ソニーのミラーレスカメラやコンパクトデジタルカメラ利用者に無償で提供されるアプリケーションソフトウェア「Imaging Edge(イメージングエッジ)」。その機能の1つ「Edit」では、RAWやJPEG、TIFFファイルを取り込んで画像の調整を行うことができる。今回は「ホワイトバランス」について解説する。
光源の特性に応じて写真の色を調整する機能
デジタルカメラの画像は、撮影時の光の特性によって発色が異なったように写る。それを自動または手動で調整するのが[ホワイトバランス]機能だ。Editでは、[プリセット調整]、[色温度調整]、[グレー点指定]、[色補正]という4つの方法によってホワイトバランスの調整ができる。それぞれの使い方を順に見ていこう。
使いこなし(1)[プリセット調整]を使って色を変える
[プリセット調整]では、用意された項目を選ぶだけでホワイトバランスを素早く変更できる。選択できるのは[オート]のほか、[太陽光]、[曇天]、[日陰]、[蛍光灯]など。基本的には、撮影シーンの光源と同じものを選択すると、色かぶりのない発色になる。
<太陽光>
<日陰>
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使いこなし(2)[色温度調整]を使って色を変える
[色温度調整]では、色温度の数値を変えることでホワイトバランスの調整ができる。色温度とは、太陽光や自然光、人工照明などの光源が発する光の色を表すための尺度のこと。単位はケルビン(K)。「Edit」の[色温度調整]では、2100K~9900Kの範囲での設定ができ、数値を下げるほど写真は青く、上げるほど赤くなる。プリセットホワイトバランスよりも自由度が高いので、大胆な雰囲気作りをしたいときは便利だ。
人の目で最も自然な色に感じるのは正午の太陽光の光で、色温度では5000~5500Kに該当する。その場の光を生かしたいときはプリセットの「太陽光」に設定してもよいが、あらかじめケルビン値を決めておけば、いつでも自分好みのイメージを作ることができる。
<5500K>
<2100K>
<9000K>
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使いこなし(3)[グレー点指定]を使って色を変える
[グレー点指定]は、画像上をクリックした点、またはドラッグした領域を基準にして、ホワイトバランスを調整する機能だ。基準となる点や領域はグレーに近い色になるので、色かぶりした画像を補正する用途にも使いやすい。
[グレー点指定]は、スポイトツールでクリックした部分をホワイトバランスの基準(無彩色)と認識させる方法。打ち消し合う色で補正を行うので、指定した色の補色が色になって現れる。ワンクリックで、通常の色温度にとらわれない派手な色になるので、カラーフィルターとして使うと面白い。
<元の画像(撮影時設定)>
<灰色の道路をクリック>
<赤い車をクリック>
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使いこなし(4) [色補正]を使ってホワイトバランスを調整する
[色補正]は、グリーンからマゼンタにかけての色を補正する機能だ。[プリセット調整]や[色温度調整]、[グレー点指定]のいずれかでホワイトバランスを設定したあと、それだけでは不十分な場合に併用するとよい。
[色補正]を使ったホワイトバランスの調整は、[プリセット調整]や[色温度調整]を補完するものと考えよう。例えば、次の水族館のような複数の光源がミックスしているシーンや、肌の色の「色かぶり」が発生しがちな新緑の中やオレンジがかった電灯下での撮影の際、微調整するのに役立つ。
<色補正±0>
<色補正 -75>
<色補正 +75>
<色温度調整 4000K、色補正 +30>
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【参考本紹介】
ソニー イメージングエッジ完全マスター
ソニー純正画像ソフト「Imaging Edge (イメージングエッジ)」のガイドブック。ミラーレスカメラ“α”シリーズをはじめとするデジタルカメラユーザー向けにソニーが無償提供しているイメージングエッジの使いこなし方がわかる。特にRAW現像は、プロの画像調整テクニックを詳しく紹介。カメラとスマートフォンの連携もわかりやすく解説している。
2019年12月24日(火)発売
A4判 オールカラー130ページ
本体 2,500円(税別)
ISBN 978-4-05-611548-2
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