カメラの操作やフィルムならではの描写など、デジタルとはひと味もふた味も違うフィルム写真が今、人気を集めています。フィルムをデジタル化して写真を楽しむ現代版のフィルム写真を紹介します。まずはフィルムの基礎知識から。
巷で人気のフィルム写真! まずは基礎をおさらいしよう
数年前から若い世代を中心に大人気のフィルム写真。現在も幅広い層に支持されている。これはもう一過性のブームではなく、デジタルと並んで写真の楽しみ方のひとつと言える。これを読んでいる方の中には「懐かしい」と思う人もいるだろうし、フィルムに興味はあっても未体験の人もいるかもしれない。そこで、フィルムの基礎知識から始めてみよう。
フィルムで最もポピュラーなのが35mm判フィルムだ。デジタルの35mmフルサイズの元になったフォーマット。ここでは、この35mm判フィルムを紹介しよう。ほかにも「ブローニー」や「120サイズ」と呼ばれる中判カメラ用のフィルムや、大判カメラ用のシートフィルムもある。またISO感度がフィルムによって決まっているのもデジタルとは異なるところだ。
これだけは知っておきたいフィルムの基礎知識
35mm判フィルムの各部名称を覚えよう
35mm判フィルムは、パトローネと呼ばれる缶にフィルムが入っていて、スプール (軸) に巻かれている。フィルムは光沢が強いほうがベース面、少ないほうが乳剤面。乳剤面に光が当たって像が形成される。またパーフォレーションと呼ばれる、フィルム送りのための穴が開いている。
パトローネに記された数字に注目
パトローネに記載されている「400」がそのフィルムのISO感度。デジタルのように撮影中に感度を変更することはできない。また「36」は36枚撮りの意味。24枚か36枚が一般的だ。
DXコードでISO感度を自動設定
DX (ディーエックス) コード対応のフィルムをDX コード対応のカメラに装填すると、フィルムのISO感度が自動で設定される。ISO感度の設定ミスを防ぐことができる便利な機能だ。
フィルムQ&A
135サイズって何?
35mm判フィルムは135サイズとも呼ばれる。かつてアメリカのコダック社が付けた番号だ。なお、中判カメラ用のフィルムは120サイズ。これらの番号は他社も含めて、現在でも使用されている。
ネガ・ポジってどういうこと?
フィルムを現像すると明るさや色が反転するのが「ネガ」。一般的なフィルムはカラーネガだ。現像しても反転されない「ポジ (リバーサル)」フィルムもある。モノクロは基本的にすべてネガだ。
現像って何をするの?
撮影したフィルムは、現像することでフィルムに像が現れる。現像しないと、どのように写っているのかわからない。現像が終わるまで待つ間のドキドキ感もフィルムの楽しさだ。
ISO・ASA・DINって何?
現在、感度の表記は国際規格のISOだが、1980年ごろまではアメリカ規格のASA (アーサー) だった。ただASAもISOも数値は同じ。ドイツ規格のDINもあり、ISO100はDIN21°、ISO400はDIN27°だ。ISOは正式には、ASAとDINを統合した「ISO400/27°」と表記する。
〈取材協力〉2nd BASE