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最新メモリーカードに注目! 高速連写や動画撮影を快適にするプロのおすすめは?

2023年には数多くの新型カメラが発表された。どの機種も超高速連写や4K / 8K動画記録などを搭載した機種ばかりだ。これらの機能を快適に使いこなすために、記録メディアにも注目しよう。

最新メモリーカード

※本記事内で紹介している製品の参考価格は、記事公開時点の量販店価格またはメーカー直販価格 (税込) です。

快適な撮影を楽しむなら高速記録メディアを選ぼう

高性能な最新ミラーレスカメラが各社から続々登場し、そろそろ新機種を手に入れようと考えている人も多いのではないだろうか。新型カメラのスペックを見てみると、RAW+JPEGの超高速連写や4K/120P動画記録、8K動画の長時間記録など、これまでの記録メディアではトラブルを起こしそうな機能が満載だ。

CFexpress Type Bカードに対応したカメラは、SDカードとのダブルスロットを備えた機種が多い。使い慣れたSDカードを使いたくなるが、CFexpressカードをメインにして、SDカードは予備と考えたほうが安全。CFexpressType BカードとSDカードでは4倍近い速度差がある。

SDカードのみに対応した最新カメラはUHS-IIに対応したカメラがほとんどなので、高速なUHS-II SDカードを選ぼう。本格的な動画撮影も楽しみたいならV90カードがおすすめだ。写真撮影や4K動画撮影ならV60カードでも対応できるが、ハイビットレート記録やスローモーション撮影など、特殊なことをするとトラブルが起きやすい。また、安心感のある記録メディアを選ぶことも重要だ。

進化を続ける超高速記録メディア CFexpress Type B カード

ハイアマチュアモデル以上のカメラに採用が進むCFexpress Type Bカード。CF (コンパクトフラッシュ) の進化版で、XQDカードと同じサイズ。高速性能はSDカードよりはるかに優れている。

最新メモリーカード

動画記録に強いVPG400規格

動画撮影重視ならVPG400 (ビデオパフォーマンスギャランティー400) マークに注目。VPG400 は対応カメラで400MB/sの連続書き込みができる証だ。

最新メモリーカード

対応カメラ

RAW+JPEGによる高速連写や高精細動画記録ができる最新カメラでCFexpress Type Bカードの採用が進んでいる。SDカードとのダブルスロットを備えている機種が多く、ここぞという撮影ではType Bカードを使いたい。

森脇チョイス! 超高速 CFexpress Type Bカード

■ネクストレージ NX-B1PRO CFexpress Type B

pSLCメモリーを採用した高速タイプでVPG400にも対応。最低継続書き込み速度は1800MB/s。165GB~1330GB を展開。参考価格 148,990円 (1330GB)。

ネクストレージ NX-B1PRO CFexpress Type B
最大読み出し速度 1950MB/s、最大書き込み速度 1900MB/s

■プログレードデジタル CFexpress 2.0 Type B COBALT

いち早くpSLCタイプを採用した高速メディア。最大650GBの適度な容量とキャッシュメモリーのバランスが良く、安定したカードだ。参考価格 79,800円 (650GB)。

プログレードデジタル CFexpress 2.0 Type B COBALT
最大読み出し速度 1700MB/s、最大書き込み速度 1500MB/s

■サンイースト ULTIMATE PRO CFexpress Type B pSLC

最大容量は640GBと他社のカードより少し少なめだが、そのぶんカード内のキャッシュメモリーを増やして安定性を重視している。参考価格 104,280円 (640GB)。

サンイースト ULTIMATE PRO CFexpress Type B pSLC
最大読み出し速度 1700MB/s、最大書き込み速度 1500MB/s (160GBのみ1400MB/s)

■サンディスク PRO-CINEMA CFexpress Type B

PRO-CINEMAシリーズの新しいType Bカード。320GBと640GBを用意。キャッシュメモリーを増やした安定モデルだ。参考価格 140,800円 (640GB)。

サンディスク PRO-CINEMA CFexpress Type B
最大読み出し速度 1700MB/s、最大書き込み速度 1500MB/s

CFexpress 4.0 Type Bカードが登場!

■プログレードデジタル CFexpress 4.0 Type B COBALT 1.3TB

次世代のCFexpress 4.0 (PCIe Gen4) 規格の超高速CFexpress Type Bカードが早くも発売された。最低継続書き込み速度は2800MB/sを実現し、現行2.0規格と互換性もある。参考価格 158,200円 (1.3TB)。高速性能を引き出す最新カードリーダーも登場した。

プログレードデジタル CFexpress 4.0 Type B COBALT 1.3TB
最大読み出し速度 3400MB/s、最大書き込み速度 3000MB/s
USB4.0 シングルスロットカードリーダー PG05.6
USB4.0 シングルスロットカードリーダー PG05.6 参考価格 15,900円。

■ネクストレージ CFexpress 4.0 Type B カード

ネクストレージからもCFexpress 4.0規格のカードが開発発表された。8K動画時代を見据えて2024年中の製品化を目指す。

ネクストレージ CFexpress 4.0 Type B カード
開発中の製品イメージ

CFexpress 2.0 & 4.0規格って何?

PCに内蔵されたSSDにも採用されているインターフェース規格 (PCIe)。現在主流のCFexpress 2.0では最大転送速度理論値で2GB/s (2000MB/s)、CFexpress 4.0では4GB/s (4000MB/s) を実現する。

ソニーαシリーズの性能を引き出す CFexpress Type Aカード

ソニーシリーズはSDカードのほか、上位機種ではCFexpress Type Aカードを採用。Type AカードはType Bカードほど速くはないが、UHS-II SDカードの約2.7倍の高速転送が可能だ。

最新メモリーカード

耐久性に優れたTOUGHモデル

CFexpress Type Aカードの構造上の特徴は裏側の端子部。端子の両脇がしっかりガードされていて、耐久性に優れている。ソニーTOUGH シリーズは落下強度、曲げ強度も強い。

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対応カメラ

「α7R V」はCFexpress Type AカードとSDカードに対応したマルチカードスロットを2基搭載し、抜群の機動力を誇る。ただし、すべての撮影機能を使うにはType Aカードが必須。

森脇チョイス! αシリーズに好適なソニー製カード

■ソニー CFexpress Type A CEA-Gシリーズ

VPG400に対応した高速タイプ。当初は80GBと160GBの2種類だったが、320GBと640GBが追加された。耐久性に優れたTOUGHシリーズだ。参考価格 187,000円 (640GB)。

ソニー CFexpress Type A CEA-Gシリーズ
最大読み出し速度 800MB/s、最大書き込み速度 700MB/s

■ソニー CFexpress Type A CEA-Mシリーズ

動画ユーザーの声に応えた大容量モデル。VPG200に対応し、4K動画の長時間記録に適している。1920GBモデルは世界最大容量。参考価格 286,000円 (1920GB)。

ソニー CFexpress Type A CEA-Mシリーズ
最大読み出し速度 800MB/s、最大書き込み速度 700MB/s

高速で動画撮影も快適 UHS-II SDカード

デジタルカメラ定番のSDカード。最新カメラは高速転送が可能なUHS-IIタイプが主流。ダブルスロットのカメラも増えているので、写真と動画の記録を分けておくと便利だ。

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動画撮影にはV90&V60カードを選ぼう

ビデオスピードクラスV90なら90MB/s、V60なら60MB/s、V30なら30MB/sの最低書き込み速度を保証する。高画質な動画撮影を楽しみたいならV60以上のSDカードがおすすめ。

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対応カメラ

スナップに使いやすい小型のミラーレスカメラには、まだまだSDカードを採用した機種が多い。連写や動画性能は確実に上がっているので、記録メディアは高速・大容量タイプを選ぼう。

森脇チョイス! 安心感のあるSDカード

■ネクストレージ NX-F2PRO シリーズ SDXC UHS-II V90

高速連写や4K/8K動画を安心して記録できるpSLCタイプのV90バージョン。64GB、128GB、256GBをラインアップ。参考価格 31,290円 (256GB)。

ネクストレージ NX-F2PRO シリーズ SDXC UHS-II V90
最大読み出し速度 300MB/s、最大書き込み速度 299MB/s

■ネクストレージ NX-F2SE シリーズ SDXC UHS-II V60

風景やスナップ撮影におすすめの大容量モデル。V60の性能を生かした4K動画の長時間記録に適している。128GB、256GB、512GBを用意。参考価格 19,890円 (512GB)。

ネクストレージ NX-F2SE シリーズ SDXC UHS-II V60
最大読み出し速度 280MB/s、最大書き込み速度 170MB/s (128GBは100MB/s)

■サンディスク Extreme PRO SDHC/SDXC UHS-II V90

信頼性の高いExtreme PROシリーズのUHS-II SDカード。V90に対応し、4K/8K動画撮影が快適。32GB~256GBの4モデルを展開。参考価格 45,560円 (256GB)。

サンディスク Extreme PRO SDHC/SDXC UHS-II V90
最大読み出し速度 300MB/s、最大書き込み速度 260MB/s

■サンディスク Extreme PRO SDXC UHS-II V60

4K/6K 動画撮影をより長時間行なえる大容量モデル。64GBから1TBまで5種類がある。参考価格 129,800円 (1TB)。

サンディスク Extreme PRO SDXC UHS-II V60
最大読み出し速度 280MB/s、最大書き込み速度 150MB/s(128GB以下は100MB/s)

話題の「ニコン Z f」はSD&microSDに対応

ニコンのフイルム一眼レフ「FM2」にインスパイアされたデザインの「Z f」は動画性能も優秀。UHS-II対応のSDカードスロットとUHS-I対応のmicroSDカードスロットを持つ。できれば高速なUHS-II SDカードを使いたい。

「TLC」「pSLC」って何? メモリータイプにも注目

記録メディア選びのポイントとして、メモリータイプにも注目しよう。公表していないメーカーもあるが、現在ではTLCとpSLCが主流で、大容量タイプならTLC、高速・高耐久で選ぶならpSLCがおすすめだ。

せっかく最新カメラを購入するなら、記録メディアにもこだわりたい。

「TLC」と「pSLC」は何が違う?

NAND型フラッシュメモリーの種類を表す。TLC (トリプルレベルセル) は1つのセルの中に3ビットデータを記録できるので大容量化が可能。pSLC (スードウシングルレベルセル) はTLCなどを擬似的にSLC (シングルレベルセル) 方式として使用する技術で、容量は約1/3になるが、高速性や耐久性、信頼性がアップする。

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TLCタイプとpSLCタイプのCFexpress Type B カード。大容量モデルはTLCが2TB、pSLCは640GBクラスが主流。pSLCタイプは最大容量が少ないが、超高速連写や高精細動画撮影に適している。

記録メディアを通電しないで放置すると撮影データが消える?

SDカードやその他の記録メディアは通電することで帯電した薄い膜ができ、その膜に画像データが保存される。何年も通電せずに放置すると帯電した膜が消え、撮影データも一緒に消えてしまう可能性がある。記録メディア内に長期間撮影データを保存するのは危険だ。