内に売店があり、うどんなどの軽食を食べられるフェリーが多い。船での移動時間に食事を済ませ、島での時間を有効に使うのもよい。
オリーブ公園のシンボルであるギリシャ風車
観光用に整備された小豆島オリーブ公園には、オリーブ関連製品の販売施設とギリシャ風の建物を集めたエリアがある。公園のシンボルとして建てられたのが白い風車。絶好の記念撮影ポイントとなっており、カメラを向けると必ず人の姿が入る。そこでカメラを少し上に向け、風車の建物の下1/4ほどを切り、青空をバックに撮影した。
オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3 絞り優先オート F5.6 1/6400秒 −0.7補正 ISO400 WB:5300K
季節ごとに様々な表情を見せる中山の千枚田
小豆島のちょうど真ん中あたりにあるのが、中山の千枚田。大小合わせて700枚を超える田んぼが標高差100メートルほどの山肌に広がっている。写真は棚田最上部の細い道から見下ろして撮ったもの。5月末に田植えが行われ、半夏生(7月初旬)の頃には伝統行事の虫送りが行われる。9月に入るとあぜ道にヒガンバナが咲き、稲穂が色づくようになる。稲刈りが終わり、10月上旬には棚田の最下部にある農村歌舞伎舞台で地元の人による歌舞伎が上演される。
富士フイルム X-T1 XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS 絞り優先オート F16 1/80秒 −0.7補正 ISO200 WB:オート
屋根瓦が鈍く光る小豆島霊場の常光寺
小豆島には四国霊場を模して設けられた小豆島霊場八十八ヶ所がある。1番札所は小豆島の南東、険しい岩山にある洞雲山。その麓にあるのが8番札所の常光寺。早咲きのジョウコウジザクラ(2月中旬開花)で知られる島内では大きな寺。ここでは、奥の本殿、左手の薬師堂、手前の土塀の瓦屋根がいぶし銀に光る様子に引かれ、瓦屋根を中心に撮影した。小豆島の各所に霊場となる寺が点在する。これを訪ねるのも楽しい。
オリンパス OM-D E-M1 ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 絞り優先オート F22 1/13秒 −1補正 ISO100 WB:オート マウントアダプターMMF-3使用
朝霧に煙る鏡のようにないだ内海湾
小豆島の南東部には大きく窪んだ内海湾がある。この湾内は波が穏やかで湖のよう。特に日が沈んだ後、翌朝までは“なぎ”が続く。ここは湾の奥にあるホテルの部屋から見た朝の内海湾。鏡のようにないだ海を1隻の漁船が漁に出て行くと、引き波(航跡波)が海面に美しい波紋を描いた。すかさずカメラを取り出し、標準ズームレンズのテレ端、108ミリ相当でシャッターを切った。
オリンパス OM-D E-M1 ZUIKO DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 絞り優先オート F7.1 1/1600秒 −0.7補正 ISO800 WB:オート マウントアダプターMMF-3使用