特集

撮った写真を言語化する。これが写真技術向上の近道だと最近気づきました。byゆ~とび

Creater’s Hint Vol.1 ゆ~とびさん

大好きな写真を表現するのに自分にぴったりなのがYouTubeだったと語る、写真愛好家・YouTuberのゆ~とびさん。写真好きの若者を中心に人気が広がり、YouTubeチャンネル登録者数は14万人超。そんなゆ~とびさんが写真に触れたきっかけから、試行錯誤、写真に対する想いを紐解くことで、写真という共通項の中に必ず写真活動へのヒントが見つかるはず。

野鳥のおっちゃんと父親のカメラ

── ゆ~とびさんが写真を始めたきっかけを教えてください

小学生のころ、実家が山のふもとにあったので、よく家族で山歩きをしていました。アウトドアも好きで、いろんなところに連れて行ってもらってました。山歩きをしてると、いつも同じところにバードウォッチングや野鳥撮影をしてるおっちゃんたちがいてて。最初は「あんな鳥いるんや」みたいに喋ってるだけだったんですけど、そのうち「写真撮ってみるか?」みたいな感じで、両親も同意のうえで、おっちゃんのデジスコ(デジタルカメラ+フィールドスコープ)を使わせてもらって、野鳥撮影をするようになりました。

小さいころから野鳥だけでなく、カエルとか両生類とかも好きで、とにかく動物が好きで、絶滅危惧種の図鑑とか読んで、将来の夢は生物学者とか言ってましたね。なので、野鳥撮影にもすごく興味を持ったんです。小学3年生くらいかなぁ。放課後は毎日のように山に行って、そのおっちゃんとがっつり三脚構えて野鳥を撮ってました。日が暮れるまで(笑)。珍しい野鳥をどう撮ればキレイに撮れるのかとか、野鳥がこっち向いてたらこう撮ったほうがいいとか、いわゆる3分割構図ですね。野鳥が顔を向けている方向の空間を空けて撮るとか、結構専門的なことを教えてくれました。「目にはアイキャッチが入るように撮ったほうがええねんで」みたいな。

あとは、家に一眼レフカメラがあったのも影響は大きいと思います。父親もカメラに興味があって。山歩きしてたときも父親のカメラを借りて、道に生えてるキノコを撮ってみたり、花をマクロで撮影してみたり。小学校卒業するまでは、ずっと写真撮ってた記憶があります。

中学生、高校生になると部活を始めたりして、写真にはあまり触れてなかったです。ただ、中学の修学旅行の写真係をやったりとかはしてました。高校生のときはもうまったくやってなかったです。で、大学生になって、友達と一緒にドライブしたりとか旅行したりしたときに写真を撮ろうと思い始めました。そのころ父親が使っていたのはPENTAXの「K-5 Ⅱs」でした。

今度はそれを借りて撮ろうとしたら、シャッタースピード? ISO感度? なんじゃこれ? ってなって(笑)。小学生のころおっちゃんに教わった知識が無くなってたんですよ、そのころには。明るすぎて白飛びするし、暗かったら真っ黒にしか写らへんしみたいな状況でものすごい四苦八苦して。ただなんかキレイな写真が撮れたらやっぱり面白かったんですね。そこからまたがっつり一眼レフカメラの楽しさに触れて、ひたすらのめり込み続けて今に至るって感じです。

クリエイティブ的なことはずっと好き

── ゆ~とびさんが、写真を好きな理由とは?

まずは写真の持つ芸術的な部分が好き。数学で答えがあるものを考えるよりは、答えがないものを追求するほうが好きなんです。小さいころから絵を描くのも好きで得意やった。なんか作るのが好き&得意で、図画工作の成績も10とってました。写真も撮り方とかいろいろ考えて、キレイに撮るっていうのが好きで、かつ得意になったので、好きなことが得意っていうのは続けられた要因だなと思います。

あとは元々アウトドアとか自然の風景とかの中にいることが好きなので、風景写真を撮る=そういう場所にいられるし、そこで写真を撮ってる時間も好きです。で、かつそれがちゃんと写真という成果物になって、芸術的なクリエイティブに繋がってるのもすごい楽しいですよね。

YouTubeを始めてからになると、やっぱり視聴者さんとかの写真を見てくれる人の反応がうれしいですね。「キレイな写真ですね」とか、「ゆ~とびさんが撮ったらなんでこんなにキレイなんだ」とかプラスのコメントがもらえたら、やっぱり嬉しいし、もっと撮りたいなって思う。

育ててくれた視聴者さんへの感謝

── ゆ~とびさんにとっての写真とYouTubeの関係

僕がYouTubeを始めたきっかけは、ヒカキンさんとかはじめしゃちょーとか、東海オンエアとか、いわゆる今のYouTubeを作った人たちの動画が大好きで。大学生のころはただのイチ視聴者で、ずーっともう1日何時間も見てました。自分でもやってみたくなって、当時、YouTuberらしい早いテンポで気軽に楽しめる写真系のコンテンツがなかったので、じゃあ自分で作っちゃえばいいやん!と思い始めました。当時の市場分析じゃないですけど、いわゆる ポップでテンポの良い写真系のチャンネルがあれば確実にヒットするっていう自信があったんです。

今でも写真系のチャンネルで、あんまり写真が動画に出てこなくて、機材の話が中心の動画も結構あります。でもゆ~とびチャンネルでは、撮影した写真をずっと出した状態で僕が喋り続けるシーンも結構長いんですけど、視聴者の皆さんからも撮影した写真を見たいという声が多くて。で、その写真を撮るにはこんなふうにしてますというのをどう見せるか考えて工夫して作っています。キレイな写真を見せたいし、それを面白おかしく笑っても見てもらいたいんです。

じつは写真系のこのゆ~とびチャンネルやる前に、普通のYouTubeっぽいチャンネルも一瞬だけやったことがあるんです。梅田でわらしべ長者やってみるとか(笑)。でもなんか続かなかったんです。多分それってほんまにやりたいことじゃなかったんですね。自分は風景写真を撮りたい、それがとにかくまずやりたいしい、それを発信できる場としてYouTubeがあって、そこがうまく噛み合ったので 仕事にすることができたんじゃないかって思ってます。

ヒカキンさんやはじめしゃちょーに憧れたように、自分も人気者になりたいとか、自分を見てほしいみたいなマインドは強かったと思います。学生時代も文化祭のステージで漫才をやってみたり、体育祭で団長やったりして、笑ってもらったりとか喜んでもらえるのがとにかく好きみたいな、人前に立つことが大好きでしたね。会社員になってそのまま人生過ごすのも絶対にイヤやなって思ってた時期もあったんですけど、いろいろ人生に悩んでYouTubeを始めて、人気が出てきて視聴者さんも増えて。

もうこれが理想の形態すぎるというか。視聴者さんには感謝の気持ちしかないです。僕を現在の状況に押し上げてくれたのは完全に視聴者さんなんです。僕がゆ~とびチャンネルという苗を植えましたけど、5年かけてゆ~とびという本来存在しなかったものを、みんなでゆ~とびはこういうものだとか、ゆ~とびさんって面白いとか、ゆ~とびさんはキレイな写真撮るとか、 視聴者のみなさんがどんどんゆ~とびという存在を育ててくれたと感じていて、そんな素晴らしい視聴者さんにより素晴らしいものを還元したいと思っています。絶対に満足してもらえる動画を作り続けたいですし、期待をずっと上回り続けたいと思っています。

もちろん僕をPRとかに起用してくださるクライアントさんも本当にありがたいです。ゆ~とびに目をつけてくれて、 案件を投げてださって、それで稼いで食べていけてるってすごいことなんです。それに対してちゃんと結果で返したい気持ちが強くて。だから紹介した商品がちゃんと売れたか気になります。閲覧数とか集客数とかすごい気になって、僕が出来る恩返しじゃないですけど、 そういう気持ちもすごくあります。ゆ~とび、視聴者、クライアントのこの三角形をいかに大きくして、深めて高めていくかっていう意識を強く持って動いてる。視聴者さん的にもこんな面白い製品あるんやって知れたり、案件が絡むことでゆ~とび個人では撮れないような動画が撮れたりもしますしね。それをまた視聴者さんが楽しんで見てもらえる。

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