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【月景の素敵な撮り方】月をあえて夜の風景写真の脇役にしてみよう。

星空と同様に、月のある景色(月景)もフォトジェニックです。カメラが好きな人にとって、こちらも挑戦してみたい!被写体です。月も星の撮影と同じく、撮影方法の悩みは尽きません。ですが、やはり満月や三日月だと絵になりますしカメラを向けたくなります。これから流星群や皆既月食、火星の接近など、天体撮影では、イベントも盛りだくさん。月と地上風景を絡めた月景写真の撮り方やテクニックをご紹介いたしましょう。

 

 

夜桜と月、樹氷と月というように 夜の風景のアクセントに月はもってこい

月景写真は、夜の風景撮影のついでという考え方も大いにアリ。天体写真を撮るときは、気象条件や方角、時間帯などを詳細にチェックしてから撮りに行くことが求められますが、月景写真は大雑把にいうと月が出ていればいいのです。特に月を脇役に添える場合は、主役となる被写体選びのほうが重要になります。

 

【月景×夜桜ライトアップ】

月と桜は明るさが同等なのでどちらも適正に写る

夕刻の撮影を終えて、桜のライトアップを待つ。意識していなかったが、この日は満月でも上弦の月でも三日月でもない平凡な月の日だった。しかし、漆黒の夜空に浮かぶ月と、樹齢100年を越える長野県高森町の氏乗の桜が妙に合った。桜と月が画面に収まるポジションを選んでフレーミングする。桜のライトアップは明るいが、月も同等の明るさのため、どちらも適正に描くことができた。

27ミリ相当 絞り優先オート(F8 5秒) -1.3補正 ISO200 WB:曇り

 

【月景×樹氷】

月に露出を合わせて、懐中電灯の明かりで樹氷を捉える

朝日を撮影するために蔵王に行った。東側の山から月が顔を出し、休憩がてら樹氷をメインに月を絡めて撮影。現場は明かりがまったくなくて真っ暗なため、そのままでは樹氷は写らない。月に露出を合わせつつ、10秒間の露光中に懐中電灯で樹氷を照らしながら撮影した。

24ミリ相当 絞り優先オート(F5 10秒) -0.7補正 ISO400 WB:太陽光

 

【月景×水面】

ピントも露出も水面に映り込んだ月に合わせる

水面への月の映り込みは、風があったり、シャッター速度が遅すぎたりすると撮影できない。この日は無風で、水面撮影に適していた。ピントは水面や草に合わせてしまうと月がぼけるので、MF で映り込んだ月に合わせる。露出も水面に合わせることで、周囲が暗く落ちて水面が浮き上がった。

45ミリ相当 絞り優先オート(F8 10秒) -1.7補正 ISO400 WB:太陽光

 

夜の風景写真では、月をアクセントに使えば、味わいを出すことができます。この場合は、月は脇役ですので、主役の被写体選びを慎重にしましょう。暗い夜の背景にワンポイントの明るい月というフレーミングができれば、印象深い写真になるでしょう。

 

写真・解説/秦 達夫