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「色相」と「彩度」の組み合わせで表現にバリエーションを!【ソニー「Imaging Edge」簡単ガイド・色調編】

ソニーのミラーレスカメラやコンパクトデジタルカメラ利用者に無償で提供されるアプリケーションソフトウェア「Imaging Edge(イメージングエッジ)」。その機能の1つ「Edit」では、RAWやJPEG、TIFFファイルを取り込んで画像の調整を行うことができる。今回は「色調」について解説する。

※JPEGやTIFFファイルの場合、RAWデータに比べると調整できる項目は限られます

 

写真の色合いと鮮やかさを調整する機能

[色調]は、[色合い(色相)]と[彩度]という2つのスライダーを使って、写真の色合いと鮮やかさを調整する機能だ。[色合い(色相)]では、スライダーを動かすごとに全体の色が大きく変化し、色の印象を大胆に変えられる。また[彩度]のスライダーでは、鮮やかさを強めたり弱めたりできる。[彩度]を下げてモノクロにすることも可能だ。

▲[色合い(色相)]と[彩度]はどちらも初期設定では0になっているので、スライダーを左右にドラッグ、または+-のボタンをクリックして調整を行う。数値を直接入力して細かく変更することも可能だ。

 

使いこなし(1)[色合い(色相)]で花の色合いを大きく変更してみる

[色合い(色相)]は、写真全体の色を大きく変更したいときに役立つ。特に、植物や夕焼け空などの自然風景、看板などの人工物の写真などで効果的といえる。ただし、人物が写っている写真では色が変わりすぎて不自然に感じるので注意したい。

<元の写真(±0)>

花の色合いを変更して印象を変える
元の写真は、赤い花をクローズアップで捉えたもの。背景には青と緑のボケが生じている。[色合い(色相)]を調整すると、それぞれの色が大きく変化する。

 

マイナス側への補正

[色合い(色相)]スライダーを左(マイナス側)に動かすと赤い花はピンクから紫へと徐々に変化していく。このとき、背景に見える青や緑も同じように色そのものが大きく変化する。狙いに合った色になるように調整していこう。

<色合い(色相)−100>

 

<色合い(色相)−50>

 

プラス側への補正

[色合い(色相)]スライダーを右(プラス側)に動かすとオレンジから黄色へと徐々に変化していく。小さな変化では自然に見えるが、大きく変化させると、自然界に無いような色になる。

<色合い(色相)+50>

 

<色合い(色相)+100>

 

使いこなし(2)[彩度]で写真の鮮やかさをコントロールする

[彩度]は、写真の鮮やかさを調整する機能だ。スライダーを右に動かして値を+にした場合はいっそう鮮やかな色になり、逆に左に動かして値を-にした場合は落ち着きのある色になる。[彩度]を−100まで下げた場合は、白黒のイメージとなる。

<元の写真(±0)>

建物や空の鮮やかさが物足りない
元の写真は、青空を背景にしてレンガ造りの建物を撮影したもの。[彩度]を調整して、空や建物の色合いをいっそう鮮明にしたり、逆に落ち着いた色にしてみよう。

 

やや誇張するくらいが目安。重厚な建物ならモノクロ表現もアリ

+50では、空やレンガがいっそう鮮やかで見栄えのいいイメージになった。+100は鮮やかすぎてやや不自然。一方、落ち着いた印象にしたい場合は−50、白黒にしたい場合は−100を選ぼう。

<彩度 +50>

 

<彩度 +100>

 

<彩度 −50>

 

<彩度 −100>

 

使いこなし(3)[色合い(色相)]と[彩度]の両方を調整する

写真の色のイメージを大きく変えたいときは[色合い(色相)]と[彩度]の両方を調整してみよう。手順としては、まずは[色合い(色相)]のスライダーを左または右に動かして全体の色を決めてから、次に[彩度]のスライダーを動かして強弱をつけていくとよい。

<元の写真(±0)>

狙いに応じて色を変えてみよう
元の写真は、夕暮れ時に撮影した海沿いの風景だ。夕日によって薄っすらと赤く染まっているが、[色合い(色相)]と[彩度]の両方を調整して、まったく異なる色に仕上げてみたい。

 

色みの少ない風景なら大きく色を変えても面白い

[色合い(色相)]と[彩度]の組み合わせだけでも、さまざまな色のバリエーションが作り出せる。こうした夕景や夜景などでは、大きく色を変更しても違和感は少ない。

<色合い:−80、彩度:−50>

 

<色合い:−80、彩度:+100>

 

<色合い:+50、彩度:−40>

 

<色合い:+50、彩度:+100>

 

【参考本紹介】

ソニー イメージングエッジ完全マスター

ソニー イメージングエッジ完全マスター

ソニー純正画像ソフト「Imaging Edge (イメージングエッジ)」のガイドブック。ミラーレスカメラ“α”シリーズをはじめとするデジタルカメラユーザー向けにソニーが無償提供しているイメージングエッジの使いこなし方がわかる。特にRAW現像は、プロの画像調整テクニックを詳しく紹介。カメラとスマートフォンの連携もわかりやすく解説している。

2019年12月24日(火)発売
A4判 オールカラー130ページ
本体 2,500円(税別)
ISBN 978-4-05-611548-2

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