社会貢献を意識した遺品整理サービスとは?
――今後の遺品整理サービスにはどんな課題があるとお考えですか?
赤澤 もともとグッドホールディングスは、ゴミ回収業者というよりも、環境系ビジネスとして事業を展開していました。ゴミを減らそうという考えだったのです。「ゴミを減らすなんて仕事を減らすのでは?」という声もありましたが、結果的に賛同者が増え、仕事も増えました。
ゴミの量を減らすには、リユースやリサイクルが必要です。これが進むことで片付けにかかる費用も減らせるので、そうなると日本の「空き家問題」も解決できるのではと思っています。
空き家は物が片付けられていない状態なので、行政がなかなか取り壊せないんです。取り壊すとゴミが増え、その処分に費用もかかります。あらかじめ空き家の整理を弊社が請け負えれば、スムーズに取り壊しができる。そうすれば空き家も減るはずです。
ただ、そうなるには、リユースをさらに進める必要があります。片付けが増えれば、海外でリユースできる商品も増えます。そうなると、それを卸す先も増やさなければなりません。出荷量や出荷先を増やすというのはこれからの課題のひとつです。
弊社では収益の一部を「チャイルドドリーム」というNGO団体に寄付しています。これは、海外にものを売ってリユースできているという側面があるからこその社会貢献活動だと考えています。さらに、海外の支援をすることで、その子どもたちが育ったときにリユース品を手にしてくれる機会が増えるといいなとも思っています。
――現状、リユースできていないものはこれからもゴミにするしかないのでしょうか?
赤澤 いえいえ、これも仕組みづくりが必要なんです。遺品のなかには少し修理すれば再利用できる家具や家電がたくさんあります。現状はこういったものは処分するしかないのですが、今後は修理してリユースできないかなと模索しているところです。
――今後の展望をお聞かせください。
赤澤 片付けをすることで社会貢献につながるという仕組みを確立したいですね。社会課題をビジネスで解決することをホールディングスとしても掲げているので、リリーフとしても目指したいところです。
国内でもなかなか遺品整理サービスのイメージを確立できていないので難しいところではありますが、日本だけでなく海外でも高齢化が進んでいくと予想されています。諸外国でも同じような社会問題が出てくることを考えると、海外でも遺品整理サービスをフランチャイズ展開する可能性はあるのかなと思っています。そのニーズが出てくるまでは、国内での認知度を高めていきたいです。
また、海外を視察して感じるのが、日本のゴミ処理技術の高さです。海外は道路はきれいでも、そのゴミを郊外の処理場に投げ捨てており、そこで暮らすような子どもがいます。弊社はJICAと提携していて、海外から事業視察に来ることがあるのですが、ゴミ処理に関しても海外で事業を展開できるといいですね。
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