蔵CURAからハーマンのカラーネガフィルム「Phoenix 200」が発売された。ちまたには映画用フィルムから不思議な発色をするフィルムまで、個性派フィルムが多数そろう。今どきの銀塩写真はフィルムをチョイスして楽しみたい。
- HARMAN Phoenix 200 実写レビュー
- 個性派フィルム6選
味わいのあるフィルムで個性的な写真表現を楽しもう
ほかにも個性的なフィルムがいくつも発売されているので、Phoenix以外に3種類試してみた。最近よく見かけるのが、映画用フィルムをベースにしたフィルムだ。そして、個性派フィルムで有名なロモグラフィーからは、肉眼とはまったく異なる色調に仕上がる、意外性が楽しめるフィルムが発売されている。今回は紫色の写真が撮れるフィルムを使ってみた。
個性派フィルムは、印象的な仕上がりが楽しめるが、気を付けたいのが現像だ。店頭現像は受け付けず、外注扱いになる場合がある。仕上がりに1週間から1か月かかり、特殊現像料金が加算される可能性もある。あらかじめ時間に余裕を持って現像に出すのがおすすめだ。個性派フィルムで新たな写真の表現にチャレンジしてみよう。
藤井チョイス! スナップが楽しくなる個性派フィルム
蔵CURAセレクション CineStill 400D
「Cine (シネ)」の名のとおり、映画用フィルムをベースにしている。感度はISO400だが、ISO200~800で使用可能。ISO3200まで増感できる。製品名の最後の「D」は昼光用 (デイライト) の意味だ。
映画用フィルムらしい柔らかな再現
通常のカラーネガフィルムに近い、自然な色調。しかし派手さがなく、わずかに柔らかいところが映画用フィルムを感じさせる。高感度ながら粒子も細かく、スナップ、ポートレート、風景など、さまざまな被写体で活躍しそうだ。
ロモグラフィー 2021 LomoChrome Purple Pétillant
世にも不思議な紫色に写るフィルム。具体的には、緑は紫から青系、黄色はピンク、オレンジもピンク系、赤はやや茶色、青はシアン系の色になる。感度はISO100~400で使用する。
紫色に染まった不思議な色再現が面白い
どことなく赤外カラー写真を思わせる。緑の木々の葉が紫になり、元がどんな色だったかわからないほど個性的な仕上がりだ。しかし手前の赤い花は、赤いままなのが不思議。ロモグラフィーらしい独特の世界が楽しめる。
ORWO WOLFEN NC500
ORWO (オルヴォ) はドイツ製フィルム。映画「愛と哀しみの果て」で使用されたアグファフィルムを元に作られている。NC500とあるが、感度はISO400だ。彩度が低く、粒子が目立つのが特徴。
映画のワンシーンのように仕上がる
初冬の強い光が当たっているが、まるで色あせたように彩度が低い。コントラストもやや低め。粒子が粗く、ザラついた仕上がりもこのフィルムの個性だ。スナップや都市風景などで、映画のワンシーンのような写真を撮りたい。
まだまだある! 撮って面白いおすすめフィルム
ロモグラフィー LomoChrome Color ’92
1990年代のノスタルジーを感じさせる粒子を持つフィルム。青と赤が鮮やかに発色し、レトロな雰囲気を持つ独特の仕上がりが楽しめる。感度はISO400。ドラマチックなシーンを狙いたい。
マリックスフィルム MARIX Color movie NegaFilm
映画用フィルムの「コダック VISION3」を写真用フィルムにしたカラーネガフィルム。映画らしい奥行き感のある表現に使ってみたい。感度はISO400。ただしDXコードは非対応。
蔵CURAセレクション CineStill 800T
「T」はタングステンの意味。タングステン光用の映画フィルムがベースになっている。日中に撮影すると青い写真が撮れる。ISO800と高感度なので室内や夜の撮影にも向く。
フィルムをデータ化して楽しみ方は自由自在!
ネガ画像をRAW現像ソフトで反転
ネガを複写したら、パソコンでポジ反転する。SILKYPIX Developer Studio Pro 11」のネガフィルム反転ツールを使えば、手軽に反転が可能。反転後は明るさや色調を調整して好みの仕上がりに追い込もう。
デジタルカメラでネガを複写
かつてはスキャナーでデータ化が一般的だったが、現在はカメラでネガの複写も行なえる。ニコンの「フィルムデジタイズアダプター ES-2」や「Camflix フィルムデジタイズアダプター」などで可能だ。
現像と同時にお店でデジタル化
フィルム写真のデータ化で、最も手軽なのがお店で現像時にデータ化してもらう方法だ。200~300万画素にデータ化され、スマートフォンに転送やダウンロード、もしくはCDに焼いてもらえる。