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【ネモフィラの撮り方】群生して咲く小さな花の特徴を生かして可憐な雰囲気を演出

ネモフィラは4月下旬から5月上旬の連休中に見頃を迎えます。街中だと花壇や植木鉢の寄せ植えでも見られますが、群生する姿は見事の一言です。最近ではいろいろな場所でネモフィラ畑を目にすることが増えましたが、茨城県にあるひたち海浜公園のネモフィラの丘が最も有名なスポットで、海外からも多くの観光客が訪れるほどです。斜面が青一色に染められ、晴れた日には青空とのマッチングが素晴らしいです。

 

 

ネモフィラは小さな花なので、画面いっぱいにクローズアップしてしまうと迫力が出てしまい、その特徴を生かせません。群生として広めに写すか、ちょっと小さめに写すと可憐な雰囲気が引き出せます。草丈が低く、小さな花が地面を埋めるように咲くので、ほかの花とは少し違った狙い方にも挑戦してみましょう。

 

 

基本テクニック

満開なら広角レンズを使って群生狙い、曇天時は望遠レンズで花狙い

満開なら、一輪をアップにするのではなく群生として狙うのがおすすめ。広角レンズで迫ると遠近感がついて、手前の花は大きく、奥の花ほど小さく写る。また、画角が広いので、見上げれば空まで広く入ってくる。天気がいいなら順光で狙うと花もくっきりするし、青空も濃く写る。反対に曇りの日は、白い空を入れないのがセオリーだ。望遠やマクロレンズを使って一部分を切り取ろう。

 

 

斜面を利用してローアングルで撮影
順光になるよう太陽を背にしながら撮影した。順光でも地上に近い空は色が薄いので高い位置の空が入るよう、見上げるアングルを選んでいる。草丈の低い花なので花より低いポジションを取るのは難しいが、斜面を利用すれば低い位置から狙うことができる。

24ミリ相当 絞り優先オート(F8 1/250秒) +1補正 ISO200 WB:晴天

 

 

花を小さく写しつつ前ボケで周囲を隠す
主役を目立たせるため、花の高さまでカメラを下げて、高く飛び抜けているものを主役に捉えた。また、ここではポツンと咲く可憐さを出したいので、あえて小さく写している。さらに望遠レンズをつけた状態でカメラポジションを低くしたので、手前の花が前でぼけて、主役の周囲が隠されてより際立った。

300ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/3200秒) +1.3補正 ISO200 WB:晴天

 

 
写真・解説/吉住志穂