冬は、空気が澄んでいて朝日や夕日が美しい季節だ。特に「初日の出」というイベントもあるので、新年はまず、初日の出撮影からと思っている人も多いと思う。しっかりと防寒対策をして、朝日や夕日の撮影にチャレンジしよう!
絶対撮りたい初日の出
- 事前の準備で勝負は決まる!万全の防寒対策で初日の出に臨む
- 撮影チャンスを見逃すな!日の出日の入りの前後10分間が勝負
- 露出補正とホワイトバランス設定で太陽の表情を引き出そう!
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朝日&夕日 5つの撮影ポイント
①機材だけでなく、防寒対策も重要
日の出の時刻は、一日の中でもいちばん気温が低くなる時間。寒さに凍えながらでは撮影もできないので、防寒対策はしっかり行おう。
②日の出撮影は「方角」を見極める
太陽は水平線や山から昇り始めるため、太陽の出る方向がわかりにくい。地図や日の出の方向が調べられるグッズや携帯のアプリなどを活用しよう。
③日の出、日の入りの前後10分間を狙え
太陽が現れる直前は、朝焼けや空の色がドラマチックになる時間帯。太陽の動きは意外に速い。太陽が出る前後10分くらいが勝負だ。
④マイナス補正で色濃く写す
太陽を写す日の出撮影は、露出決定が難しい。逆光時はプラス補正と考えがちだが、マイナス補正を行って太陽の色を引き出そう。
⑤ホワイトバランスで「赤み」を強化
撮影時のホワイトバランスは、通常オートや太陽光が多いが、より赤みを強調するには日陰や曇りに設定すると効果的だ。
朝日や夕日は冬に撮るのがベスト
朝日や夕日の撮影は、晴れていれば年中できます。しかし、1年の中でも特にきれいなのは冬。夏は、空気中の水蒸気が多く、朝日や夕日を美しく撮影できるチャンスは少ないもの。冬なら空気が乾燥してクリアに見えます。
中でもチャレンジしてみたいのは、初日の出の撮影です。とはいえ、夕日に比べると朝日の撮影はやや難しくなります。なぜなら、日の出の直前まで太陽が見えていないため、太陽の出てくる位置を予測しておかなければ撮れないからです。その点、夕日は太陽が沈んでいく方向がわかるので撮りやすくなります。まずは、夕日で撮影に慣れておくといいでしょう。
冬がベストシーズンといえる太陽の撮影ですが、寒い中での撮影なので防寒対策をしっかり行いましょう。寒さに凍えながらでは、撮影に集中できません。レンズは、広角から超望遠までをカバーできるとベスト。日の出や夕日はどのような状況になるか予測しにくいため、どんな状況でも撮影できるようにそろえておきたいものです。また、カメラブレしないように、丈夫な三脚も必要。防寒対策、機材ともにしっかりと準備して、美しい朝日や夕日の撮影にチャレンジしましょう。
960ミリ相当の超望遠で、朝日を画面いっぱいに写した
960ミリ相当の超望遠で、昇りつつある太陽を画面いっぱいに撮影した。画質を優先して低感度で撮影しているため、露出補正をマイナス1に設定してもシャッター速度は1/160秒。丈夫な三脚にしっかりと固定してブレを防ぎつつ、慎重にシャッターを切った。
撮る前に知っておこう!機材だけでなく、防寒対策も重要
機材はできるだけコンパクトにまとめたいが、撮影には超望遠レンズが欲しいところ。テレコンバーターなどを用意して、できるだけ荷物を減らしたい。また、朝日や夕日はじっくりと撮る必要があるので、風邪をひいたりしないように、万全の防寒対策で臨みたい。
防寒対策
上着:寒い中での撮影のため、ダウンジャケットなど防寒性能の高い上着が必要。風を通さない素材でできたものがいい。ダウンなら軽くて動きやすい。
ズボン:防寒タイプのズボンを用意したい。裏地にフリース素材を使っているものや、風を通さない素材がいい。オーバーパンツなどで防寒してもいい。
靴:日の出や日の入りなどは、海辺で撮影することも多く、滑りにくく歩きやすい靴がいい。トレッキングシューズなどが便利。
インナー:インナーは、軽く暖かなフリース素材のものが動きやすくてベスト。インナーで暖かくし、上着で風を防ぐと動きやすくて快適だ。
フード:風が強い場合も多く、帽子やフード付きの上着のほうが何かと便利。耳が寒い場合もあるので、耳当てなどが欲しくなる場合もあるだろう。
写真・解説/工藤智道