冬は花の少ない時期ですが、寒い中でも懸命に咲いている姿に愛おしさを感じます。木の花ならサザンカやロウバイ、草花ならスイセンやクリスマスローズなどが、冬の景色に彩りを添えてくれます。冬は空気がとても澄んでいて、花に鋭く光が差すため、そのきらめきを花や背景に感じさせるのもいいでしょう。春に近づけばウメなども咲き始め、花の開花によって春の足音を感じることができます。
殺風景な冬の時期に彩りを添えてくれる冬の花、澄んだ青空や鋭い光とともに捉えよう
スイセン×PLフィルター
白いスイセン畑にPLで深みを増した青空がよく映える
広々とした高台に広がる兵庫の灘黒岩水仙郷。低いポジションから広角レンズで見上げるようにスイセンの群生を撮影することで、青空を写し込み気持ちのよい花風景に仕上げることができた。青空の深みを生かすため、PLフィルターが欠かせない場面である。スイセンだけだと単調になりやすいので、かっこいい木立をワンポイントとして生かし、さらに雲が流れてくるタイミングを狙ってシャッターを切った。【写真・解説／深澤 武】
35ミリ相当 絞り優先オート （F16 1/30秒） ISO200 WB：晴天 PLフィルター
クリスマスローズ×背景ボケ
サクラとナノハナを大きくぼかしてカラフルな背景に
背景のピンクと黄色は、サクラとナノハナである。望遠レンズで絞りを開け、花と背景とが離れているアングルから狙ったので背景が大きくぼけた。開花期が長いクリスマスローズは、冬から春にかけて楽しむことができる。寒い冬を乗り越えて、さまざまな花たちに囲まれるクリスマスローズも狙い目だ。【写真・解説／吉住志穂】
300ミリ相当 絞り優先オート（F2.8 1/160秒） ＋2補正 ISO200 WB：オート
フクジュソウ×アングル
雪を生かして俯瞰で狙って季節感を引き出す
フクジュソウは春の訪れを告げる花だ。雪の中から黄色い顔を出して、春が来たよと教えてくれた。丈の短い花で、通常は茶色い地面が背景になりやすくて花を見下ろすのは避けるのだが、雪が地面を覆っていたので、俯瞰で狙って背景に取り入れた。冬から春へのバトンタッチ。早春を感じる一枚となった。【写真・解説／吉住志穂】
100ミリ相当 絞り優先オート（F2.5 1/800秒） ＋1.3補正 ISO100 WB：オート