2024年10月12、13日に開催されたSUPER FORMULA 2024 富士スピードウェイ大会。本大会は、第6戦(12日・土)と第7戦(13日・日)と週末それぞれに決勝が行われる2レース制で開催された。そんなハードなレース日程に挑む「CAPA流し撮りGP」応援ドライバーの佐藤蓮選手(#65 PONOS NAKAJIMA RACING)と三宅淳詞選手(#12 ThreeBond Racing)の走りをチェックすべく、編集部も富士スピードウェイへ。レースだけではなく、「AUTUMN FESTA」と題して様々なイベントが行われていた。
レースの厳しさ難しさを感じた2日間!
2レース制ということで、同じ日に公式予選と決勝が行われる。12日(土)に行われた第6戦。佐藤選手は公式予選を6位で終え、決勝6番手スタート。スタートも決めて一時は4位まで順位を上げるもタイヤ交換後のペースが思うように上がらず7位でチェッカーを受けた。三宅選手は決勝レース14番手スタート。そのまま14位でチェッカーとなった。前回の取材でもマシンの調子を上げられていないと話していたが、苦しいなかでも手応えを感じたレースとなったようだ。
13日(日)に行われた第7戦。佐藤選手は5番手スタートと好調をキープ。表彰台への期待がかかる。レース序盤はどんどん前のマシンに追いつく姿も見みられ、何度もセーフティーカーが入る荒れたレースとなったが惜しくも4番手でチェッカーを受けた。ただし、ピットアウト直後の牧野選手との接触があったことで10秒のタイム加算ペナルティが。またレース後に車両規則違反が見つかり、レース失格となってしまった。三宅選手は16番手スタート。オープニングラップでは13番手に順位を上げたが、2週目にダンロップコーナーで追突されスピン。レースに復帰することはできずリタイアとなった。
決勝レース終了後に行われるミックスゾーンでの両選手からコメントを紹介しよう。
佐藤選手:(第6戦)予選のQ1は2番手タイムと悪くなかったのですが、Q2のコンディション変化に合わせ切れず6番手という結果でした。決勝は思っていたようなペースで走れなかったので非常に残念です。4位まで上がってその後もあのペースで走ることが出来ればいいところまで行けたと思うのですが、レースペースが課題でした。山本選手と比べると序盤が早くて後半が遅かったので。(第7戦)決勝に向けては昨日から大幅にマシンのセットアップも変更して、調子良かった64号車も参考にしながら組み立てていきました。それがマシンとしてはうまくハマって、レース序盤はペースが非常に良くてトップ集団の争いにも入ることが出来ていたので、今シーズンの中では一番いいレースができていたと思います。最終的な結果は非常に残念ですが、ここまで積み上げてきたものを活かして、最終戦に向けて戦っていけたらと思います。
三宅選手:(第6戦)結果は全然良くはないんですが、これまでよりトップとのタイム差は縮まっていますし、ようやくライバルたちと同じスタートラインに立つことができたと思います。少し攻めたセッティングもしてみて、ペースは上がらなかったですが、方向性は少し見えて、改善したい部分も見えたと思います。(第7戦)追突されたことに関しては、仕方がないと思います。あの順位じゃなくてもっとぶっちぎってればそんなことも起こらないですし。予選もQ1で敗退しているので、決してパフォーマンスが高かったわけではないですけど、トップとのタイム差は確実に縮まっているので、今までやってきたことは間違いじゃなかったのかなと。良くなっているのはチームとしても前向きなポイントだと思うので、結果以上に得られたものは多かったと思います。
佐藤選手、三宅選手のマシンを撮影できるチャンスは残すところ4レースとなった。スーパーフォーミュラは11月9日、10日に三重県・鈴鹿サーキットにて第8戦・第9戦(最終戦)が行われる。2人はスーパーGTにも参戦しており、11月2日、3日に栃木県・モビリティリゾートもてぎで行われる第8戦(最終戦)と、台風で延期開催となった第5戦が、12月7日、8日に三重県・鈴鹿サーキットで開催される。ぜひ2人のマシンを撮影して流し撮りGPに応募してほしい。
>>CAPA流し撮りGP2024の応募要領はこちら
マッチこと近藤真彦会長もドライビング!
スーパーフォーミュラはレースだけではなく、観戦客が参加できたり、親子でも楽しめるような様々なイベントが実施される。今回は「AUTUMN FESTA」と題し、ホームストレート上で綱引きが行われたり、ティラノザウルスの着ぐるみを着ての徒競走が行われるなど、SF大運動会も開催された。また、株式会社日本レースプロモーション取締役会長も務めるKONDO RACING近藤真彦監督が、SF23開発車両「赤寅」に乗り込みデモランを披露するイベントも。今年還暦を迎えた近藤会長が乗り込んだマシンには「60」のゼッケンが。
『フォトサポ』トークステージやスープラコーナーには貸し出しブースも
モタスポ写真ファンの間でおなじみとなってきた「写真を撮ること」で応援する「推し活」を推進する『フォトサポ』も、ステージでのトークショー『「フォトサポ」カメラ女子が学ぶ講座』や、最新機材が試せるブースを展開。今回はイベント広場ではなく、スープラコーナーのコースサイドにブースを設置して「利きカメラ」を実施。NikonのボディZ9、Z8、Z6III、Zf、Z50、レンズはNIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S、NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VRなどの貸し出しが行われた。対応するメモリーカードを持って入れば借りることができ、目の前がコースなので借りてすぐに撮って楽しむことができる。アンバサダーの後藤佑紀さんもブースに立ち寄り、参加者と一緒にマシン撮影を楽しんでいた。
12日(土)のトークショーには、今回もCAPA「流し撮りGP」審査委員長としてもおなじみのJRPA会長・小林稔カメラマンが登壇。フォトサポアンバサダーの後藤佑紀さんと、スーパーフォーミュラの中継アナウンサー笹川裕昭さんも参加してトークが行われた。
なんと笹川さんはニコンのカメラを使用して20年。今もZ9を愛用しているという。次戦以降のフォトサポアンバサダーに名乗りを上げる笹川さん。後藤さんに強力なライバル出現に対し小林カメラマンは「レースもそうですけど、腕を上げるのにライバルがいるのは大切ですよね。ぜひ競ってください」と盛り上げた。
この日は、9月末に行われたスーパーフォーミュラ開発テストで実施されたフォトサポの「公式カメラマンと巡るサーキット撮影ツアー」のときに後藤さんが撮影した写真を見ながらトークが繰り広げられた。メディア用のコースサイドからの撮影が体験できたこの企画で後藤さんが狙ったのは、ダンロップコーナー侵入でのブレーキディスクが熱で赤くなる瞬間。この写真に小林カメラマンは「念願の写真がしっかり撮れてる。皆さん拍手ですよ。ここは一気にマシンのスピードが落ちるので、撮り方も難しいんです。ブレーキが赤く撮れればいいというわけではなくて、主役はドライバーだから、ヘルメットにピントが来てしっかり止まってる写真を撮ってほしい。最近、厳しく指導しています」と、カメラマンを目指す後藤さんには、本格的に指導をするようになったとか。「趣味で楽しんでいるなら上手くとれたねーでいいんだけど、カメラマンを目指すと聞いて僕もスイッチが入って、もう甘いことは言わないようにしようと思っています」また、「写真は楽しく撮るのが大切。でも上手く撮れなかったときの悔しさも大事で、楽しいと悔しいの両方の気持ちで撮っていくと、長続きするしどんどん写真も上手くなっていくと思うんです」と教えてくれた。
別の後藤さんの写真について、笹川さんから「写真のいいところで、写真って静止画なんだけど動きがあったり、迫力のあるテーマなんだけどそこにこう静かさが生まれたりとか、そういうのを撮影して表現したいんですよ。それができているのきのちゃん(後藤さん)さすがです」と写真好きで実際に撮っている方ならではのコメントも。
そして「じつは開発テストのとき、オフィシャルのカメラマンは僕しかいなくて、近藤会長が「赤寅」をドライブするときに、僕はサイドから撮るから、後藤さんにスタートシーンの撮影をお願いしたんです。それをしっかり撮ってくれて、実はメディアの方が公式写真をダウンロードできるサイトに載ってるんですよね」という秘話も明かしてくれた小林カメラマン。このときの感想を後藤さんは「めちゃくちゃプレッシャーがかかってたんで、これ撮り逃したら終わりだと思って、お話をいただいたときからどこでカメラを構えたらいいかとか、いろんな人に聞いたり考えて撮りました」と内心ヒヤヒヤだった状況を語ってくれた。
毎回実際に作例を見ながらオフィシャルカメラマンのアドバイスが聞けたり、リアルなプロのモータースポーツ撮影現場エピソード知ることが出来る、モタスポ写真好きにとっては今回も貴重なステージとなっていました。
13日(日)にもステージが行われ、この日はJRPA事務局長の大西靖カメラマンが登壇。後藤さんと笹川さんが撮った写真をスクリーンに投影しながら、どの写真が後藤さんの写真なのかを会場の方の挙手で当ててもらう企画が行われた。笹川さんもカメラ歴20年以上ということでかなりの腕前で、後藤さんのファンでもなかなか見分けられないシーンもありました。
ーーフォトサポアンバサダーの後藤佑紀さんに2日間の感想を聞いた。
「今回はスープラコーナーにフォトサポブースを設置し今までのツアーとは少し違い、手軽にマシン撮りを楽しんでいただけたと思います。ボディやレンズもたくさんの種類があり、ブースがすいている時間帯は色々な機材を試している皆さんの姿が見受けられ、まさに効きカメラでしたね。
今回の『フォトサポ カメラ女子が学ぶ講座』では笹川アナにもご登壇いただき、Nikon愛を存分に語っていただきました。二日間を通してフォトサポブースにもお越しいただき、お互いの撮った写真をクイズ形式で皆さんに見ていただくというコーナーも大盛り上がりでした! 強力なライバルが出現しましたが、カメラマンを目指して小林会長・大西カメラマンにご指導をいただいている身としては絶対に負けられない戦いです!!
シーズン前半はエンジョイカメラでたくさん褒めていただいていたのですが、最近ではカメラマンになるための本格的なご指導に移行して『もっと良い撮り方があったなー』とか『いい感じなのにピントが、、、』なんて悔しい思いをすることも多々ありますが、やっぱり何事も難しいほうが楽しいので(笑)、これからもビシバシご指導をいただいてもっとかっこいい写真が撮れるように頑張りたいと思います!」
後藤さんが撮影した写真はコチラから見ることができます。
アフターグリッドパーティも開催!
そして8月に行われた夏の富士大会に続いて、今回も13日(日)の決勝レース終了後、ホームストレート上で「アフターグリッドパーティ」が開催された。ホームストレートにはキッチンカーも登場しチケットを購入した参加者は飲食もできる。一部のレースアンバサダーやレースを終えたドライバーもファンとの交流を楽しんでいた。ステージでは決勝TOP3選手によるドライバートークショーのほか、サックス奏者・小林香織さんのジャズライブも行われた。小林香織さんはこの日、決勝スタートセレモニーの国歌演奏の大役も果たした。ご存知の方も多いと思うが小林香織さんは小林稔カメラマンの娘さん。編集部は愛娘が演奏する姿を撮影する小林カメラマンもしっかり撮影しました。
番外編
恒例となりつつあるこのコーナー。チームをPRし、レースを一緒に盛り上げてくれるレースアンバサダーたちの写真を一挙に掲載します。