特集

望遠時の動画性能を追い求め激しく散財中【2019年買ってよかったモノ:編集部・横畠稔彦の場合】

2019年の振り返り企画…ということで、プロの写真家やカメラライターに「2019年買ってよかったモノ」(※)を一斉調査! なぜ買ったのか、どうして“よかった”のか、ざっくばらんに語ってもらいます。今回は番外編として、編集部・横畠稔彦の2019年ベストヒットアイテムをご紹介!

※2019年の新発売製品に限定していません

 

編集部・横畠稔彦の2019年買ってよかったモノ:動画撮影用機材

きっかけは、シンガポール出張時にカワウソに遭遇したこと。APS-Cミラーレス機+400mm相当のレンズではこれが限界だった。

▲シンガポール出張時にカワウソに遭遇するも400mm相当ではこれが限界。もっとデカく撮りたい!! にわかに超望遠レンズが欲しくなる。

 

もっと大きく撮りたいけど、長い玉、高いんだよなぁ。いわゆるレンズ沼にもはまり込みたくないし。機材を新しくするのであれば、動画性能も大切だ。昨今はタブレットやスマホで画像を鑑賞する機会が圧倒的に多い。せっかくの動画再生機能を活かすなら撮るのも動画でしょ…………

 

こんな動機でミラーレス一眼+レンズ4本を下取りに、24-600mm相当の高倍率ズームレンズを搭載し、センサーサイズも高画質な1インチ版を搭載するソニー「RX10M4」に買い替えた。

 

新しいカメラを手に入れると、取り急ぎ何か撮りたくなるわけで、購入直後に近所の公園で梅の花とメジロを撮影。自宅に戻りHDMIケーブルでカメラと4Kテレビを接続し、再生するとなんかイイ感じだ。今になって見返すとシャッター速度が不適切なパラパラ動画(ご笑覧ください)なのだが、当時はそんなこと知らないから大満足。よーし、これからは動画一本で行きましょう! なるぞYouTuber!!

▲小雪舞い散る公園で撮影した梅とメジロ。動画を撮り始めてすぐにこんなのが撮れたので、以降は動画一本で。

それからは「毎週末、公園に出掛け、動画を撮って自宅で確認」修行を繰り返すのだが、修行の過程でボディ内蔵マイクで録る音声に不満を感じるようになってきた。風切り音はマイクにお手製の風防(ユザワヤで買ったフェイクファーで内蔵マイク周辺を覆った)を装着することで解消できたのだが、電動ズームやAF作動音はどうにもならない。一刻も早く今度は外付けマイクを手に入れ、それを各種作動音を拾わぬ位置にマウントしなければならない、という思いに至った(やれやれ)。

 

野鳥動画を撮りつつ「撮影状況に応じてマイクの指向性を使い分けられたら便利だろうなぁ」と感じてはいたが、そのために2種類のマイクを使い分けるのは面倒だ。包まれるようなステレオらしい指向性と、前方に鋭く絞ったモノラルらしい鋭指向性という相反する性能を、1本で兼ね備えているマイクはないかしらん? 見つけました、AZDENの「SMX-30」という指向性切り替え機能を持つマイク。ソニーの「ECM-B1M」も検討したが、あちらはマルチインターフェースシューへの装着がマストなので、ボディ本体から離すという目的に合わずAZDEN SMX-30に決定。


▲富士山五合目まで泊りがけで出掛けた動画修行にて収録。指向性の使い分けを求めるきっかけとなった。

 

▲筒状の鋭指向性マイクの上部に、ステレオマイクを配した構造。風防は標準スポンジタイプにオプションのファータイプを重ね、屋外での防風性も高めている。

 

▲指向性の切り替えスイッチなどが並ぶ。

 

……実はマイクと並行して、外付けモニターも購入した。こちらは正確なピント合わせに役立つピーキング機能と4K入出力機能を持つことを条件に、Webで最安値だったFEELWORLDの「F5」というモニターを選択。FEELWORLDは中国のメーカーだが、現在はケンコープロフェッショナルイメージングの取り扱いとなっており、そこそこ信頼できるブランドだろう。

▲静止画はピントが合っているものをセレクトすればよいが、動画は一瞬のピント外れでクオリティが一気に落ちる。より正確なピント合わせのためにも外付けモニターは必需品だ。ビンボー症なので、購入時の液晶保護シールを取り外さずに使用。

 

▲モニターには良くできたチルトアームも同梱されていたのだが、マイクとの干渉を避けるためにSmallRigのダブルエンドボールを介して固定している。

 

さてさてボディ本体、マイク、モニターが揃ったところで、これらをどう組み上げるか? 公園内を歩き回る際の機材の運びやすさや軽さ、素早く三脚に機材をセットできる利便性、モニター/マイク/モバイルバッテリーとカメラを結ぶジャック周りの保護などの要件をほぼ満たしてくれるものとして、SmallRigのLブラケット/HDMIクランプ/ダブルエンドボールを揃えて組み上げたのが、ご覧の状況だ。

▲SmallRigの専用ブラケットを介してカメラボディ/モニター/マイクを一体化。マイクやモニター等は三脚側にセットした方が性能的に有利な面もあるが、機動力を重視してこの状態に組み上げた。

 

▲1番上がマイク端子、1番下がHDMI出力端子。下から2番目のマルチ端子にはモバイルバッテリーを接続して本体バッテリーへの給電に使用している。コード類が移動中に抜け落ちるのと、不要な接触でボディ側端子が傷むのを防ぐために専用クランプでガード。

 

えっ? でっかい雲台プレートが付いているって?  実はカメラと同時期に三脚もイタリア製のビデオ専用タイプに買い替えたものの満足できず、さらにフランス製とイタリア製のビデオ専用雲台を2個買い替えてみたもののまだまだ不満、次はドイツ製を狙っております……というオハナシはまたいつか。