ミラーレスカメラの時代になって、開放F値1.0よりも明るいアンダーF1.0の超大口径レンズが数多く登場してきています。前編では、アンダーF1.0レンズを使って撮影する前のカメラ設定と、いま手に入る14本の単焦点レンズを紹介しました。後編では、使いこなしのポイントを実写作例とともに解説します。
超大口径「アンダーF1.0」レンズが面白い!
アンダーF1.0でスナップを撮る!
被写界深度が極端に浅いアンダーF1.0レンズを使ったスナップ撮影では、日常の何気ないシーンを劇的に変化させることができる。カメラの手ブレ補正機能を上手に利用して、スナップで使いこなそう。
何気ないシーンをドラマチックに変える
道端にあった赤いセンリョウの実にピントを合わせて撮影した。被写体に寄り過ぎると、背景がボケすぎて周囲の状況が描写できなくなるので、1mほど離れた位置から撮影した。
日なたぼっこしている路地裏のネコを金網越しに撮影。金網はボケて目立たなくなっている。
陽だまりにピントを合わせて、遠近感を狙った。ハイライト部分を強調するため−0.7EV補正している。
ココがポイント!
奥行き感のあるフレーミングにする
被写界深度の浅さを生かすには、奥行き感のあるフレーミングを意識しよう。平面的な構成では、せっかくのアンダーF1.0レンズの開放のボケを生かすことができない。また、被写界深度が浅いので、身体のちょっとした動きでピント位置が変わってしまう。しっかりカメラを構えて撮影しよう。
アンダーF1.0で夜景を撮る!
夜景の撮影では、明かりのボケを積極的に画面に取り入れて撮影しよう。街がイルミネーションで彩られている冬の時期は、色彩的にも華やかになり、何気ないシーンでも印象的に捉えることができる。
街の明かりの点光源を生かす
街の明かりとテールランプをアクセントに、路肩に停められた自転車を狙った。
ココがポイント!
ボケを最大にするにはピント位置を手前に
背景を大きくぼかすには、被写体にできるだけ近づいてフレーミングする。ピント位置はできるだけ近く、背景はできるだけ遠く離すようにするといい。レンズの最短撮影距離で撮影するのがベストだが、アンダーF1.0レンズでは、ボケ過ぎてしまうこともあるので、液晶モニターやファインダーでボケ具合を確認しながら絞りや撮影距離を調整しよう。
アンダーF1.0でテーブルフォトを撮る!
じっくり画面構成ができるテーブルフォト。被写界深度の浅いアンダーF1.0レンズならではのこだわりで、ピント位置や絞り、カメラポジションを意識して撮影してみよう。ちょっとした違いで、作品の印象が大きく変化する。
ピント位置を変えて印象を変える
画面の手前、中央、奥とピント位置を変えて撮影してみた。ピント位置によって印象が異なっているのがわかる。
ココがポイント!
外部モニターを使ってしっかりピントをチェック
ピントチェックは、画面が大きいほど見やすくて精度も高くなる。テーブルフォトでは、外部モニターを使ってフレーミングはもちろん、ピントもしっかりチェックしよう。マニュアルでのピント合わせには、ピーキング機能を使うのがオススメだ。