現在、原油や石油、天然ガスの価格が高騰し、世界各国でエネルギー問題が浮上していますが、ロシアのウクライナ侵攻の前からエネルギー危機に直面しているのがスリランカ。苦しい状況を打開しようと、日本の支援を受けながら再生可能エネルギーの導入に粘り強く取り組んでいます。
2021年12月、スリランカは、イラン石油公社に対して、過去に輸入した石油の代金を紅茶で支払うという大胆な施策を講じたことが国内外のメディアで報じられました。新型コロナウイルスのパンデミックによる観光業の不振はスリランカの経済に大きなダメージを与え、政府債務の返済危機、さらには自国通貨のスリランカ・ルピー安も引き起こしています。
スリランカは、新型コロナウイルスによる経済的なダメージを受ける前から、経済成長に伴いエネルギー需要が増加傾向にありました。JICAの省エネルギー普及促進プロジェクト(2008〜2011年)や2023年まで継続する電力セクターへの技術協力など、日本もスリランカのエネルギー問題の解決に向けて大きなサポートを講じています。2021年7月からは日本気象協会が太陽光、風力の発電予測データを提供するなど、スリランカの再生可能エネルギーへの熱意は非常に高いものがあります。
エネルギー問題は一国の存亡に関わりますが、現在のスリランカは他国の支援を受けながら、エネルギー政策や化石燃料の輸入などに関する困難な問題に取り組む段階にいます。再生可能エネルギーの民間企業プロジェクトは300件近く稼働しており、将来は国内プロジェクトや外国企業の参入が増える可能性があります。同国における日本の長年のサポートは、日本の民間事業者がビジネス展開を検討する際にもプラスに働くかもしれません。
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