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大きなボケの高画質ポートレートが楽しめる大口径F1.2中望遠「RF85mm F1.2 L USM」

キヤノンRFマウントの大口径中望遠単焦点レンズ「RF85mm F1.2 L USM」が2019年6月下旬に発売されることが決定した。価格はオープンで、キヤノンオンラインショップ直販価格は332,500円(税別)。

<2019.6.19> 発売日が2019年6月20日(木)に決定。

RF85mm F1.2 L USM

▲2019年2月に開発発表された中の1本。描写性能や操作性、堅牢性などで最高水準の性能を追求した「L(Luxury)レンズ」の新ラインナップだ。

 

 
被写体に圧迫感を与えず適度な撮影距離を保てる焦点距離85mmの単焦点レンズは、ポートレート撮影を中心に高いニーズがある。さらに開放F値1.2の大口径レンズであれば、大きく美しいボケ味を実現。シャッター速度をより速めてブレを抑えた撮影ができるため、夜間や屋内などの暗いシーンにも好適となる。

「RF85mm F1.2 L USM」は、BRレンズ1枚、UDレンズ1枚、研削非球面レンズ1枚を含む、9群13枚の光学設計。BRレンズとUDレンズの組み合わせにより、大口径レンズに出やすい色収差を大幅に抑制している。

RF85mm F1.2 L USM

特殊コーティング技術「ASC(Air Sphere Coating)」の採用により、逆光によるフレアやゴーストの発生を抑制。絞り開放時においても画面中心から周辺部まで高解像・高コントラストな描写性能を実現。焦点距離85mmのキヤノン製交換レンズにおいて最高レベルの画質にできたという。

また、最短撮影距離0.85mを実現。被写体に近寄り、美しいボケ味を生かした魅力あるクローズアップ撮影も可能だ。

色収差低減の作例比較(いずれも開放F1.2で撮影)

RF85mm F1.2 L USM比較作例

RF85mm F1.2 L USM比較作例

▲左が「RF85mm F1.2 L USM」、右は「EF85mm F1.2L II USM」。

 

 
今回、「BR(Blue SpectrumRefractive)光学素子」を凹凸のガラスレンズで挟み合わせた、キヤノン独自の複合レンズ「BRレンズ」を採用。BR光学素子は、青色(短い波長域)の光を大きく屈折させる特殊分散特性を備え、これまで1点に集光することが困難だった可視光の波長全域を1点に集光させることができるため、極めて高水準の色収差補正を実現している。

通常ガラスとBRレンズの違い

RF85mm F1.2 L USM

▲左が通常ガラスのレンズ、右がBRレンズ。通常ガラスのレンズは青色の波長(短い波長域)を補正しきれず、集光位置がずれ、色にじみが生じる。

 

 
「RFレンズ」らしく、フォーカスリングに加え、露出補正や絞り数値の設定などを任意に割り当てて使える「コントロールリング」を搭載。電子ビューファインダー(EVF)で撮影後のイメージを確認しながら、コントロールリングを操作する、より直感的で快適な操作が可能だ。

レンズ最前面と最後面のフッ素コーティング、マウント部、スイッチパネル、コントロールリング、フォーカスリングの防塵・防滴構造、レンズ鏡筒内部のメカ構造の見直しなどにより、高い耐久性、耐振動衝撃性を実現。信頼性も高そうだ。

RF85mm F1.2 L USM

 

さらにポートレート撮影に適したDSレンズ「RF85mm F1.2 L USM DS」も年内登場

キヤノンは、「RF85mm F1.2 L USM」と同様の光学系を備えながら、開発中の蒸着技術により、ボケ像のエッジを滑らかにし、柔らかな独特のボケ描写「DS(Defocus Smoothing)効果」を持つ、ポートレート撮影に適したレンズ「RF85mm F1.2 L USM DS」の開発も進めている。2019年中の発売を目指しており、詳細や価格はまだ未定。

<2019.10.28>「RF85mm F1.2 L USM DS」が2019年12月下旬発売に決定。

RF85mm F1.2 L USM / USM DS

▲左が「RF85mm F1.2 L USM」、右が「RF85mm F1.2 L USM DS」。

 

 

■キヤノン RF85mm F1.2 L USM 主な仕様

マウント キヤノンRFマウント
焦点距離 85mm
開放絞り F1.2
最小絞り F16
レンズ構成 9群13枚
画角(水平/垂直/対角線) 24°/ 16°/ 28°~30°
絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
最短撮影距離 0.85m
最大撮影倍率 0.12倍
フィルター径 φ82mm
サイズ(最大径×長さ) φ103.2×117.3mm
質量 約1,195g
付属品 ケース、フード

 

 
〈文〉稲葉利二