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ここで買ったカメラは生涯面倒みます! 気概あふれるポリシーが嬉しいオールドカメラの老舗「早田カメラ店」へ行ってきた

地下鉄の浅草駅から、観音通り商店街を進んで行くと、その先に「早田カメラ店」がある。6年前に改装されたオシャレな店構えが印象的である。

早田カメラ店
モダンな雰囲気の店頭。入口はショーケースを左手に進んだ路地の先。

店主自らが愛情をもって修理・点検・オーバーホールした美品が並ぶ

店主の早田さんに、店の由来を聞く。

「私は2代目です。父は16歳のときからカメラ修理を始め、戦後すぐに雷門の近くに店を構えました。そして昭和27年に今の場所に移転。私も16歳からカメラの修理を始めましたが、高校卒業後はしばらく小西六で働きました。21歳のときにこの店に入り、現在は3代目の娘婿も一緒に働いています」

舶来から国産まで常時400台の商品を陳列

壁面いっぱいのショーケース内には、国内外のクラシックカメラがずらりと並ぶ。そしてその一部は、エントランスからも眺められる。これは魅力的!

早田カメラ店

早田カメラ店

ヨーロッパ中のクラシックカメラが並ぶ

イタリアのオートバイメーカー Ducati (ドゥカティ) のハーフ判カメラ。また、手ごろな価格で人気のフランス製 Foca (フォカ) と、興味深いヨーロッパの小型カメラも多い。

早田カメラ店

早田カメラ店

「1960年以前のカメラしか扱わない」がポリシー

店内を見回すと、“自分が自信を持って修理できる1960年以前のカメラしか扱わない”という早田さんのポリシーを表わすような製品が並ぶ。その中で、人気の高い製品は何だろうか?

「やはりライカですね。特に人気が高いのはM3ですが、バルナック型も需要があります。国産のライカコピー Nicca (ニッカ) などはあまり売れませんけど」と、笑いながら答えてくれた。

ライカはM型もバルナック型も人気がある

M型はもちろん、M型と比べると値段の安いバルナック型のライカも売れている。人気の「III f」をはじめ、10万円台前半の程度の良いIIIシリーズが多数並ぶ。

早田カメラ店

レンズは手ごろな価格帯から高価なものまで

M42マウントやエキザクタマウントなど、交換レンズは種類や数が豊富で、安価な商品も多く在庫する。個人的には、1万円台の「Tessar 50mm F2.8.」や「Sonnar 135mm F4」とかが良さそう。

早田カメラ店

もうひとつのポリシーは「期限ナシの生涯メンテナンス」

先述の“1960年以前のカメラしか扱わない”というポリシーとは別に、この店にはもうひとつのポリシーがある。それは、“早田カメラで購入、修理、整備したカメラは、期限ナシの生涯メンテナンス”というもの。多くの中古カメラ店でも、購入から3か月から半年の保証は付くが、ここまで徹底した保証は珍しい。

そんなこだわりのある下町の老舗カメラ店だが、堅苦しい雰囲気はない。仲見世や浅草寺を訪れた際には、ふらっと立ち寄ってオールドカメラを物色してみよう。

店主のおすすめはコレ!

ハッセルブラッド 1000F + Tessar 80mm F2.8

フォーカルプレーンシャッター内蔵式の6×6判一眼レフ。製品名の「1000」は、シャッター最高速を表わす。この速度を先行機種1600Fからわずかに下げて信頼性をアップ。標準レンズの「Tessar 80mm F2.8」とのセットで165,000円 (税込)。

早田カメラ店

見つけた! 吉森カメラマンの気になる商品

ライカ M2 + ELMAR 50mm F2.8

古めのM型ライカで、広角35mmを使うなら、ファインダー枠が対応する「M2」がおすすめ。価格は242,000円 (税込)。沈胴の「ELMAR 50mm F2.8」は、収納時の携帯性と同時に、使用時のスタイルも魅力的。こちらは77,000円 (税込)。この組み合わせ、かつて自分も所有していた。

早田カメラ店

早田カメラ店

住所 東京都台東区浅草2-1-3
営業時間 11:00~19:30
定休日 木曜
TEL 03-3841-5824
交通 東京メトロ銀座線 浅草駅より徒歩3分、都営浅草線 浅草駅より徒歩5分

 

※掲載した商品や価格は取材時のものです。