1年で世界のありようがガラッと変わってしまった2020年。あっという間に1年が終わってしまったという方も多いのでは？ ほんの少しでも楽しんで明るい2021年を迎えていただきたく、プロの写真家やカメラライターに「2020年に買ってよかったモノ」を一斉調査しました！ さあ、何が出てくるかな？
大浦タケシさんの2020年ベストバイ「キヤノン EOS R5」とRFレンズ4本
フルサイズミラーレス「EOS R5」の購入に合わせて仕事用レンズ2本を一新
2020年は、個人的にも何かとたいへんな年でした。まあ、よかったという人は極少数でしょうが、自営業でどちらかと言えば不要不急な案件の多い私にとって本当に厳しかった。そんななかでも最新のカメラ、レンズを新たに購入できたことに安堵しています。特に「EOS R5」の購入は自分的には大きな出来事で、それに合わせてRFレンズもいくつか購入しています。
まず「EOS R5」と一緒に購入したのが2本。1本は「RF24-105mm F4L IS USM」です。それまで愛用していた一眼レフ用「EF24-105mm F4L IS II USM」に代わるものとなります。開放F2.8の24-70mmとしなかったのは、高価だということと、インタビューをはじめとする人物撮影ではテレ端70mmではちょっと物足りないことが多いため。特に焦点距離については被写体に対しあと一歩踏み込めないようなときなど、プラス35mmが強力な味方となってくれるのです。また、私が撮る人物の写真はそれほど大きなボケは必要ないことが多いので、開放F4でも問題になることはほとんどありません。
もう一本は「RF70-200mm F2.8 L IS USM」。こちらは「EF70-200mm F2.8L IS II USM」に代わるものとなります。本当はコンパクトな開放F4が欲しかったのですが、「EOS R5」を購入したときはまだ「RF70-200mm F4 L IS USM」は発表もされておらず、どちらかといえば致し方なくという感じでした。しかしながら鏡筒を短くした状態であれば思いのほかコンパクトになるのと、「70-200mm F4」と異なり三脚座が備わっているので、これはこれでよかったかなと今は思っています。ちなみに広角ズームは、予算の都合と開放F4のレンズがなかったので今回更新は見送りました。「マウントアダプター EF-EOS R」を介して「EF16-35mm F4L IS USM」を引き続き使っています。
プライベート用にRFマウントのマクロレンズ2本も購入
以上が更新したレンズでしたが、それとは別に主にプライベートな撮影用として「RF35mm F1.8 MACRO IS STM」と「RF85mm F2 MACRO IS STM」の2本も手に入れました。私は古い人間なので (笑)、基本単焦点レンズがフェイバリッツ。ただし、高価で大きく重いものは個人的にはちょっと勘弁ということで、この2本となりました。どちらも好きな画角なので、これだけでカメラを提げて流浪できそうです。あと先日発表された「RF50mm F1.8 STM」は予約済み。本当は開放F1.4の標準レンズが欲しいところですが、ちょっと待てませんでした (おそらく近い将来発売されることでしょう)。この原稿がWEBに掲載される頃には単焦点レンズは3本になっているはずです。
レンズ4本の購入は「EOS R5」への期待の表れ
たった4本と思われるかもしれませんが、しがない一自営業者である私にとって、これらをほぼ一度に取り揃えるのは勇気のいるものでした。それは別な言い方をすれば、「EOS R5」に期待する表れでもあります。今後もRFレンズの充実を機会があれば図っていきたいと考えていますが、そのためには2021年がいい年になることを期待したいと思っています。
キヤノン EOS R5 実写作例
冬の夕暮れ。深く蒼い空を背景に旧台徳院霊廟惣門 (きゅうだいとくいんれいびょうそうもん) にカメラを向ける。「EOS R5」の強力なAFにも助けられシャープネスの極めて高い写りが得られる。小さいながらも強い光を放つ点光源が写り込んでいるが、ゴーストの発生などなく極めてクリアな写りが得られた。
EOS R5 RF24-105mm F4L IS USM 絞り優先AE (絞りF8.0) 4秒 −1EV WB : オート ISO100 ピクチャースタイル : 風景 RAW
早秋の早朝、カメラを構える。普段見慣れた風景も新鮮に感じられる。絞りは開放から1段絞ったF5.6。解像感、コントラストとも極めて高く、画面の四隅までしっかりと解像している。色のにじみの発生などもなく隙のない写りである。
キヤノンEOS R5 RF24-105mm F4L IS USM 絞り優先オート F5.6 1/320秒 −1.33EV ISO100 WB : 太陽光 ピクチャースタイル : 風景 Cokin Half ND Filter使用
〈文・写真〉大浦タケシ