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アジア競技大会の裏側に潜入! フォトグラファーを支えるキヤノンの取り組みと最新技術を見てきた

2026年9月19日に開幕した第20回アジア競技大会 (2026 / 愛知・名古屋)。アスリートたちの決定的瞬間を撮影するプロフォトグラファーを支えている、キヤノンプロフェッショナルサービス (CPS) を取材しました。「プロの仕事を止めない」現場の裏側に潜入します。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース

 

アジア競技大会 (通称アジア大会) は、アジア・オリンピック評議会が主催し、4年に一度開催されています。日本での開催は32年ぶりとなり、連日たくさんの競技が10月4日まで続きます。そして、10月18日~24日には愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会も続けて開催。オリンピックをはじめとする国際的なスポーツ大会では、競技の熱戦やその結果を世界中に発信する各国のテレビクルーやさまざまな情報メディア、プロフォトグラファーなどが取材・撮影を行えるよう、ものすごい規模のメディアセンターが設置されます。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース

 

なんと今回は、そのメディアセンター内に設置されたキヤノンプロフェッショナルサービス (CPS) の内側を見ることができました。また、競技会場となっている愛知国際アリーナに設置された「ボリュメトリックビデオ」による最新技術の一端も取材しました。大会の興奮や感動を裏で支える技術を紹介します。

プロの仕事を止めない「ゼロ・ダウンタイム」

名古屋市の金城ふ頭にある「ポートメッセなごや」に開設されたメインプレスセンター。その中に、今大会最大規模の「キヤノンプロサポートブース」が設置されています。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース

 

ここでは、撮影機材のトラブルなどによって歴史的瞬間を逃すことがないよう、プロフォトグラファーの業務を止めない「ゼロ・ダウンタイム」をスローガンに、持ち込まれたカメラ・レンズなどの迅速なメンテナンスサービスをはじめ、修理対応や代替機の無償貸与などを実施。プロフォトグラファーが最高の機材コンディションで撮影に臨めるよう支援しています。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース
CPS受付の様子。取材中もカメラを持ち込むフォトグラファーの姿が。

 

ブースの中におじゃますると、実際に預かったカメラやレンズをメンテナンスしている様子が。国際大会だけあって、日本、韓国、中国、マレーシア、シンガポールの5か国から高い技術力を持った精鋭スタッフが集結しているそうです。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース

 

さらに奥に進むと「調整室」が。カメラやレンズだけでなく、ストロボの発光レベルも調べて調整することができるようになっていました。さらに特筆すべきは、こちらは25mもの奥行きがある長~い部屋で、超望遠レンズの調整も行えるようになっていることです。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース

 

レンズ本体をバラして1枚1枚角度などを調整し、専用のチャートを実際に撮影して精度を上げることができます。床には目盛りがあり、800mmレンズまでの精度調整ができるようになっていました。「何十年と残る歴史的瞬間の写真の解像度を上げる」というこだわりを持って、精度調整に取り組んでいるとのことでした。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース

 

持ち込まれた機材は、メンテンナンスや修理、精度調整を行い、24時間で戻されますが、その間貸し出される代替機材も豊富に用意されています。国際スポーツ大会ということで、ボディは圧倒的に「EOS R1」が多いとのこと。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース

 

また、オリンピックよりも競技数が多く、さまざまな種目に対応できるという理由で、レンズは「RF100-300mm F2.8 L IS USM」が多いということでした。2022年の中国・杭州大会と比べると、持ち込まれるのはほぼミラーレスカメラになったとか。それでもあらゆるプロカメラマンに対応できるよう、一眼レフカメラの代替機、EFマウントレンズも用意されていました。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース

歴史的瞬間の映像を残すために高性能と信頼性でサポート

アジア大会におけるキヤノンのサポート体制や事業戦略について、戸倉剛副社長に聞きました。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース
キヤノン株式会社 副社長執行役員 イメージンググループ管掌 戸倉剛さん。

「1976年のモントリオールオリンピック以降、キヤノンは約半世紀にわたってさまざまな国際スポーツイベントをサポートさせていただいています。製品が高性能であること、高い信頼性があることはもちろん、歴史的瞬間やシーンを映像として残すお手伝いをしています。それに使われる機材がキヤノンであることを広く知っていただきたい。そして、日本で開催されるアジア大会に対しては、より力を込めてしっかり支えていきたいという強い思いがあります」

「CPSの現場では “ゼロ・ダウンタイム” を掲げて、プロフォトグラファーの仕事を止めないよう万全のサポートを行っています。また、将来の業界を担う若手フォトグラファーの教育・育成の場を設けることも非常に重要だと考えています。現場を止めない支援と技術・人材育成の両面から、スポーツ写真の発展を支えていきます」

わずか3秒で3D映像を生成! 遠隔地をつなぐ最新システム

続いて向かったのは、実際に競技が行われている「愛知国際アリーナ」。女子バスケットボールの日本対カザフスタン戦の試合が行われていました。そこで目にしたのは、東京ドームにも採用されて話題となったキヤノンの「ボリュメトリックビデオシステム」。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース

 

ボリュメトリックビデオ技術は、さまざまな角度からカメラで撮影することにより、時間と空間を丸ごと撮影して3Dデータ化する技術です。撮影対象を3Dデータ化し記録することで、一時停止をしたり、好きな位置から見たりすることができる自由視点映像を創り出すことができるものです。

第20回アジア競技大会キヤノン
ボリュメトリックビデオシステムのイメージ (キヤノン提供)

 

このアジア大会における最大の特徴は、撮影現場である愛知国際アリーナと神奈川県・川崎市にあるキヤノンのサーバーをNTTの超高速光ネットワーク「IOWN」で接続し、遠隔地でのリアルタイムな映像生成を可能にしていることです。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース
愛知国際アリーナに設置されたカメラ。

 

「制御室」では、アリーナに設置された99台のカメラが撮影した映像が、ネットワークを経由して川崎に送られ、ボリュメトリックビデオとして生成されて制御室に戻ってきた映像を見せてもらいました。なんとそのタイムラグは3秒です。わずか約3秒で3D映像が作られ、実際にテレビ放送で使用するために、ゴールシーンのみを切り出したり、さまざまな視点で自由に編集することが可能です。通常の中継映像とタイムカウンターを見比べていましたが、これには本当に驚きました。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース

 

この大会で撮影されたボリュメトリックビデオは、会場内のキヤノンブースに設置されたスマホやタブレットで、一般の来場者も楽しめるようになっていました。

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース

 

ボリュメトリックビデオ技術を推進するイメージング事業本部の甲谷事業部長と藤井所長に、スポーツ分野における活用と、将来の展望について聞きました。

「このアジア大会で実施した実証実験で、システムを遠隔で運用できるようになった技術的進歩を見ていただけたと思っています。東京ドームへの導入から数年を経て、パートナーのご協力もあり、ボリュメトリックビデオシステムが出現する場所が自由になりました」

「将来的には、スタジアム以外の場所でも試合を立体的に再現し、観客が自由な視点で観戦を楽しめる世界の実現を目指しています。そうすれば、コンテンツを持っている方が、新たなビジネスを生むことができます。また、3D映像をVRで見ていただくためのスマートグラスなど、視聴デバイスの進化・普及による市場拡大も期待しています」

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース
キヤノン株式会社 常務執行役員 イメージング事業本部 IMG第三事業部長 甲谷英人さん (左)、キヤノン株式会社 イメージング事業本部 IMG第三事業部 IMG32事業推進センター 所長 藤井賢一さん (右)。

 

アジア競技大会キヤノンプロサポートブース
愛知国際アリーナには、「EOS R1」の連写体験ができるブースも。