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【撮れ高アップのロケ戦法】風景写真家・秦 達夫さんに聞いた、複数の撮影システムを効率的に使うためのバッグ・ザック管理術

<この方に聞きました!>


秦 達夫さん
1970年長野県遠山郷生まれ。写真家竹内敏信氏の助手を経て独立。故郷の湯立神楽「霜月祭」を取材した『あらびるでな』で第八回藤本四八写真賞受賞。写真集に『山岳島_屋久島』『RainyDays 屋久島』『New Zealand』など。 日本写真家協会会員、日本写真協会会員、Foxfire フィールドスタッフ。

 

カメラシステムごとに専用ザックを用意してそのとき最適なシステムをすぐ持ち出せるようにしています

僕は、撮影テーマごとにマウント=撮影システムを使い分けるので、機材整理は最重要課題だ。僕の整理方法は「システムごとにザックを用意すること」。1つのザックで複数のマウントシステムを持ち運ぶこともあるが、そのときは複数マウントを入れる専用ザックを用意している。シンプルに、機材が変わることを見た目で意識し切り替えることが、思考の混乱を防ぐと考えているからだ。

 

多システムを使い分けていると「浮気者」と言われるが、僕はそうは思わない。料理人が食材によって包丁を変えるように、写真家がテーマに適した性能のカメラを使用するのは当然のことだからだ。むしろ、カメラを使い分けない方が表現のうえで「損」ではないだろうか?

 

毎日のように取材に出掛けるので、機材はザックに入れっぱなしである。防湿庫に戻すことはしない。その代わり、事務所では乾燥機を回しっぱなしである。使用頻度の低い機材は乾燥剤に使用開始年月日を記入して防湿ケースに入れている。乾燥剤は2年程度で交換している。

 

戦法1|システムごとに専用ザックを用意

左からキヤノン、富士、オリンパス。すべてFoxfire。いつも同じ場所に同じレンズを入れるようにしている。暗がりでもレンズ確認が容易にできるようにするためだ。

 

戦法2|システム混在用のザックも

複数マウントを入れるための大型ザック。タムラック・アルビン27。取材形態によって中身を入れ替えて撮影に出掛ける。

 

戦法3|頻度の低い機材は防湿ケースに

湿度計が付いている防湿ケースを使用。この日は雨だったので蓋を開けたら一気に目盛りが多湿を示した。防湿剤は少し多めに入れている。