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【クリスマスローズの撮り方】下を向くうつむき加減の花撮影のコツは、カメラアングルを低くすること

クリスマスと名前がついているとおり12月に開花して、4月ぐらいまで開花期が長いので、冬中撮影が長く楽しめる。花びらのように見えるのは萼片(がくへん)で、本物の花びらは中心部に隠れているため、花が長持ちするのだ。

 

開花期が長い花なので冬中撮影を楽しめる。広角レンズで花を見上げて撮るのがおすすめ

花は下向きに咲くが、正面から狙いたい場合は、花の高さよりも低い位置から見上げて撮影しましょう。この際、角度をつけやすい広角系のレンズだと使い勝手がいい。一方、望遠レンズでは前後にボケを入れた狙い方がおすすめ。

 

基本テクニック

下を向いている花だが シベが見えるように撮るのがコツ

下向きに咲くために、花の高さから狙うと、萼片でシベが隠れてしまう。花より低い位置にカメラを構えて見上げれば、花を正面から写すことができるが、望遠レンズだとドアップになりすぎる。広角レンズで撮るのがベターだ。

 


 

花と同じ高さから撮るとシベは見えないので、より低いアングルで狙う

花の高さから狙った△写真はシベが見えず、花も白いのでポイントがはっきりしない。アングルを下げて花を見上げるとシベが見え、ピントはそこに合わせた。曇っていたので背景は白いが、光が花びらを透過し、花に透明感が出ている。

24ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/50秒) +3補正 ISO200 WB:4600K

 

応用テクニック

うつむいている花の特徴を生かすなら 雨の日が最適

空に向いて咲く花は伸びやかで、生き生きとしたイメージだ。クリスマスローズはその逆で、うつむいているのでどこか寂しげな印象である。その雰囲気を出すなら、花の向いている方向を切り詰めると、窮屈感から寂しさを引き出せる。さらに雨の日ならば、冷たい雨に耐えて咲く花の姿を感じさせることもできる。

花を小さくフレーミングして寂しげな印象を強調

前後にボケを入れるので絞りを意識しつつ、降雨を描写するのでシャッター速度も考慮して露出を決めた。冬の冷たい雨が降る中、うつむいたような姿が寂しさを感じさせるので、向いている方向を切り詰める。さらに、背景を広くとってポツンと咲くイメージにした。

300ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/100秒) +1補正 ISO200 WB:4000K

 

写真・解説/吉住志穂