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【カメラ用語事典】赤道儀

「赤道儀」とは星や月を写し止めるための撮影アイテムだ。地球の自転により、星や月は刻々と夜空を動いていくように見える。このため通常、長時間露光をすると星は軌跡となって流れて写る。星の動きに合わせて追尾する赤道儀を使うと、長時間露光でも星を点像として捉えることができる。

赤道儀を使うとISO感度を低く抑えて撮影できるので、解像度が高く、ノイズの少ない高品位な星空写真に仕上がる。月は明るいので必ずしも赤道儀が必要なわけではないが、アップにした月を狙うときは、赤道儀があると便利だ。

ただし、一般的な赤道儀では30分程度の撮影が限界。それ以上の露光を行う場合は、赤道儀に撮影用とは別の望遠鏡を装着し、その望遠鏡で星を見ながら手動で誤差を調節して撮る必要がある。一部の高級モデルではその誤差調整を自動で行う「オートガイダー」と呼ばれる装置や機能を持った機種がある。これらの製品を用いれば、一晩中の撮影やかなり暗い星も捉えることが可能。

最近では持ち運びに便利な小型のポータブル赤道儀も出ている。主に星空撮影に対応し、値段も手ごろな製品が多い。

 

焦点距離600ミリ、F7.5の高性能SDガラスを用いたVixen AP-ED80Sf・SM(希望小売価格:26万1000円・税別)。天体撮影に適した屈折望遠鏡と自動追尾機能のついた赤道儀セット。別売りのカメラマウントの規格に合わせたアダプターを併用することで、月や惑星をアップで撮影できる。
 

 

天体を追尾する赤道儀機能を備えたスリックのASTRA ECH-630(希望小売価格:5万7900円・税別)。大小2つの北極星のぞき穴を使って極軸を合わせれば、簡単に星や月を自動追尾してくれる。軽量コンパクトなので、広角レンズを使った長時間露光で星空を点像で捉えるような撮影に使いやすい。
 

 

赤道儀を用いて、約6分間の露光を行った。地球の自転に合わせて赤道儀も動くため、星は点像として、地上は流れて写る。
 

 

写真/青柳敏史