
CAPAのモータースポーツフォトコンテスト「流し撮りGP 2026」第2戦の結果を発表します。
作画意図を持ってシャッターを切ってほしい
開幕戦に続き、第2戦も年間チャンピオン経験者が1位を獲得しました。コンテストの上位入賞者に共通することは、高い撮影技術だけでなく、常に作品の訴求ポイント (狙い) や仕上がりイメージを考え続けて撮影していること、作品に仕上げていく構成力 (映像的想像力) が高いことだと感じます。「こんな写真を撮るんだ!」と考えて、念じて、トライした結果が上位入賞の原動力になっているように思います。ファインダーに映るマシンをただただ撮影するのではなく「作画意図を持って」シャッターを切る。そんな気持ちを心がけてサーキットに向かってください。
〈流し撮りGP審査委員長〉小林 稔 (日本レース写真家協会 [JRPA] 会長)
GP1位「Chase」細野 勉 (2022シリーズチャンピオン)

作者コメント
独走状態に入った水野選手と、今シーズン引退を表明した中須賀選手を、逆光に輝くコースの上でドラマチックにまとめました。SPアウトコーナーのこの光が撮りたくてSUGOまで遠征したので、行った甲斐がありました。
小林 稔 審査委員長の講評
2台のマシンが描き出す絶妙の映像的バランスが凄い。左コーナーを立ち上がる中須賀選手 (手前) と、右コーナーにアプローチする水野選手 (前方)。2台の位置、サイズ、露出、前後関係 (フォーカスとボケ)、そして傾き加減! 測って合わせたかのような角度で相似する2台の姿が、それぞれのドラマを映像的に語りかけてきます。傾けながら曲がる・走るというバイクの基本が、1枚の写真上に結実した作品 (バイクでないと成立しない)。予測はしていても、なかなか撮れない写真。でも「考えていたからこそ、狙っていたからこそ出会えた」1枚。そこを高く評価します。

GP2位「影」鈴木幸男

作者コメント
すり鉢状のコーナーを抜けて行く選手を低い朝日が照らします。明るい斜面に影が伸びるところを狙いました。
小林 稔 審査委員長の講評
光と影のコントラストをストレートに描いた強さが爽快です。低い太陽に照らされた色鮮やかなライダーと、路面上に描き出される長い影。画面左の影も、配色のシンプルさも効果的です。長年バイク撮影に打ち込んでいる作者・鈴木幸男さんの世界観が素直に感じ取れる力作です。
GP3位「Bouncing」本田広大 (ルーキー応募)

作者コメント
オーバーシュートして底面を擦ったときに散った火花がレースの激しさを物語っていて、私が好きな1枚です。
小林 稔 審査委員長の講評
火花というより「火の粉」のような細かスパークが目を引きます。狙い通りに視線はそこに集中するのですが、排気熱の陽炎に揺れる先行マシンのボケ像がレース中であることを程よく感じさせてくれて、単独の火花写真にはない「レースの活気がある」写真になっています。手前側縁石の前ボケ効果も成功しています。
GP4位「It’s too rain.」堀田拓哉 (ルーキー応募)

作者コメント
レインライトが点滅し雨が強かったため、赤い反射がきれいに路面に写った1枚です。それにしては、降りすぎちゃいましたね。
小林 稔 審査委員長の講評
SC (セイフティ・カー) 先導によるスロー走行中の隊列でしょうか、再スタート直前の「静かな緊張」を感じます。マシンの配置、路面の表情、帯を引く赤い光。バトル前の駆け引きが聞こえてきそうな写真です。
GP5位「三つ巴」小林祥真

作者コメント
ダンロップコーナーはブレーキング勝負となるため、複数台が接近する場面を多く見ることができます。密集したまま駆け上がる瞬間を何周も待って撮影しました。ファインダー越しの接近戦は撮影していて冷や冷やしますが、とても興奮します。
小林 稔 審査委員長の講評
後方車両がブレなくクリアに描かれ (主役)、先行する2台をややブレさせて描写する (脇役)。3台バトルを「追いかける側視点の流し撮り」に仕上げたことが成功しました。バトルそのものを客観的に実況描写するには、高速シャッターで3台集団をひとつの塊として瞬間固定するのがセオリーです。本作は、1/30秒というシャッター速度選択がバトル写真の中での「主役選択」を実現している好例といえます。
GP6位「革命の狼煙」出渕武丸 (ルーキー応募)

作者コメント
とにかくドリフトの迫力をどうやって伝えようかと考えました。画角いっぱいになるように、ひたすら後輪を狙い続けた末に撮れた1枚です。
小林 稔 審査委員長の講評
ホイルスピンの白煙に集中してD1を表現する。この大胆な割り切りが成功しています。撮影現場では、横走りのドリフト描写にカメラを向けるのが自然ですが、「迫力訴求」を熟考集中した結果の「革命の狼煙」は、とてもインパクトがあり新鮮です。作者 (20歳) のフレッシュな挑戦を大いに評価したいです!
GP7位「START」上田浩司 (ルーキー応募)

作者コメント
スタート直後の混戦をコカ・コーラコーナーで狙って撮影。
小林 稔 審査委員長の講評
接近戦の緊張感、いよいよ始まるバトルの期待感など、密集状態で疾走するオープニングラップの魅力がいっぱい詰まった良作です。密集感を際立てるフレーミングもばっちり (マシン群の拡がり具合が最高!)。トップからの順光に照らされた色彩の華やかさも、オープニングらしくてワクワクします。
GP8位「Victory Raise」山上一彰

作者コメント
前日の開幕戦に続き、第2戦でポールトゥウィンを飾った太田格之進選手。ウイニングラップで、シーズン制覇を目指す覚悟を示す拳をコースサイドのファンに突き上げたシーンです。チェッカー直後の少し汚れた純白のマシンをアップでおさめました。
小林 稔 審査委員長の講評
縦位置のはみ出しフレーミングが新鮮です。大胆な構図と太田選手のポーズがとてもマッチしていて、「ドライバーズポートレート」に仕上がっているのがいい。ゆっくり目に走るウィングランとはいえ、良い瞬間を良い構図で、正確に流し撮りできている技術面も評価できます。
■流し撮りGP 2026 年間ランキング
流し撮りGP 2026 第2戦 予選通過作品
予選通過「闇に浮かぶ」野中翔平

作者コメント
露出をアンダーめに撮影して、前車のレインライトでマシンの姿が浮かび上がるタイミングを狙い撮影しました。
予選通過「前へ」麻生涼馬 (ルーキー応募)

作者コメント
TGRコーナーでの、100号車と64号車のバトルを切り取りました。シャッタースピードを遅くし、バトルに疾走感を加えました。
予選通過「Spark!」鈴木京一 (ルーキー応募)

作者コメント
コカ・コーラコーナーのコーナリングです。火花バチバチ! 迫力満点でした!
予選通過「コーナリング」近藤俊英 (ルーキー応募)

作者コメント
逆バンクの高速コーナリングを表現しました。背景が暗めの日陰になり、マシンとヘルメットを際立出せることができました。
予選通過「赤の共演」渡辺将人 (ルーキー応募)

作者コメント
幻となってしまった2026年スーパーフォーミュラ第3戦オートポリスの決勝レース。時間を追うごとに雨がひどくなるのは分かりきっていたなか、セイフティカー先導で目の前を通り抜けたSF23マシンたちが、悲しげに赤くテールライトを点滅させる姿です。直後に赤旗が掲示され、この1周だけで終わってしまった。そんな赤の共演を、滝のような雨に打たれながら最終コーナーから見届けました。
予選通過「Road to V6」中谷 洋

作者コメント
全日本ロードレース選手権J-GP3クラスを5連覇している尾野選手が2026年の開幕戦も優勝し、6連覇に向けて好発進を切りました。その時のウィニングランの様子を撮影しました。今年から新しくなったイエローのグローブとブーツを高々と上げて観客を煽る姿は、まさにエンターテイナーでした。春の暖かい光線に包まれた最高の撮影条件で、思い通りの1枚を撮ることができました。
予選通過「赤橙」工藤 恭 (ルーキー応募)

作者コメント
ドライバーが「攻めた結果」を撮るために、コカ・コーラコーナーで撮影しました。
予選通過「見つめる先に」船越陽太 (ルーキー応募)

作者コメント
レース終了後のパレードラップです。ホームスタンドに向かっていくマシンの車内に西日が差し込む瞬間を狙い、撮影しました。優勝したスープラ勢とは裏腹に苦戦を強いられたプレリュード勢、勝利への道筋を見つけるために……。
予選通過「集中」堀出明広 (ルーキー応募)

作者コメント
ヘアピンを立ち上がる大湯選手。どアップの迫力ある走りを狙いましたが、500mmレンズでこの撮影距離では近すぎ。一脚撮影ではマシンを追いきれなかったため、ズームレンズに交換して手持ちで撮影した1枚です。
予選通過「夕暮れの凱旋」安藤眞哉 (ルーキー応募)

作者コメント
ウィニングラン中のドライバーが観客に手を振る様子を撮影しました。
予選通過「見据える先」下山裕大

作者コメント
レース終盤になり日が低く沈んできたので、コックピット内のドライバーを狙って撮影しました。3連覇を達成し、2026年も開幕から2連勝で波に乗る36号車が見据える先は……前人未到の「4連覇」。
予選通過「INCUT」渋谷裕貴

作者コメント
ラリー三河湾という名前の通り、海沿いを走る特徴的な1枚を選びました。夕暮れ時の輝く海、車体の反射、ターマック (舗装路) 戦にもかかわらずインカットで派手に上がる土煙。サーキットとは違うラリーらしさを詰め込みました。
予選通過「Stars and Stripes, and Suns」荒目一輝 (ルーキー応募)

作者コメント
星条旗と日の丸のリバリーかっこいいですよね。
予選通過「光のライン」松井章生 (ルーキー応募)

作者コメント
スピードを表現する流し撮りのなかで、あえて「静けさ」を意識しました。極限の動きの中で、ドライバーの集中がもっとも研ぎ澄まされる一瞬。背景を流しながらも、視線が一点に止まるよう背景のトーンを削ぎ落としています。
予選通過「大慌て」森康彦 (ルーキー応募)

作者コメント
F1マシンが走ってきた瞬間に、水浴びをしていた鳥が大慌てで飛んで逃げようとしていたシーン。F1マシンが速く、あやうくバードストライクしそうになった。偶然ではあるものの、F1マシンがいかに速く走っているかが分かる瞬間を撮ることができた。
予選通過「気迫」松本康吉

作者コメント
まれに火花を出すことがあるGR GTコーナー出口です。急遽、今回は「豪華ベテランコンビ」にドライバー変更となったRookie Racing ENEOS X PRIME AMG GT3。午後の陽を浴びながら、気迫の走りで期待どおりの火花を出してくれました。激アツのアタックに鳥肌が立ちました!
予選通過「Reflecting the Sun」西 圭一

作者コメント
もてぎのキレイな夕日の中、疾走するレーシングカー。
予選通過「圧倒的勝利」山本清孝 (ルーキー応募)

作者コメント
富士の夕陽に照らされる勝利者のハンドアップ。そして、激戦を走り切ったドライバーの汗までもが美しく輝く瞬間でした。夕陽が差し込むGR GTコーナーは、富士の中でも特に勝利者のドラマを感じられる場所だと思っています。
CAPA「流し撮りGP 2026」エントリー受付中!
CAPA編集部では、サーキットの写真ファンを応援するフォトコンテスト「流し撮りGP」を開催しています。モータースポーツの流し撮り作品をどしどしご応募ください! 毎戦の1位には賞品をお贈りします。
流し撮りGP 2026 開催日程
第1戦 4月15日締切・5月20日発表
第2戦 5月15日締切・6月20日発表
第3戦 6月15日締切・7月19日発表
第4戦 7月15日締切・8月20日発表
第5戦 8月15日締切・9月20日発表
第6戦 9月15日締切・10月20日発表
第7戦 10月15日締切・11月20日発表
第8戦 11月23日締切・12月20日発表
■発表
「CAPA CAMERA WEB」にて
→ これまでの入賞作品と予選通過作品
流し撮りGP レギュレーション
■応募形態
WEB応募のみ。こちらの応募フォームからご応募ください。
※プリントによる応募はできません。ご注意ください。
■応募点数
1人1戦3点まで。単写真作品のみ (組写真不可)。
■審査委員長
小林 稔 先生 (日本レース写真家協会 [JRPA] 会長)

■1位賞品
Nextorage メモリーカード 64GB
■審査について
流し撮りの迫力や撮影技術などを総合的に審査します。
※背景描写の流れ度合を競うものではありません。
流し撮り=移動する被写体をカメラを振りながら追い写しした写真
高速シャッターの流し撮り (背景描写が流れていない)
低速シャッターの流し撮り (背景描写が大きく流れている)
どちらも「流し撮り」としてその完成度を審査します。
■ポイントについて
毎戦の入賞者にはポイントが与えられます。
(1位=10点、2位=8点、3位=6点、4位=5点、5位=4点、6位=3点、7位=2点、8位=1点、予選通過=1点)
- ルーキー応募者=前年度の入賞ポイントがなかった人が初入賞した場合にはルーキーポイント3点が加算されます。(歴代年間チャンピオン獲得者を除く)
- CAPA応援ドライバーがメインに写っている2026年シーズン作品で入賞すると、ボーナスポイント1点が加算されます。
■撮影場所
入場券が販売されている一般観戦場所から撮影された作品に限ります。
※報道エリア、特別ゲストエリア、レース競技者 (関係者) エリアなど、一般観客が立ち入ることができない特別エリアから撮影した作品は審査の対象としません。一般のチケットを購入して撮影できる場所からの作品をご応募ください。
CAPA「流し撮りGP」は3人のレーシングドライバーを応援しています

佐藤 蓮 (さとう れん) 選手
SUPER FORMULA #64 : PONOS NAKAJIMA RACING
SUPER GT #16 : ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT (Honda HRC PRELUDE-GT)
三宅 淳詞 (みやけ あつし) 選手
SUPER GT #24 : KONDO RACINGリアライズコーポレーションZ (Nissan Z NISMO GT500)
荒 聖治 (あら せいじ) 選手
GT WORLD CHARENGE Asia #5 : PLUS with BMW M Team Studie (BMW M4 GT3 EVO)