雨の日の水溜まりや海、池、ガラスやクルマなど、街の中は映り込みの宝庫だ。映り込みをスナップに生かすことで、これまでとは一味違う写真が撮影できる。目を凝らして映り込みを探してみよう。
ビーチで出会った光景を作品にする”鹿野流”映り込みテクニック!
思い切って映り込みだけで構成するのもいい。その写真を180度回転させることで、不思議あるいは幻想的なイメージを表現するというテクニックもある。水面の反射を存分に生かすのであれば、写真のセオリーから少し離れてみるのもいい。
またレンズや絞りの選択も重要になってくる。とりわけレンズの画角は、アングルの高低と密接に絡んでくる。高い位置から見下ろすのであれば広角、絞りは絞り気味がセオリー。
反対に低い位置から撮るのであれば標準から望遠が撮りやすいし、絞りを開けることで遠近感を強調することができる。自分自身が動いてベストポジションを探ってみることが成功への近道だ。
足を入れてフレーミング
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映り込みだけに構図を絞る
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180度回転させて完成!
映り込みを回転させて不思議な写真を作る
真夏の湘南で、これから波に乗ろうというサーファーが沖を眺めていた。 波打ち際がまるで水鏡のようだったので、映り込みを中心にフレーミング。最終的には映り込みだけで構成し、さらにその画像を180度回転させて実像のように仕上げた。サーファーを照らす夕暮れの赤みが効いている。
ソニー α7 II バリオテッサーT*FE24~70ミリF4 ZA OSS 絞り優先AE F5.6 1/80秒 ISO100 WB:オート
写真・解説 鹿野 貴司