トピック&ニュース

ウクライナ危機で忘れがちな途上国に迫る最悪の事態

【掲載日】2022年3月24日

2022年2月下旬に起きたロシアのウクライナ侵攻は、第二次世界大戦以後、最大の国際紛争の1つに発展しています。世界秩序の変化が確実視されていますが、今回のウクライナ危機は同2国のみならず、世界経済全体に多大な影響を与えるのはもちろん、中低所得国に分類される開発途上国には甚大かつ長期的な影響が及ぶと見られています。

ロシアのウクライナ侵攻で忘れてはならない途上国への影響

 

現在の世界経済は、新型コロナウイルスのパンデミックによる影響で疲弊しています。その中で起きたウクライナ危機は、回復過程にある各国の経済に冷や水を浴びせるものであり、世界的なインフレ傾向の高まりと共に中低所得国の国民生活に長期的な脅威となる恐れがあるため、国連をはじめ、さまざまな国際機関が警鐘を鳴らし始めています。

 

ロシアのウクライナ侵攻によって大きな影響を受けているのが、第一にエネルギー問題。ロシアの石油生産量は米国、サウジアラビアに次いで世界第3位であり、天然ガスは米国に次いで世界第2位です。エネルギー資源の有無や政策によって程度は異なりますが、製造品原価の高騰や輸送費の増大、電気代の高騰など、ウクライナ危機の影響は広範囲に及んでいます。専門家の中には、開発途上国がウクライナ情勢から受ける打撃を少しでも抑えるために、各国の新型コロナウイルスへの対応を参考にしながら、すぐに行動を起こすべきだと主張する人もいますが、経済的な基盤が脆弱な開発途上国が、例えば先進国と類似した措置を展開できるかどうかは疑問です。

 

エネルギー問題と同様に深刻なのは食糧。ウクライナとロシアは小麦産業をはじめ、大麦やトウモロコシなどの主要輸出国です。国際食糧政策研究所によると、小麦においてロシアは世界全体の約24%、ウクライナは約10%を占めていますが、最近、アントニオ・グレーテス国連事務総長は、アフリカおよび後発開発途上国の同2国に対する小麦輸入依存度が全体の3分の1以上を占めていると発言しました。国連食糧農業機関の世界食料価格指数は、ウクライナ危機の前から既に過去最高を記録しています。

 

ロシアのウクライナ侵攻によって、エネルギー資源の輸出国の一部は資源価格の高騰の恩恵を受けるという見方もありますが、途上国の多くは迅速な対応に迫られています。世界銀行や国際通貨基金などの国際機関の支援をはじめ、外貨準備高のさらなる増強やインフレ対処策など、膨大で広範囲な対策をできる限り実施する必要があるでしょう。ウクライナ危機で忘れがちな途上国にも危機が差し迫っています。

 

「NEXT BUSINESS INSIGHTS」を運営するアイ・シー・ネット株式会社では、開発途上国の発展支援における様々なアプローチに取り組んでいます。新興国でのビジネスを考えている企業の活動支援も、その取り組みの一環です。そんな企業の皆様向けに各国のデータや、ビジネスにおける機会・要因、ニーズレポートなど豊富な資料を用意。具体的なステップを踏みたい場合の問い合わせ受付も行っています。「NEXT BUSINESS INSIGHTS」の記事を見て、途上国についてのビジネスを考えている方は、まずは下記の資料集を参照ください。

●アイ・シー・ネット株式会社「海外進出に役立つ資料集」