CP+の中止やショールームの休館、発売日の見直しなど、カメラ業界においても新型コロナウイルス感染症の影響はさまざまな面に及んでいる。ただ、このような状況のなかでも興味深い新製品が各社から登場している。今回は、2020年の1~4月に発表・発売された注目製品を中心に、主要カメラメーカー各社のトピックを振り返っていく。今回はペンタックス&リコー編!
■2019年5~12月のトピックはこちら↓
特別感が心をくすぐるカスタムモデル登場! 一眼レフ新モデルの開発発表も【令和元年の新製品まとめ・ペンタックス&リコー編】
Topic(1)一眼レフカメラ用望遠ズームレンズ「HD PENTAX-D FA 70-210mmF4ED SDM WR」
リコーといえば昨年9月に開発発表されたペンタックスKマウントのAPS-Cデジタル一眼レフ最上位モデルが気になるところだが、いまのところその続報はない。しかし、交換レンズでは一眼レフ用の望遠ズーム「HD PENTAX-D FA 70-210mmF4ED SDM WR」が2月に登場した。フルサイズにも対応する望遠ズームレンズで、APS-Cカメラ装着時は107~322mm相当 (35mm判換算値) をカバーする。重さ約819gの小型軽量設計で手持ち撮影もしやすく、開発中の新モデルとの組み合わせも楽しそうだ。
フィルター径は67mm、最短撮影距離は0.95m、最大撮影倍率は0.32倍。レンズ内部に水滴が入りにくい防滴構造を採用し、レンズ前面には汚れがつきにくいSP (Super Protect) コーティングが施されている。
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Topic(2)新世代スターレンズ「HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW」開発発表
3月には、同じくデジタル一眼レフカメラ用の交換レンズとして「HD PENTAX-D FA★85mmF1.4ED SDM AW」が開発発表された。これはKマウントデジタル一眼レフカメラ用レンズシリーズの中で最も高い描写性能を追求した★ (スター) シリーズに属する大口径レンズ。新世代の“D FA★”単焦点レンズ「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW」に続く第2弾として、超高画質にこだわって開発されているそうだ。発売時期は2020年後半を予定しているとのことなので、続報を楽しみに待ちたい。
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Topic(3)超マクロ撮影が楽しめる防水コンデジ「RICOH WG-70」
コンパクトデジカメのカテゴリでは、防水・耐衝撃・防塵・耐寒機能を備えたタフネスコンデジ「RICOH WG-70」が3月に登場。センサーは有効約1600万画素の裏面照射型CMOSセンサー、レンズは焦点距離5~25mm (35mm判換算で約28~140mm相当) の光学5倍ズームを採用している。
最短撮影距離が1cmで、レンズの周りに近距離用のLED補助光が6灯配置されるなどマクロ撮影に強いのも大きな特徴。最短撮影距離を保持しながら長時間の観察が可能なマクロスタンドも同梱されている。
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Topic(4)ペンタックスブランドの双眼鏡・単眼鏡がクラウドファンディングで即完
カメラからは少し離れてしまうが、ぜひとも触れておきたいのがクラウドファンディングサイト「Makuake」で展開されたペンタックスブランドの双眼鏡・単眼鏡だ。どちらもかなりユニークな発想の製品で、それが話題となったこともありわずか数日で予定台数に達して受付終了となった。
「PENTAX VD 4×20 WR」は、左右の鏡筒が分離して2本の単眼鏡として使える機構を備えた“2人でシェアできる”双眼鏡。単眼鏡時には最短0.5mまでピントが合うため、美術館や博物館などで展示物を拡大して鑑賞する場合などに役立つ。また、分割した2本の単眼鏡を縦につなげることで16倍のスリムな望遠鏡になる点も画期的だ。
「PENTAX VM 6×21 WR」は質量約150gというポケッタブルな単眼鏡。ピント合わせはシーソー式のフォーカスレバーで行うため、片手でも操作しやすい。アクセサリーセットに含まれるマクロスタンドを利用すると、内蔵のクローズアップレンズにより18倍の実体顕微鏡となる。また、同じくアクセサリーセットに含まれるスマートフォンアダプターを併用すれば、微細な対象物をスマホで鮮明に撮ることができる。
前述のとおり今回のプロジェクトに関しては規定台数に達したため購入受付は終了してしまっているが、反響が大きかったため一般発売について前向きに検討しているというコメントも出ているので、今後購入できるようになる可能性はあるかもしれない。
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