ソニーの持つ可能性に今後期待したいことは
菅原 今回受賞した2製品は、従来のミラーレス一眼の先を行く先進性能を備えていますが、先日「α7R VI」が発表され、とどまるところ知らずといった勢いです。技術を出し惜しみせず、新しいことを盛り込んでいくというのは素晴らしい。表現の道具としてさらに磨きをかけていってください。
そして、ここまで被写体認識性能が高まると、アマチュアや一般の人への貢献度がすごく大きい。撮影技術がなくて撮れなかったものが撮れるようになる。野鳥、動物、飛行機といった、諦めていたものに全部連写でピントが合うじゃないですか。これは撮れたときの感動がすごい。そんな体験ができるのも、この機材があるからこそです。
町谷 社内でも “これまで撮れなかったものが撮れるカメラ” と全員で言って開発をしています。コンセプトは “偶然じゃなく必然”。不可能が当たり前に撮れてしまう。「α7 V」は機能を詰め込みすぎじゃないかとも言われますが、ベーシック機にこれだけの機能があるからこそ、どなたでもいい写真が撮れる。それによって写真の楽しさ、レンズ交換式カメラの良さを知って、さらに楽しんでいただきたいんです。
菅原 アマチュアが良い写真を撮れると、プロの領域が脅かされそうですが、カメラの進化をプロが悲観することはない。自分が望むシーンを確実に撮れる安心感は、その先にある作品性の追求に意識を向けることにつながります。プロ・アマを超えて、新しい表現の可能性を広げるシステムがさらに進化していくことを期待します。

αシステムを通して「感動体験」をユーザーに届けたい
菅原 最後に、今後どのような価値、そして撮影体験をユーザーの方々に届けていきたいかをお聞かせください。
岸 今、ユーザーの使い方が非常に多様化しています。皆さん、多彩なレンズを付けて楽しんでいますし、動画と静止画の境目もなくなっている。さらに写真を共有する場もずっと広がっている。普通に写真を撮るのは当たり前で、いかに人と違う写真や、自分らしい表現をするかといった、さまざまな新しい楽しみ方をしています。われわれも、そういう方たちがさらに写真を撮ったり、どんどん投稿したりして楽しめる世界、自分がいろいろな表現ができる世界を作っていきたいです。
そして撮れた写真自体の楽しさもありますが、やはり撮影という行為自体が楽しい商品は強い。そこに一番の喜びがあって、大事にしたい。今後も最高の技術を開発して、生み出された技術を使って、より多くの方にカメラを楽しんでいただきたいですね。
町谷 私も、撮影体験とかユーザーの求めるものが多種多様になっているなと感じていて、その中で映像の楽しみ方もいろいろ変わってきている。アウトプットすることも大切で、それにより撮影の技術や表現がうまくなっていく。そうした自分自身の成長も楽しんでいただけるのではと思います。それを後押しできるような技術やカメラ商品というのを、われわれは引き続き提供していきたいと思います。

〈協力〉ソニーマーケティング株式会社
〈取材〉CAPA編集部
〈取材撮影〉高原マサキ