特集

巨大な船体に興奮! 「進水式」の迫力シーンを確実に撮るための撮影テクニック

進水式が始まる前に船体のクローズアップ撮影

普段、目にすることがないものが撮れるのが工場見学の大きな魅力。進水式でも船がドックにあるときにしか撮れない喫水線の下の部分に注目したい。特に船尾の巨大なスクリューは進水前でないと見られない。また、船首側面に設けられるバウスラスター(接岸や離岸時に使われるスクリュー)も同様だ。これらの撮影を行うためには、進水式が始まる前に会場入りし、撮影することが必要だ。 

 

次の写真は、船首下部のバルバス・バウ(航行時のうねりを抑える突起)の横に設けられたバウスラスター(側面のスクリュー)を、船体を支えるトリガー装置越しに撮影。右奥の作業員も画面に収まるようにフレーミングした。

オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 絞り優先オート F4 1/640秒 −0.7補正 ISO200 WB:オート

 

続いて、船尾のスクリューを船体中央寄りから撮影。背後の海面が白とびしないようにマイナスの露出補正を強めにかけた。この船台では最初から船尾が水に浸かっていたが、そのおかげでスクリューの周囲に余計なものが写り込まずに済んだ。

オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 絞り優先オート F8 1/250秒 −1補正 ISO200 WB:オート

 

造船所内は撮りたくなる被写体でいっぱい

進水式が終わったら、造船所から速やかに退出しなければならないが、普段、見ることのできない造船所内は撮りたくなる被写体でいっぱい。もちろん立ち入り禁止のエリアへの侵入は御法度だが、早めに会場入りした際や帰り際に敷地内の巨大な機械、他の建造中の船や改装中の船などを撮ろう。

 
進水式は平日開催が多いので、見学するチャンスも限られたものになるだろう。それだけに、数少ないシャッターチャンスは有効に使いたい。

 

ドックに沿って敷かれたレールの上を巨大なクレーンが移動。このクレーンの基部には片側16個の車輪があり、これが数千トンの重量を支えている。レンズはズームのワイド端にセットし、カメラを低い位置に構えて見上げるように撮影した。

オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 絞り優先オート F8 1/125秒 −0.7補正 ISO200 WB:オート

 

別のドックで改装中のフェリー。船首のカバーを上げ、車両甲板のタラップが下がった状態が口を開けた生きもののように見えたので、正面から画面がシンメトリーになるように撮影した。

オリンパス OM-D E-M1 MarkⅡ M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO 絞り優先オート F10 1/250秒 −0.7補正 ISO200 WB:オート

 

進水式で配られる記念品をゲットしよう


進水式が終わると、餅まきが行われることが多い。餅まきでは、袋に入った餅やお菓子が投げられる。このとき、船主の社名や船名の入ったタオルなどのノベルティグッズが投げられることがあるので、ぜひもらっておきたい。また、造船所によっては、記念品を入場時に手渡すこともある。

 

  1. 1
  2. 2