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桜をキレイに撮るための基本のキ! 押さえておきたいポイント5選

待ちに待った桜のシーズンがやってきました。まん延防止措置が全面解除され、撮影に出かける準備をしている方も多いのでは? 桜をキレイに撮るために、基本のテクニックを紹介します。5つのポイントを押さえて、傑作をモノにしてください。

桜をキレイに撮るための基本のキ

目次
① フレーミングのコツは欲張らないこと!
② 順光? サイド光? 逆光? いい光の選び方
③ ドラマチックに撮るなら朝夕が狙い目
④ 曇天・雨天ならではの桜を撮ろう
⑤ ホワイトバランスの設定で雰囲気が変わる
【豆知識】知っておきたい桜の種類

ポイント① フレーミングのコツは欲張らないこと!

桜はとても華やかなので、あれもこれもと欲張ってフレーミングしがちであるが、それでは狙いがはっきりしない写真になってしまう。桜の何を見せたいかを意識して撮ることが大切だ。樹形が格好いい、群生する様が華やか、枝振りが見事など、何を見せたいかを決めてからフレーミングしよう。

また、形のよさや美しさを写すなら立ったままの目線 (アイレベル) で、迫力や高さを見せるなら低い位置から見上げて (ローアングル) 狙うといい。

樹形のよさを見せる

木が格好よく見える、やや離れた場所から撮るのがコツ。周囲を回って、どこからが形よく見えるかを探そう。

桜をキレイに撮るための基本のキ

枝振りを切り取る

生き生きと枝を伸ばした部分を見つけ、望遠側にズームして撮影すると、桜の力強さを捉えることができる。

桜をキレイに撮るための基本のキ

群生として見せる

桜の森の中に入り込み、広角側にズームして撮影すると、華やかな桜の雰囲気を引き出しやすい。

桜をキレイに撮るための基本のキ

ローアングルで撮る

低い位置でカメラを構えて撮ると、木が力強く見え、高さや迫力を表現できる。

桜をキレイに撮るための基本のキ

アイレベルで撮る

立ったままの目線で撮影すると、桜の自然な形や美しさをストレートに表現できる。

桜をキレイに撮るための基本のキ

 

ポイント② 順光? サイド光? 逆光? いい光の選び方

桜がキレイに写るかどうかは光次第といっていい。満開の桜でも、いい光を選ばないと美しさが出ない。形のよさや色を狙ったり、風景と一緒に写す場合は、サイド光がベスト。適度な影により立体感が出て、花色も美しく写る。順光では平面的な写真になりやすい。また、花の輝きを出すなら逆光で狙うのもオススメだ。暗い背景を選べば、桜の存在感が一層際立つ。

順光

桜に対して正面から光が当たるため、自然な色は出るが、影が少なく平面的になりやすいのが欠点である。

桜をキレイに撮るための基本のキ

サイド光

横からの光によって適度な影が出て、桜を立体的に見せられる。順光より花の色に透明感が出るのも魅力だ。

桜をキレイに撮るための基本のキ

逆光

背後から差し込む透過光により、透き通るように輝く桜が撮れる。シルエットになった背景を選ぶと効果的。

桜をキレイに撮るための基本のキ

■逆光の失敗例

逆光でも背景が明るいと 桜が背景に埋もれてシルエットになってしまう。

桜をキレイに撮るための基本のキ

 

ポイント③ ドラマチックに撮るなら朝夕が狙い目

朝夕の光で見る桜はドラマチックだ。ソメイヨシノの花は白色に近いが、朝夕の光線を受けると桜らしいピンク色に染まる。また、朝日を正面から捉えれば朝の力強い桜風景として見せられる。ただし、強い光でレンズ内で乱反射が起こり、ゴーストが出やすいので気をつけよう。

逆光に映える桜

朝日の赤い光を受けた桜が急に輝き出す。ドラマチックな光によって、生き生きとした桜として捉えられる。

桜をキレイに撮るための基本のキ

朝日に染まる桜

朝日を受けると桜の花は濃いピンク色に染まる。桜色が一層強まり、朝日の温もりが感じられる仕上がりとなる。

桜をキレイに撮るための基本のキ

 

ポイント④ 曇天・雨天ならではの桜を撮ろう

花見は晴天のほうが気持ちがいいが、天気がよくない日でも写真は撮れる。曇りの日は広い風景として桜を見せるのには向かないが、光が柔らかいので、花の質感描写に適している。また、雨の日は桜が濡れて艶やかさが増し、水滴から雨の雰囲気が強く感じられる。あきらめずに、曇天や雨天でしか撮れないものにレンズを向けたい。

水滴を生かす

雨滴の付いた桜をクローズアップすることで雨の雰囲気を捉えた。雨に濡れた桜の艶やかさも引き出せる。

桜をキレイに撮るための基本のキ

曇天で柔らかな質感を出す

曇りの日は光が拡散するため、桜の質感を引き出しやすい。こんもりとした花房を切り取るのがオススメ。

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霧を生かす

降雨のときや雨上がりには山々に霧がかかることがある。背景に霧を入れると、山深さや臨場感が感じられる。

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ポイント⑤ ホワイトバランス (WB) の設定で雰囲気が変わる

自然光で撮るなら、WBは「晴天 (太陽光)」で自然な桜色を再現できる。日中は淡い白色、朝夕は赤みがかり、日陰はやや青みがかった色に仕上がる。「オート」は必ずしもいい色が出ないので注意したい。ただしライトアップ時は、WBを「電球」や「オート」にしたほうが自然に仕上がることが多い。

WB : 電球

桜が最も自然な色に再現された。ライトアップの光源にもよるが、一般的な電球なら、WBを電球モードにすると桜は白に近い色に仕上がる。

桜をキレイに撮るための基本のキ

WB : 晴天

自然光で撮影する場合はキレイな色が出るが、ライトアップされた桜を撮ると、電球の色を反映して赤みの強い色になりやすい。

桜をキレイに撮るための基本のキ

WB : オート

晴天モードとオートの中間ぐらいの仕上がりになる。桜色の濁りは少なく、ライトアップの雰囲気も出て、いい感じである。

桜をキレイに撮るための基本のキ

 

【豆知識】知っておきたい桜の種類

国内に自生する野生の基本種は9種とされているが、変種や自然交配したものが多く、さらに園芸品種だけでも200種を超える。ここでは花見の対象として代表的な5つの桜を紹介する。ソメイヨシノやヤエザクラは公園や学校などでよく見かけ、エドヒガンやシダレザクラ、ヤマザクラは一本桜として知られているものが多い。

ソメイヨシノ

桜の代名詞といえる品種。オオシマザクラとエドヒガンの交配種で、江戸末期に染井村 (現在の東京都豊島区巣鴨あたり) の園芸農家から広まったとされる。ヤマザクラと違って開花時に葉は出ず、エドヒガンよりも花は大きめ。

桜をキレイに撮るための基本のキ

桜をキレイに撮るための基本のキ

エドヒガン

アズマヒガンともウバヒガンとも呼ばれる野生種。春の彼岸頃に開花する。長寿で大木に成長するため、一本桜として名を馳せているものにはこの種が多い。ソメイヨシノより花は小振りで、萼の付け根が丸く膨らんでいるのが特徴。

桜をキレイに撮るための基本のキ

桜をキレイに撮るための基本のキ

ヤマザクラ

日本の山野に自生する野生種で、「吉野山の桜」としても有名。古くは桜といえばヤマザクラを指し、和歌にも多く詠われてきた。開花と同時に葉も開くため、ソメイヨシノやエドヒガンと区別できる。長寿で大木に成長する。

桜をキレイに撮るための基本のキ

桜をキレイに撮るための基本のキ

シダレザクラ

エドヒガンの一品種で、枝が垂れ下がるのが特徴。それ以外の基本的な形状はエドヒガンと変わらない。長寿なので、神社や寺などにある老大木にこの種が多い。花が濃い紅色のベニシダレ、八重咲きのヤエベニシダレなどもあり、広義では枝が垂れる桜全般を指す。

桜をキレイに撮るための基本のキ

桜をキレイに撮るための基本のキ

ヤエザクラ

花びらの多い桜の総称で、特定の品種を指すわけではない。カンザンやフゲンゾウなどが有名。ソメイヨシノよりも開花が1〜2週間ほど遅く、新緑が芽吹き始める頃に大柄で華やかな花を咲かせる。

桜をキレイに撮るための基本のキ

桜をキレイに撮るための基本のキ

日本に自生する野生の基本種

■エドヒガン
東北から九州まで分布。花は早咲きで、巨木・名木が多い。人里近くにもあり、農作の目安にする地方が多かった。

■ヤマザクラ
本州の南部に分布。枝は斜め上に伸びるものが多 いが、横に伸びることもある。寿命が長いため、かなりの大木になる。

■オオヤマザクラ
九州と沖縄を除いて全国に分布するが、北海道から東北に多い。花も葉もヤマザクラより大きい。枝が垂れるものもある。

■カスミザクラ
北海道、本州、四国に分布。花の色や大きさなどに変種が多いが、花は白色、葉は黄緑色や緑褐色のものが多い。

■オオシマザクラ
伊豆諸島と伊豆半島南部に自生。サトザクラ (園芸品種) の多くの元になった。花は白色で、葉は桜餅に使われる。

■チョウジザクラ
東北の太平洋側、関東、中部に多く自生。長い萼筒と花の形が「丁」の字に似ていることから、この名が付いた。

■マメザクラ
富士山や箱根の山地に多く自生。細かい枝が多く、小さな花をたくさん付ける。また、花は下を向いて咲く。

■ミヤマザクラ
北海道に多く、南は九州まで自生。ほかの桜とは花の付き方が異なり、長く伸びた花軸に複数の花がつく。

■タカネザクラ
北海道と本州中部以北に分布。本州では海抜1500〜2800mの深山に自生。白から淡い紅色で、花びらの先端だけ色の濃いものもある。