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【フィルム写真の楽しみ方②】5つのポイントをおさえてフィルムカメラを使いこなそう

カメラの操作やフィルムならではの描写など、デジタルとはひと味もふた味も違うフィルム写真が今、人気を集めています。フィルムをデジタル化して写真を楽しむ現代版のフィルム写真を紹介します。今回は、フィルムカメラを使いこなすためのポイントです。
 

柔らかな光をカラーネガで再現

停留所に到着してUターンをする水上バス。カラーネガが持つ柔らかい写りが春の光をよく再現している。デジタルカメラとは異なる、どことなく懐かしい雰囲気を感じさせる写真になった。1枚1枚じっくり撮影するスタイルも楽しい。

フィルム写真の楽しみ方
ニコン F3 AI Nikkor 50mm f/1.4S 絞りF8 1/1000秒 フジカラー SUPERIA PREMIUM 400 (ニコン Z 7II + フィルムデジタイズアダプター ES-2 でデジタル化)

フィルム装填をマスターしてカメラを使いこなそう

フィルムカメラはデジタルカメラとは異なる操作がある。それが「フィルム装填」「巻き上げ」「巻き戻し」だ。デジタルカメラはメモリーカードを差し込むだけだが、フィルムカメラ、特に巻き上げレバーを持つ機種は、フィルム装填がハードルになる。

ポイントはスプールにフィルム先端をしっかり差し込んでから巻き上げ、パーフォレーションがスプロケットに噛み合っているか確認する。そして1枚目まで空送りしているときに、巻き戻しクランクが回転するのを確認する。

DXコード対応の機種以外は、ISO感度の設定を忘れずにする。またフィルムを撮り終わったら無理に巻き上げず、必ず巻き戻しボタンを押してから巻き戻す。この一連の作業が終わるまでは、裏蓋は決して開けてはいけない。フィルムが感光してしまう。

① カメラにフィルムを装填する

フィルムを差し込みレバー操作で巻き上げる

フィルム写真の楽しみ方

フィルムのリーダー部をカメラのスプールに差し込み、巻き上げレバーを一度巻く。スプロケットの歯がパーフォレーションに噛んでいるのを確認。装填できたら裏蓋を閉じ、1枚目まで空送りする。

フィルムの位置を合わせて裏蓋を閉じる

フィルム写真の楽しみ方

オートローディング式は、リーダー部の先端を赤い印のところまで引き出す。裏蓋を閉じるか閉じてシャッターを切ると1コマ目まで自動で送られる。巻き上げ、巻き戻しも自動だ。

② 撮影感度を設定する

カメラの感度設定をフィルムに合わせる

フィルム写真の楽しみ方

DXコード非対応のカメラは、フィルムのISO感度と同じ数字を設定する。デジタルと異なり、撮影の途中でISO感度の変更はできない。DX対応のカメラとフィルムなら自動で感度が設定される。

③ ピントと露出を合わせて撮影

ファインダーをのぞいてピントを確認

フィルム写真の楽しみ方

MFカメラの場合は自分でピントを合わせる。露出はAEを備えた機種もあるが、現像しないと結果がわからない。フィルム撮影の醍醐味のひとつだ。

④ フィルムを巻き上げて次の撮影に備える

巻き上げレバーでフィルムを巻き上げる

フィルム写真の楽しみ方

フィルム写真の楽しみ方

シャッターを切って撮影したら、次に備えて巻き上げレバーでフィルムを巻き上げる。デジタルにはない、機械を動かしている感覚だ。クラシックカメラにはダイヤル式もある。

⑤ フィルムを巻き戻して取り出す

巻き戻しボタンを押してから巻き戻す

フィルム写真の楽しみ方

矢印

フィルム写真の楽しみ方

フィルムの枚数を撮り切ったら、巻き戻しの作業を行なう。まずは底面の巻き戻しボタンを押す。そして巻き戻しクランクを起こして時計方向に回転させて巻き戻す。クランクの動きが軽くなったら完了だ。

撮影したフィルムはお店で現像!

現像&同時プリント

撮影済みのフィルムは写真店へ現像に出す。一般的な仕上がりはLサイズの同時プリントだ。昨今はCDやDVDなどにデータを入れてくれるサービスもある。

フィルム写真の楽しみ方

ダウンロードサービス

「SNSに公開したい」「スマホで手軽に鑑賞したい」という人は、250万画素にデータ化して、QRコードでスマホへダウンロードが可能。

フィルム写真の楽しみ方

 

次回は、藤井カメラマンおすすめのフィルムカメラを紹介します。

 

〈取材協力〉2nd BASE